キリスト教徒から改宗したイギリス人女性の著作。西側文化の視点を持っているだけに、日本人にも読みやすいはず。入門用におすすめと思われる。以下読書メモ。
- 基本
- アッラーの他に神はなく、ムハンマドはアッラーの使徒である。
- イスラーム
- 「神の教え」
- ムスリム
- 「神に服従する者」
- ムハンマド
- 預言者。あくまで人間。
- クルアーン
- 「誦まれるもの」ムハンマドに掲示された神の言葉。7世紀から一度も加筆、削除されない。23年間にわたって預言者に啓示された長短さまざまの114のスーラ(章)、6616のアーヤ(節)からなる。アラビア語で約78000語。
- アッラー
- 「神(普通名詞)」唯一、全能神(「全能なる者」)、性別も家族も持たず、産みも産まれもしない。最後の審判の主宰者。
- ウンマ
- イスラーム共同体。対象は全てのムスリム(人種を問わない)。
- ムハンマドの生涯
- 570年頃サウジアラビアのマッカにクライシュ族の商人の家に生まれる。当時カーバ聖伝には偶像神。富裕な女商人ハディージャと婚姻。610年ジャバル・アンヌール(「光の山」)のヒラーの洞窟で天使ジブリール(ガブリエル)から啓示を受ける(ライラ・アルカドル(「力の夜」))。ブラークという人面有翼の獣にエルサレムへ連れて行かれ天界へ昇り、イエス、モーセ、アブラハムなど過去の預言者と話す。(ライラ・アルミラージュ(「昇天の夜」))。ヒジュラ(マディーナへの移住)。クライシュ族との戦い。マッカ巡礼。629年マッカ降伏、カーバ神殿の偶像を破壊。最後の巡礼。632年死去、享年63歳。
- ジハード
- 「聖戦」
- カリフ(ハリーファ)
- 「代理人」
- 正統カリフ
- 最初の4人のカリフ。アブー・バクル、ウマル、ウスマーン、アリー。
- シーア派
- スンニー派(80%)に対して少数派(20%)。アリーとその子孫を正統とする。その他いくつかの細かい点で異なる。
- 啓典の民
- ユダヤ、キリスト教徒は同じ神を信じているとされ大筋で認められる。ただしイエスはあくまで人間で神の子と考えるべきではない。
- イスラームの5つの義務
- 信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼。
- 信仰告白(シャハーダ)
- 「アッラーの他に神はなく、ムハンマドはアッラーの使徒である。」を2人以上の証人の前で証言するとムスリムとなる。
- 礼拝(サラート)
- 1日5回。マッカの方向に決まった時刻に。名目上全員平等に行い(ミサでの神父に当たるような)聖職者はいない。
- 喜捨(ザカート)
- 貧しい者に施しをする。理念としては強制ではない。
- 断食(サウム)
- ラマダーンの一ヶ月間、夜明けから日没まで飲食を断つ。
- 巡礼(ハッジ)
- マッカへの巡礼
- スンナ
- 預言者の範例、慣行
- ハディース
- 預言者の教えや言行の記録
- シャリーア
- イスラム法
- スーフィズム
- 神秘主義
- ハラール(許された)
- 祈りを捧げながら頸動脈を切る方法で得る肉
- ハラーム(禁じられた)
- 利子(リバー)、麻薬・酒・タバコ(ハムル)、同性愛、豚肉
- 割礼
- 男性器の包皮切除。女性器切除はイスラーム以前の風習で無関係。
- 結婚
- ムスリム男性がキリスト・ユダヤ教徒の女性と結婚することはできる。逆は不可。婚資金(フマル)は夫が妻に払う。女性が金を払うのはイスラームの風習ではない。一夫多妻可能。離婚は望ましくないが可能。
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