政治経済社会

ウィリアム・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』

現実の歴史で1820年ごろ以降に初めて見られたような、継続的かつ急速な経済成長には、私有財産制科学的合理主義資本市場輸送・通信手段 の4条件が全て揃う必要があるという話。同著者の『華麗なる交易』と合わせ、マット・リドレー『繁栄』グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史 』 が面白いと思った人が、次に読むのに最適。参考リンク今週の本棚:中村達也・評 『「豊かさ」の誕生…』=W・バーンスタイン著 -...
科学技術哲学

カリフォルニアのモノ湖でNASAが砒素生物発見

<速報>リンの代わりにヒ素をDNA中に取り込む微生物が見つかった - I’m not a scientist.DNAにヒ素をもつ生物の発見|むしブロ 分子生物学やってた者としては、このニュースだけは一言だけでも反応しておかないと。 Appleのビートルズコーの直後だったからか、これもズコーとか言ってる人がいるけど、これは全然ズコーじゃないよ。これはすごいニュースですよ。 どのくらいすごいかというと...
ニコ動マイリスト

10年11月のマイリスト

10年11月のマイリスト。
おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2010年11月版

最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『完全な人間を目指さなくてもよい理由-遺伝子操作とエンハンスメントの倫理-』★ まあ言いたいことはわかるし総論賛成なんだけど、どうもこの話は「...
政治経済社会

山森亮『ベーシック・インカム入門』

ベーシック・インカムの話は最近よく聞くが、ほとんど聞き流していた。本としてはこれが最初。私の第1感は「理念は素晴らしいかもしれんがなんかおかしい」というものだ。 「働かざる者食うべからず」という考え方を批判*1する時は、働かずに食っている金持ちの家に生まれた人間のことにちゃんと言及しているのに、働くことへのインセンティブを削ぐのではないかという疑問*2には、 ベーシック・インカムに対する答えられる...
日常の一コマ

松澤喜好『英語耳 発音ができるとリスニングができる』

『英語上達完全マップ』にはなかった内容で、かつやっておいた方が良さそうだと思った分野は、発音の復習。 作者の語りや最後の歌の部分は無視して、2章から5章のみの利用。確かに発音も聞き分けも結構できるようになってきたように思える。 余談だが、舌の位置を意識しながらやっていると、音声言語は耳で聞き取ることのできる舌・唇・喉のジェスチャーであるという説が、ますます納得できるような気分になってくる。おまけ【...
映画・ザ・ムービー

『月に囚われた男』 オススメ度 7/10

かなり低予算の割には、よくまとまった良作という印象。新作なら微妙だがレンタル分の価値はあるか。 ネタバレの予備知識はないほうが面白いと思う。しかし、SFのお約束というかオマージュというか、そういうのがわからないと「いまいち何がしたいのかよくわからん退屈な作品」という印象で終わってしまうかもしれない。 だから、下に並べたうちで、見たことがない映画の数を7点から引いて自分へのオススメ度と考えるとちょう...
政治経済社会

ポール・コリアー『民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実』

原題"Wars, Guns, and Votes: Democracy in Dangerous Places"(『戦争・銃・投票〜危険な場所での民主主義』)。『最底辺の10億人』と同著者。 内容はよく紹介されているところがあったので、参考リンク先などに譲って繰り返さないが、「民主主義体制下では所得の増加と共に安全度が増し、独裁体制下では所得の増加と共に暴力度が増す。この二本のラインが交差するポイ...