科学技術哲学 わいせつとは性が年配の男性にとって適切に管理されていない状態 歴史上「わいせつ」の要件を具体的に示しえたためしがない、というのはよく言われることで、それはそれで正しいと思われる。 だが進化心理学的視点に立てば「わいせつ」を過不足なく単純に定義することは容易だ。 性が社会≒権力≒年配の男性(の同盟)にとって適切に管理されていない状態 だ。そもそも具体的にどんな行為や表現であるかは問題ではないのだ。たとえば、 一夫一婦制は社会的にひとつの安定解だから、夫婦間... 2017.5.3 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ おすすめ本書評まとめ2015年5月版 『アイリウム』★ 小出もと貴著。飲んでから一定時間後に、飲んでからその時までの記憶を失う(主観的には未来にワープする)薬をテーマとしたショートショート集。ちょっと面白い。 『系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史』★ 長谷川政美著。『祖先の物語』に似てる。 『知のトップランナー149人の美しいセオリー』★★★★ 企画の性質上、当然玉石混淆ではあるけど、かなり面白い。Edge.orgにも興味... 2015.5.1 おすすめ書評まとめ
おすすめ書評まとめ おすすめ本書評まとめ2014年4月版 『スティーヴ・フィーヴァー ポストヒューマンSF傑作選』★ グレッグ・イーガン他著。ほぼイーガンの目的。まあまあ面白かった。 『刑事司法とジェンダー』★ 牧野雅子著。確かApeman氏経由。教科書的だけどいい。 『異端の統計学 ベイズ』★ シャロン・バーチュ・マグレイン著。面白い。 書評 「異端の統計学ベイズ」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『クライシス・キャラバン―紛争... 2014.4.6 おすすめ書評まとめ
アニメコミック 魔まマの性別逆転 『魔法少女まどか☆マギカ』(まどマギと略されることが多いが以下魔まマ)について書き殴り。TV版のネタバレあり。映画版のネタバレはなし。 魔まマはそもそも全体に「合法鬼畜モノ」的な要素――いかに白昼堂々*1ひどいことを放送してのけるか追及したようなところ――がある。悪いと言っているのではない。私も皮肉屋なので、そこが好きだ。 たとえば、どこで見たか忘れたが「魔法少女になっちゃいました」とか言って... 2013.12.22 アニメコミック
科学技術哲学 ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化』 以前詳細に紹介すると言った*1ものの、どれだけ先になるかわからないし、重要な部分が多すぎてほとんどそのまんまにならざるを得ないので、考えを変えて先におすすめだけしておくことにした。 要点は、人間特有の高度な知性・言語・芸術・道徳などは、クジャクにとっての尾羽のように、性淘汰における適応指標形質として進化したということだ。私は、この見方は基本的に正しいと考える。 20世紀第4四半期で最も重要な進... 2012.7.3 科学技術哲学
科学技術哲学 マーリーン・ズック『考える寄生体―戦略・進化・選択』 『パラサイト・レックス』以来の面白い寄生ものを期待したのだが、どちらかというと進化医学ものだった。 面白さは普通。寄生ネタなら『パラサイト・レックス』、進化医学としては『病気はなぜ、あるのか』の方を先におすすめする。 1箇所だけ憶えておきたい箇所があったのでメモ。いつか詳細に紹介したいと思っている『恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化』で使うかも。 鳥のさえずりは脳の特定の部分でコントロールされ... 2009.10.31 科学技術哲学
政治経済社会 藤本由香里 白藤花夜子『快楽電流―女の、欲望の、かたち』 現在、私たちのまわりには、〈性〉に関する幻想の、数多くの鏡のカケラが散らばっている。そのうちの一片には全てを打ち破る愛の物語があり、また別の一片には徹底した支配・服従の物語がある。こちらには貞操の物語があり、あちらには快楽の物語がある。 かつてこれらの物語はそれぞれの鏡にまとまり、秩序だって、映すべき特定の人々を待っていた。しかし、今、それらの鏡はバラバラに壊れ、それぞれのカケラが、別のカケラの... 2008.8.8 政治経済社会