ガイア教の天使クジラ9 野崎友璃香『イルカのアヌーからの伝言』

(今日の一コマ)

第8回】 【目次】 【第10回

 反捕鯨運動を真の意味で宗教として捉えなければならないことを強調したので、まずは宗教としてのガイア教についてもうちょっと慣れ親しんで理解を深めてもらおう。

 これから主に3人の文章を紹介するが、そのうち2人までは白人でもキリスト教徒でもない。日本人である。

 後でもっと詳しく述べるが、ガイア教を単なる人種差別とかキリスト教原理主義と考えるのは完全に間違っている。まだそんな偏見を抱いているなら、できるだけ早く頭から追い出してもらいたい。

 では、まず私の蒐集物の中から一番強烈な一冊を紹介しよう。

 最初に断っておくが、私はもちろん、これが最も極端なバカげた一例に過ぎないことを承知している。

 これから先この本の記述を引き合いに出して、反捕鯨運動一般について何か言うことはしないつもりである。それは批判の対象からは卑怯であると反発を招くだけの――そして自分は疲れるだけの――無意味なサンドバッグ叩きである。

 それでも私があえてこれを紹介するのは、ちょうど

  • ある遺伝子の正常な働きを知るには、その遺伝子が正常に働いている健康な個体を調べるのではなく、その遺伝子が全く働いていなかったり、過剰に働いていたりする病気の個体を調べなければならない

 ように、最も極端で馬鹿げた例を一度見ておくことが、一般的な反捕鯨者の心に何が起きているかを正しく理解するヒントとして役立つと考えるからである。

イルカのアヌーからの伝言

 地球は生きている。
 地球は意志を持っている。

 その昔、私たち人類は、この世に存在する全てが神の創造物であることを認識していた。生あるもの、生なきもの、鉱物や植物、動物、そして木々のざわめきや木漏れ日の中にも、神の神聖なる力が宿り、魂が存在することを知っていた。それとともに人類にも、母なる地球と深く深くつながっていたのである。

 今、私たちは再び遠い記憶を呼び起こし、いつのころからか人類だけがはずれていってしまった調和のみちへかえろうとしている。私たちに求められるのは、自己の神聖さに目覚め、己の内に平和を見出すことである。それが地球全体のヒーリングにつながる。

 私たちのすべてが、あらゆる存在の中に神の側面を見出し、その一つ一つに尊敬の念を持って接することができたとき、この地球に本当の平和が訪れ、さらなる進化がもたらされるだろう。

 第7回の冒頭でも紹介したプロローグ部分。後で見るようにこの本の後半はぶっ飛び過ぎてあまり役に立たないが、この部分は必ずしも鯨類崇拝とイコールではない*1ものとしてのガイア教の神髄を短く要約する、私の知る限り最高の文章である。

 第2回で見た存在の大いなる連鎖の変遷から、「神」「進化」「地球」という各時代のキーワードを抜け目なくつまみ食いするたくましさに注目せよ。

 ケネス・ノリス博士とクリスティーン・ジョンソン氏は共著『イルカ社会のしくみと習性』の中で、このようなイルカの特徴を「相互利他主義」と呼んだ。相互利他主義、すなわち自分を犠牲にして他の個体の幸福に貢献し、それを互いに行うことである。これは、いつも他人との境界線を持ち、分離間を抱いている現代社会の私たちが失ってしまった世界かもしれない。

 精神世界の見方からすると、人間は、「二元性」(Duality)の世界に生き、イルカは「両極性」(Polarity)の世界に生きているという。

 こうしたイルカのヒーリング効果は、メロン(前頭部の脂皮下にある脂肪組織)から出される超音波によってもたらされるという。この超音波が、人間のふだん使っていない脳を刺激し、活性化させ、人間の眠っている才能を引き出すというのである(人間はふだん脳の十分の一しか使っていない)。また、イルカと泳いだり、交流することで、脳内麻薬ともいわれるエンドルフィンが分泌され、高揚感をもたらすことも、ヒーリング効果を高めるのに一役買っている。

