書評

政治経済社会

ダン・アリエリー『不合理だからすべてがうまくいく―行動経済学で「人を動かす」』

以前『予想どおりに不合理―行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』を紹介した、ダン・アリエリーの本。  行動経済学の部分はすでに一度は読んだことがほとんどなのだけど、作者の人格――全身大やけどという経験にも深く影響されている――に好感が持てる。  最高級に面白いし、生活の上でも心がければ役に立ちそうなことが多い。  たとえば、順応を考慮すると、楽しいことは切れ切れに、苦しいことは一気にやった...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年12月版

すでに2013年1月に入ってますが、まとめ。 『デッドライン―ソフト開発を成功に導く101の法則』★★  トム・デマルコ著。ソフトウェア開発について小説風に。なんか面白い。 『ウィナー・テイク・オール―「ひとり勝ち」社会の到来』★★  ロバート・H・フランク著、フィリップ・J・クック著。 なぜ一人勝ち社会になっているのか。面白い。 『オデッセウスの鎖―適応プログラムとしての感情』★  R.H.フラ...
科学技術哲学

ダニエル・L・エヴェレット『ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観』

以前読んで、間違ってもおすすめとは思えなかったのでそのままスルーしてたが、最近テレビでもやってたりしたのを見たので、一言だけ。  私は、これは良くてせいぜい単なる勇み足――チョムスキーやピンカーの言うとおり――である方にかなりの自信を持って賭ける。  その判断の根拠は言語学的なものではなく、端々から漏れでてくる著者の「高貴な野蛮人」的思想にある。21世紀にもなって「サモアの青春」かよと突っ込みたく...
ゲーム森羅万象

WIRED VOL.6 GQ JAPAN.2012年12月号増刊

たまたま目に入ってゲーム特集だったから買ってみたが、とても面白かった。 Angry Birds Unreal Engine Minecraft  の話など。 おまけ 【ニコニコ動画】【Minecraft】ニトロトルエン美術館
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年11月版

『北朝鮮「偉大な愛」の幻』★★★★  ブラッドレー・マーティン著。山形浩生経由で知る。確かに長いがおもしれー。 『2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する』★  英『エコノミスト』編集部著。「日本以上の高齢化に見舞われるはずの国々に対して甘く日本に厳しすぎ」という意見があり、一理あると思うが、それは単に、日本が現在まだそれなり存在感があり目立っているというだけのことではないかな。 『資本主...
日常の一コマ

薬袋善郎『英語リーディング教本―基本からわかる』

第175回TOEIC公開テストを受けてきた。さすがに前回よりはちょっとだけ上がっていそうな手応えがあったような気がしないでもないような。  現時点での総勉強時間は380時間。前回から半年経つのに50時間も増えてない。それもスキマ時間のPSSも含めていてこれ。まあ7-9月に全然勉強してなかったしな。まだ先は長そうだ。  TOEICには直接関係ないが、この本を一度通してやったら長文の理解がずいぶんしや...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年10月版

『右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化』★★★  細将貴著。面白い。内容についてはshorebird先生にお任せ。 書評 「右利きのヘビ仮説」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『進化――生命のたどる道』★★★  カール・ジンマー著。これも。 書評 「進化:生命のたどる道」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『幸福優位7つの法則 仕事も人生も...
政治経済社会

横山茂雄『聖別された肉体―オカルト人種論とナチズム』

読んだのはだいぶ前だが『アイアン・スカイ』で思い出した。  内容は副題通りで、ここでは詳しくは説明しないけどかなりおすすめ。  あとがきの  本書の前提を成すのは、公認文化の背後に見え隠れする広義の意味でのオカルティズムの理解を欠いては、その文化の本質には到達できないという認識である。  という部分は深い。  自分の書いているガイア教シリーズにも通じるものがある。この本は直接には使用する予定はない...