ニセ科学

科学技術哲学

ロバート・ T・キャロル『懐疑論者の事典』

タイトルの通りの内容。 一家に一冊! 面白くてためになる カール・シファキス『詐欺とペテンの大百科』  で紹介した『詐欺とペテンの大百科』の疑似科学に比重を置いたバージョン、といった感じ。  面白さは、内容に多様性のある『詐欺とペテンの大百科』の方が圧倒的に勝るけど、こういう事典系には目のない私。  ホメオパシーが話題の昨今なので、今まで特に興味がなかった人にもオススメする価値はありそう。 関連書...
科学技術哲学

マーティン・ガードナー『奇妙な論理 だまされやすさの研究』

最近亡くなったマーチン・ガードナーによるニセ科学本の古典。原題"In the Name of Science."(『科学の名の下に』)  原著は1952年著と相当に古く、単に多くのネタが昔の話であるというだけでは済まない。一例を挙げれば、「ニグロ」という単語が、単に「黒人」という意味でなんの注釈もなしに使われる。現代ではありえないことだ。  この本の面白さは、それほどまでに古いにも関わらず、その価...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ10 水棲類人猿説(アクア説)と鯨類崇拝

【第9回】 【目次】 【第11回】  二人目もやはり日本人である。たまたま見かけたネット上の文章だが、あまりにもまとまりがよくて感激したので利用させていただいた。  又聞きの又聞きを紹介しているだけの人を晒し上げるのが目的ではないので、あえてネットマナーを無視して引用元は書かない。  ただし「オレの文章を引用するならちゃんと出典明記しやがれ」という文句が来たら大喜びで従う用意がある。 人類進化論ア...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ9 野崎友璃香『イルカのアヌーからの伝言』

【第8回】 【目次】 【第10回】  反捕鯨運動を真の意味で宗教として捉えなければならないことを強調したので、まずは宗教としてのガイア教についてもうちょっと慣れ親しんで理解を深めてもらおう。  これから主に3人の文章を紹介するが、そのうち2人までは白人でもキリスト教徒でもない。日本人である。  後でもっと詳しく述べるが、ガイア教を単なる人種差別とかキリスト教原理主義と考えるのは完全に間違っている。...
科学技術哲学

水伝問題で非難されるべきは著者ではなく学校教師

前回の続き。水伝はトンデモだということはわかったとしよう。なぜ科学にそんな風に誰かの飯の種を切って捨てる権利があるのだろう。  何が正しくて何が間違っているか判断する方法は色々ある。(あるいはあった。)昔も今も人気がある方法に、 真理は聖なる本に書かれている  というものがある。 優れた哲学者の魂が考えて考えて考えぬけば真理に到達できる  とする方法も昔はあった。だが結局は みんなで検証を何度も繰...
科学技術哲学

「水からの伝言」はトンデモの一言で切って捨ててよい

オープニングクイズ。以下の主張は正しいか? ○か×のみで答えなさい。どちらでもない・どちらでもある・場合による等の答えはなし。 誰かの真剣な主張を「とんでもないから」といって真面目に受け取らないのは科学的な態度とは言えない 科学的な社会では少数派の意見に基づいて行動するからといって弾圧されたり処罰されることはない 人格的な神や死後の世界の存在は科学的な観点からすると否定されると言わざるをえない  ...
科学技術哲学

電気分解した水で頭を洗う

うちの近所の980円の散髪屋では、いくらか余計に払うと電気分解した水で頭を洗ってくれるそうです。  フケや痒みを防ぐ効果があるそうですが、それは水素爆鳴気で頭髪を吹き飛ばしてやるという意味でしょうか。  それとも水酸化ナトリウム水溶液で頭皮をきれいさっぱり溶かし去ってくれるのでしょうか。  確かにフケや痒みはなくなりそうですがそれ以前に命がなくなりそうなのでいつも丁重にお断りしております。  つー...