 まあ、このあたりまではいかにも典型的だろう。しかし、まだまだ序の口である。これぐらいで参っていてはこの先身が持たないぞ。

 一九九一年、スイスに本拠地を置くベルリーヴファウンデーションのシンポジウム席上で、オルカのリリースが遅々として進まない現状が報告された。その際のキース・ランデスター博士の言葉が思い出される。「彼らはおそらくかしこい。しかし、それを解明できるほど人類はかしこくない」

 そうなのである。人間に解明できてしまったらそれは神秘の名に値しない。解明できては困るのである。

白い妖精

白い妖精

ベルーガ・ドルフィンは、白い妖精
カナリアのような声で
白い巨体は海を舞う
海の底に横たわって
地球とお話しするんでしょ
あなただけの与えられたギフト
天と地を結ぶ天使のイルカ

 4章「イルカの詩」の一編。天使という単語に着目。

陸イルカのルカ

 私が東京の生活に疲れ、体の調子が悪いな、と思うときに逃げ込む場所がいくつかある。中でも一番ヒーリングされるのが親友アオソラ・ルカの住む京都の山の中の家だ。
 アオソラ・ルカとは妙に晴れわたった空をイメージさせる、ぬけたような陽気さ漂う名前だが、もちろん本名ではない。イルカ好きが高じて名乗っているドルフィンネームである。

 ホーリーネームって流行ったなあ。ちなみに彼女はたまに自分の仲間を陸イルカと呼ぶ。水棲類人猿説(アクア説)との関連はまた別に取り上げる。

 そろそろ面白くなってくる。できれば飲み物を口に含んでラストまで一気に読み進めてもらいたい。牛乳がベストであるが、なければコーヒーや紅茶でもよい。

イルカのアヌーとの出会い

「ユリカ、今度E・Tシャアリのセミナーがカウアイであるんだけど行かない?」
 ある日、カナダに留学中のイルカ好き少女、通称「ルカ」からお誘いの手紙が届いた。

(中略)

 プレアデス星人とアークチュールス星人のハイブリッド(混血種)というシャアリは、宇宙連合から三十年の期限付きで地球に派遣された宇宙大使だという。彼女は、急激に変動するこの地球に、宇宙レベルのヒーリング・エネルギーを提供すること、宇宙人に対する正しい情報をもたらすことの二つの任務を担っている具体的にはセミナーの形式を取りながら、世界中から共に地球の変革をサポートする「光の大使」を集め、世界三十六ヵ所に「ヒーリング・チェンバー」をつくる。このヒーリング・チェンバーとは、人がライフパーパス(生まれる前に決めた、今回の人生で何をするかの魂の決めごと)に沿って生きられるよう、個人の思考を洗練し、意識の拡大を助け、ひいては地球のアセンション(進化)を早める目的のスペースだという。

 シャアリはエジプト人とロシア人の混血女性シャイラの肉体を借りてこの地球に住んでいるわけだが、彼女の情報は、E・Tシャアリ自身の他、聖人エイブラハム、女神の意識体マラヤ、そしてイルカの意識体アヌーからのものがある。あくびをするごとに、肉体に入る意識がシャアリになったりエイブラハムになったりして入れ替わる。

(中略)

「(アトピー性皮膚炎になったのは)あなたがイルカだから。アブソルートリー(絶対的に)イルカなのよ。ドーサルフィン(背ビレ)を持っていないけど、あなたは人間の皮をかぶったイルカなの。イルカは海にいるのに、あなたは陸にいるから皮膚が乾燥したり、環境に適応アレルギーがあるのよ」

(中略)

