おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2010年10月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『5万年前―このとき人類の壮大な旅が始まった』★ ニコラス・ウェイド著。ところどころちょっと勇み足っぽく見えるところがあるが、悪くないと... 2010.10.31 おすすめ書評まとめ
政治経済社会 ティム・ハーフォード『人は意外に合理的 新しい経済学で日常生活を読み解く』 『まっとうな経済学』と同著者。 原題は『生活の論理:不合理な世界の合理的な経済学』ぐらいの意味合いで、今回もかなり面白い。 『まっとうな経済学』は『ヤバい経済学』と連続して紹介したけど、奇しくもまた『超ヤバい経済学』に連続しての紹介。 それぞれの位置づけも、やはり前回と同じで、変わった話題に経済学的視点を適用してみる『超ヤバい経済学』に対して、こちらはひたすら“インセンティブ”という視点に絞っ... 2010.10.22 政治経済社会
政治経済社会 スティーヴン・D・レヴィット スティーヴン・J・ダブナー『超ヤバい経済学』 前作に比べると大幅に劣るけど、やはり面白い。売春の章が一番面白かった。 一般に話題になったのは温暖化の章らしいが。まあこんな皮肉った言い方してるから、もめるのは仕方ないか。 一方、どんな宗教にも邪教はつきもので、地球の温暖化もご多分にもれない。ボリス・ジョンソンは古典学を学んだジャーナリストで、その後ロンドン市長になった人だ。彼はラヴロックを読んで――ジョンソンはラヴロックを「神がかりの人」と... 2010.10.17 政治経済社会
科学技術哲学 スーザン・A・クランシー 『なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか』 UFOは一時期に比べてめっきり人気なくなったので時期外しの感はあるけど、わりといい本だったと思う。『抑圧された記憶の神話』は怖すぎて読めないという人にいいかも。 アブダクティーの研究から見えてきたいちばんのポイントは、わたしたちの多くは神のような存在とのコンタクトを求めていて、エイリアンは、科学と宗教との矛盾に折り合いをつける方法なのだということだ。わたしぱ、ユングの「地球外生物は科学技術の天使... 2010.10.15 科学技術哲学
おすすめ書評まとめ 書評在庫一掃セール2010年9月版 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『犯罪の生物学―遺伝・進化・環境・倫理』★★★★★ D.C.ロウ著。これはいい。すごくいい。このテーマピンポイントでは、基本にして最高と... 2010.10.2 おすすめ書評まとめ
科学技術哲学 デイビッド・J・リンデン『つぎはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?』 1章 脳の設計は欠陥だらけ? 2章 非効率な旧式の部品で作られた脳 3章 脳を創る 4章 感覚と感情 5章 記憶と学習 6章 愛とセックス 7章 睡眠と夢 8章 脳と宗教 9章 脳に知的な設計者はいない 「進化上の制約」という観点から一本筋を通した脳本。 最近流行なのか、よく似た感じの本もありそうだけど、初心者向けで、かつレベルも低くないので大変おすすめ。 個人的に、1箇所だけ飛び抜けて印象... 2010.9.15 科学技術哲学
文化芸術宗教 デイヴィッド・エディングス『ベルガリアード物語』 確か誰かが褒めてたので、旅行中に読んでいた本。言わばアメリカのファンタジー系ラノベ。いま調べたら、出たのはちょうどロードス島戦記よりわずかに前の時代らしい。 面白いかつまらないかと言ったら、もちろん面白い。ただ、女性と東洋人の扱いが、一貫して余りと言えば余りにアメリカンなのが引っかかる。 ハリポタはやっぱりイギリスっぽかったし、ファンタジーだといっても――あるいは、だからこそ――国柄というのは... 2010.9.10 文化芸術宗教
科学技術哲学 ロバート・ T・キャロル『懐疑論者の事典』 タイトルの通りの内容。 一家に一冊! 面白くてためになる カール・シファキス『詐欺とペテンの大百科』 で紹介した『詐欺とペテンの大百科』の疑似科学に比重を置いたバージョン、といった感じ。 面白さは、内容に多様性のある『詐欺とペテンの大百科』の方が圧倒的に勝るけど、こういう事典系には目のない私。 ホメオパシーが話題の昨今なので、今まで特に興味がなかった人にもオススメする価値はありそう。 関連書... 2010.9.9 科学技術哲学