書評

政治経済社会

ポール・コリアー『民主主義がアフリカ経済を殺す 最底辺の10億人の国で起きている真実』

原題"Wars, Guns, and Votes: Democracy in Dangerous Places"(『戦争・銃・投票〜危険な場所での民主主義』)。『最底辺の10億人』と同著者。  内容はよく紹介されているところがあったので、参考リンク先などに譲って繰り返さないが、 「民主主義体制下では所得の増加と共に安全度が増し、独裁体制下では所得の増加と共に暴力度が増す。この二本のラインが交差する...
政治経済社会

P.W.シンガー『子ども兵の戦争』

『ブラッド・ダイヤモンド』から連想して借りてきた少年兵問題の本。  少年十字軍みたいな集団狂気や末期のヒトラーユーゲントみたいなヤケクソはあれど、あくまで例外であり、有史以来古今東西を問わず子どもが軍事に関わるのは常にタブーとみなされていた。  しかし、今子供兵はかつてなく増えている。現代の紛争地域では、正規軍の装備や練度も大したことないし、狙いがソフトターゲットであることも多く、軽くて取り扱いの...
政治経済社会

レオ・バボータ『減らす技術 The Power of LESS』

非常に評判が良かったので借りたが、まあタイトルから予想される程度の内容。もうちょっと詳しく知りたければググって目次でも見れ。  とはいえ、この手の本の中では非常にレベルが高いのではないか。同系統のライフハック本とかビジネス本とかを数読みあさるような人は、これ一冊に絞った方がよさげ。  前からやろうと思っていたことだけど、これをきっかけに Twitterのフォロー数 RSSの購読数 ニコ動のウォッチ...
科学技術哲学

ウィリアム・パウンドストーン『ライフゲイムの宇宙』

情報をエネルギーに変換することに成功! - プレスリリース - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部  以前から何度か言及しておすすめしていたが、上のニュースに便乗して改めて単独でオススメしておこう。  原題"The Recursive Universe"(『再帰的な宇宙』) 『囚人のジレンマ』と並んで作者の最高作と思う。  ライフゲームの話だけでも十分すぎるほど面白いけど、情報理論・熱力学・宇宙...
政治経済社会

マット・リドレー『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』

原題は『合理的楽観主義者――繁栄はどのように進化したか』ぐらいの意味。直訳の方が良かったのではないかと思うこと以外はまったく素晴らしい。強くおすすめする。  内容的には、すでによく紹介されているところがあるのでそちらに譲るが、ちょうど関連書籍に並べたような本の内容をまとめたような感じになっている。これまで好意的に紹介してきたものばかりなので、同時におすすめ。 参考リンク 書評 「The Ratio...
政治経済社会

手嶋龍一 佐藤優『インテリジェンス 武器なき戦争』

正直あんまり面白いとは思わなかったけど、 「永田メールにコロっと引っかかった前原誠司は今後二度と外交などのインテリジェンス活動に関わるべきではない」(要約)  とかいうようなことが書いてあって予見的だったので一応紹介。 参考リンク 前原誠司はこんな人・インテリジェンスのない男〜「インテリジェンス・武器なき戦争」より: 本のセンセのブログ おまけ  おお、こわいこわい。 【ニコニコ動画】スプラッター...
科学技術哲学

マイケル・コーバリス『言葉は身振りから進化した―進化心理学が探る言語の起源』

言語の起源については大昔から、神話的なものから、こんなのみたいに多少は実証的なものまで、いろいろな説があったわけだが、それが「音声」言語であることは、比較的近代になるまで自明のことと思われていた。  しかし最近は、音声言語より先に手話のようなジェスチャー言語が先にあったのではないかと思われている。この説はわりとよく聞いていて正しそうだと思っていたが、これ一本に絞った本は初めて。  声と言語は同じで...
日常の一コマ

森沢洋介『英語上達完全マップ―初級からTOEIC900点レベルまでの効果的勉強法』

英語上達完全マップ  真面目に勉強にするにあたって、まずはメタ勉強。方法がいいか悪いかで効率が大分違ってきそうだし。  ガイド的なものを一冊選んでそれに沿ってやっていこう。各種知識と照らし合わせて一番まともそうだったのでこれにした。 おまけ  勉強というか訓練あるのみか。 【ニコニコ動画】ロマサガバトル風 ラジオ体操