「イルカは単なる動物ではなく、地球上にいるE・Tともいわれているが、そこのところをはっきり知りたい。イルカは地球の変革をサポートしにこの地球にいるの?」
 その時シャアリが、「アヌーがこちらに来たがってる。そこまで来てるよ」と口にしたとたん「キーキーカタカタカタ……アヌ、アヌー!!」とまるでイルカの声になってしまった。シャアリの意識に替わってボン! と肉体の中にアヌーがやって来たのだ。
 砂の上に座るシャアリの体がイルカのように波打ち、両腕は胸を抱くようにして胸ビレのようになっている。喜びとワクワクにあふれた表情、何よりも「嬉しい!!」という波動がこちらにも伝わってきて、その場のエネルギーが一瞬にして変わった。
 アヌーは英語で話すが、イルカのようにキーキー、カタカタ、ウフウフ、ララランといったノリがあり、聞いていて楽しくなる。トーンも高くなったり低くなったりのびたりと自由気ままなしゃべり方だ。
「怖いよー」いきなりアヌーが言った。「何が怖いの?」と訊くと、
「人の悲しみのエネルギー、怒りのエネルギー。私たちは遊んで、ただ愛を与えたい。でも人はもらうことばかり。持っていくばかり。だから久しく人と会ってなかったんだ」
 アヌーから放射される純粋なエネルギーを感じて、私は思わず涙が出てしまった。横を見るとなんと通訳のソニアの頬にも涙が流れ落ちている。もちろん嬉し涙だ。

(中略)

「あなたは一つ前の過去世でキャプティブドルフィン(自由の身ではなく、飼育されているイルカ)だった。実験のために飼われて薬物を注射され、その時心もいっしょに死んでしまった。今、一九五〇年から六〇年のあいだに軍事目的で捕獲されてトレーニングされたイルカや、実験のために閉じこめられて飼育されたイルカの、死んだ魂がたくさんあなたのところに来ていっしょに浄化されようとしている。

(中略)

「あなたはイルカのときの意識が色濃く残っているので、人の中に入るよりは一歩外にいて、周りの人々の意識の変化を観察したり、肉体と意識のハーモニーとバランスをとりながら、この環境や自然のパワーとよりよく共鳴しあっていくことに興味がある」
 とアヌーは続けた。確かに私は自分で「ああ、私は協調性がない」とか「変わっているから直さなくちゃ、合わせなくちゃ」と思うことがよくあった。そうか、いいんだ、合わせなくて。だって私はイルカなんだから。何ともいえない安心感とやすらぎが心の中に広がった。

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| 電波を感知しました。 |
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      _         ビビビ
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サメは海のガーディアン

(前略)イルカとサメは仲が悪いものだと思いこんでこんな質問を投げかけた。しかしアヌーは、
「ノー、サメのこと好きだよ。サメは海の世界の神聖さを守るガーディアン(門番)なんだ。僕たちは遊んでいてうっかり彼らの守る神聖な場所へ入っていくから、アタックされちゃうんだ。突然来るから驚くよ」
 という。イルカには嫌いなものはないのである。
「だけど汚染によって海の中のバランスが崩れているので、頭が少しおかしくなったサメもいる。(後略)

 正直、真面目に感心したのはこの部分。電波には電波なりの情けというものがあるらしい。

ドルフィン・ミステリー

ドルフィン・ミステリー

 イルカにまつわる神秘的な話は意外に多い。たとえば、幻の大陸アトランティスが沈むとき、アトランティス人はイルカに姿を変えて難を逃れた。また、イルカはシリウス星からやって来た。など、まるで伝説のように一部の人々の間で語り継がれている。だからイルカに興味を持つと、アトランティスやエジプト文明、シリウス星についてもっと知りたくなってくる。

 ソララという宇宙意識をチャネリングして書かれたチャネリング本『イレブン・イレブン』(Solara ,1992,原題”11:11 Inside the doorway”)の中に、アトランティス時代、非常に強力なイルカのエネルギーに満ちたドルフィン・テンプルがあったとの記載がある。宇宙界や天使界からのメッセージで埋められたこの本には、イルカとクジラについて多くのことが書かれている。その一部をご紹介しよう。

