書評

日常の一コマ

『Life Hacks PRESS デジタル世代の「カイゼン」術』

ライフハックというのは仕事や雑用をより少ない労力とストレスで済ませることができるようなノウハウのこと……らしい。 言葉としては最近知ったのだが私は昔からそういうのに凝る人だったので個人的にはこの本はあまり役に立ったとは言えない。一度は考えたことがあるようなこと・やってみたことがあるようなことが多いからだ。 『Web進化論』がWeb2.0って何? という人向けに書かれているのと同様、ライフハックって...
ゲーム森羅万象

斎藤由多加『ハンバーガーを待つ3分間の値段―ゲームクリエーターの発想術』

タイトルが面白かったので衝動買いした『シーマン』や『ザ・タワー』の開発者のショートエッセイ集。全体を貫いて繰り返し登場する時間・機会・手間のコストスタンダードであることの強さ人間の解釈に合わせた情報の出し方 といった視点はゲームに関係なく現代社会を生きる上で重要であろう。各章が短くてパッと読めるし全体の分量も適度なので万人におすすめ。
文化芸術宗教

ロビン・ウィリアムズ『ノンデザイナーズ・デザインブック』

デザインの専門家でない人が印刷物の体裁の基本を学ぶための本です。近接整列反復コントラスト  の4つの基本原則を豊富な実例でひたすら学びます。Webにも応用できますがWebデザインの本ではありません。配色の本でもありません。モノクロですし。 しかし、その基本原則の単純さ故にWebデザインにも配色にも応用できそうな気がします。 個人的には我流でHTMLやスタイルシートをやってきた中で一度は考えたことが...
文化芸術宗教

『老子』要約

『老子』は元からそんなに長くないですが、現代語訳ではなく要約です。 重複していたり、現代の視点から見て意味をなさないようなこと*1は省いて順番を並べ替えたりしています。『老子』 道*2として示せるような道は道でなく、名として表せるような名は名ではない。無名*3が天地・万物の生まれ出る根本である。 車輪の働きが中心の穴*4にあり、器や家の働きが中の空間にあるように、道は空虚でありながら、その働きは永...
WEB情報通信

大橋禅太郎『すごい起業 絶頂と奈落のベンチャー企業「ガズーバ」』

シリコンバレーでネットベンチャー企業を創業してから売却するまでの記録。純粋に話として面白かったし、特有の文化や経済用語の説明などもあって勉強になった。Life is beautiful に書いてあることの理解がちょっと深まった気がする。 『すごい会議』の方も読んでみたくなった。ただ「この人の著書はどれも内容が同じ」という評をamazonで見たので先にどちらかを読んでいるときはもう一冊を買うのは中を...
科学技術哲学

サイ・モンゴメリー『彼女たちの類人猿―グドール、フォッシー、ガルディカス』

タンザニアでチンパンジーを研究するジェーン・グドールルワンダでマウンテンゴリラを研究し密猟者に殺害されたダイアン・フォッシーインドネシアでオランウータンを研究するビルーテ・ガルディカス  3人の女性霊長類学者。チンパンジーが道具を使うとか、集団で狩りをし肉を食うだとか、ゴリラの雄が雌と配偶するために連れ子を襲って殺すことがあるとか、今ではまったく当たり前の知識の多くが彼女らによってもたらされたこと...
文化芸術宗教

ルカイヤ・ワリス・マクスウド『イスラームを知る32章』

キリスト教徒から改宗したイギリス人女性の著作。西側文化の視点を持っているだけに、日本人にも読みやすいはず。入門用におすすめと思われる。以下読書メモ。基本アッラーの他に神はなく、ムハンマドはアッラーの使徒である。イスラーム「神の教え」ムスリム「神に服従する者」ムハンマド預言者。あくまで人間。クルアーン「誦まれるもの」ムハンマドに掲示された神の言葉。7世紀から一度も加筆、削除されない。23年間にわたっ...