アメリカ

政治経済社会

リチャード・E. ニスベット ドヴ・コーエン『名誉と暴力―アメリカ南部の文化と心理』

『みんなの進化論』で言及されていて面白そうだったので読んだ。以下は超要約。  アメリカ南部の文化が、端的に言ってマッチョ的だというイメージは広く知られている。しかし、南部人は単に何に関しても暴力的というわけではない。自分自身や女性親族の「名誉」を守るという文脈で、特に暴力を許容する傾向がある。  よく言われてきた「奴隷制のせいで良心が摩滅しちまったんだよ」という類の説明は、「社会制度が暴力肯定を助...
政治経済社会

ジョン・ホバマン『アメリカのスポーツと人種』

ボルトが異次元の世界新 100M9秒58で優勝  に関連して、 人種差別問題でオススメの本3冊  に追加しておいた方がよいと思う本を紹介しておく。  白人と黒人両者が人種的運動能力に関する調査を恐れているのは、それが知力や情緒に関わるもっと内面的な人種的差異を示唆するからである。科学者と一般人のいずれも、人種的な身体構造や生理についての本音を隠し続けているので、両者の不安は解消することがない。こう...
映画・ザ・ムービー

誰が見張りを見張るのか『ウォッチメン』オススメ度 10/10

これはすごい。『ダークナイト』級のアメコミ映画なんて二度とあるまいと思っていたが、早くもそれに匹敵するレベルのものが来てしまった。超面白い。R-15相応のグロさに耐えられる人には絶対におすすめ。  ……と言いたいところだが、予備知識ゼロでも見れるダークナイトと違ってこれはグロ以外でも大いに人を選ぶ。“終末時計”と言われて何のことかわからない人は、世代的にどうやっても楽しめないかもしれない。  その...
政治経済社会

フィクションは未来を地ならしする

アメリカ大統領選挙の投票日である。私は当初「オバマがなってくれればいいが結局マケインが勝っちゃうんだろうな……」ぐらいに考えていたクチなので、ペイリンと金融危機には感謝せねばなるまい。  ほぼ間違いなくアメリカ史上初の非白人大統領誕生となるわけだが、私が今思い出すのはドラマ『24』や映画『ディープ・インパクト』で見た黒人大統領の姿だ。 黒人大統領はSFだった! - ベイエリア在住町山智浩アメリカ日...
政治経済社会

銃社会・銃規制問題でオススメの本

バージニア工科大の銃乱射事件や長崎市長射殺で再び銃規制の話が盛り上がりそうだ。*1アメリカの銃問題については服部君射殺事件の時に興味を持っていろいろ調べた。  結果として今では単純な銃規制派には与しない。アメリカは予見しうる未来に渡って個人が武装する権利を否定することはないだろうが、それが必ずしも悪いことだとは思わない。  もちろん仮にアメリカが全ての歴史的経緯を無視して現在のアメリカ並みの銃社会...
アニメコミック

フルバがアメリカで人気!?

英語で!アニメ・マンガ - USA Today8月第2週目・一般書籍売上トップ150リスト:『フルバ』マンガとして最高順位の24位に!  『フルーツバスケット』がものすごく面白いことには全く異存ないのだが、アメリカで売れているというのはすごく意外だった。  NARUTOは「ニンジャだから」の一言で済ませてもいいと思うけど、フルバのどこにアメリカ人受けする要素があるんだろう。どちらかというと受けなさ...