「イルカとクジラは、太古の昔から存在する偉大なマスターであり、神の計画(Divine Plan)の実行を見てきた存在である。

 彼らは人間に生まれ変わり、地球のアセンション(進化)のプロセスを助けている。人間の肉体を経験したイルカの数はさほど多くないが、昔に比べ、より多くのイルカが人間の肉体に入ってきている。

 イルカはシリウスからやって来たが、クジラはカノパス(クルスという大きなヒーリングの星の一部)というスターシステムから、シリウスを通して地球にやってきた。

 クジラは地球に関するレコードキーパー(記録の管理者)であり、彼らが保持する莫大な量の知識は細胞レベルで貯蔵されている。そこにどれほどの知識がしまわれているかは、彼ら自身も知るところではない。というのも、現在そこは休止状態で、活動するのを今や遅しと待っているからだ。

 彼らの知識が活性化されることは非常に重要である。活性化されない限り、彼らは神からの使命を果たすことができない。その期限はもう間近である。そして活性化の鍵は私たち人間にある。」

(中略)

 イルカに絡んだ神話や伝説、チャネリングからの情報などをひもとくと、スケールの大きい銀河系サイズの絵巻物が見えてくるようである。これは今の私にとって一番興味ある領域といえるかもしれない。私はさしずめ「銀河系イルカ文化人類学」とも呼べるこの分野をもっと学んでいきたいと思う。そしていずれ「ドルフィン・ミステリー・スクール」を開設したい。その昔、エジプト文明にはイルカがテレポーテーションやテレパシーを教える「ミステリー・スクール」が存在したそうだが、私はそのイルカ版を作りたいのだ。ここでは、先に紹介したような古代伝承文献の研究だけでなく、イルカのような集合意識やテレパシー、テレポーテーションも実際に体験し学べたら最高だと思う。イルカの意識体やE・Tを講師として迎えることも、近いうちに可能になるかもしれない。

 「そんなおとぎ話みたいなことを!」と思われる方も多いだろう。私の「ドルフィン・ミステリー・スクール」に対してだけでなく、ここで紹介したいろいろな説に関しても、そう思われる方が多いと思う。もちろんこれらの情報は決して新聞やテレビでは報道されない。しかし実際に海外に足を運ぶと、精神的、意識的成長を望む多くの人たちの間でごく当たり前のように語られ、科学者、天文学者、文化人類学者による著書の中でも明示されている事柄である。

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|  電波が強すぎます。. |
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           //ビビビビビィィィ!!!
    どかーん!  _
       从”;从 /||__|∧,
      (( ; ;”、; :(O´Д`)
     ((;”;从.”)と ))  ))つ
     `;Y ;”、 Y ノ ノ ノ
          (_ノ、_ノ

 繰り返すが、これは私が知っている中でも最も極端な例であり、捕鯨反対者がみんなこんな奴ばっかりだと言うつもりは全くない。

 私の意図はエントリの頭に書いたので、もしあまりの強烈さに忘れてしまっていたら、もう一度読み直してもらいたい。

 この方向には今はこれ以上掘り下げるつもりはないし、またその必要もない。先回りしたい人はニューエイジで調べておくとよいだろう。

 次からはここまでは馬鹿げてはいない事例を見ていくが、その過程で、私がこれを最初に見てもらった意図も理解していただけるようになると信じている。

*1:少なくともこの部分には「イルカ」も「クジラ」も「海」さえも一言も出てこないことに注意。

第8回】 【目次】 【第10回

おまけ

コメント

  1. より:

    それですね。
    ユリカはソウルメイト掲示板行けば友達が沢山見つかると思うんだ。

  2. シナウ より:
  3. 木戸孝紀 より:

    >鯛
    ドヴァ帝国ってなんだ? ちょっとググったけどわからん。鮫島事件のファンタジー版みたいなもん?

  4. より:

    ドヴァ帝国を思い出した。

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