殺人

おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2018年10月版

『知ってるつもり――無知の科学』★★★  スティーブン・スローマン著、フィリップ・ファーンバック著。いまではそんなに珍しくない話題ではあるが、意外によかった。 『知の果てへの旅』★  マーカス・デュ・ソートイ著。個々の話題はちょっと薄い気もするけど、よい。 『進歩: 人類の未来が明るい10の理由』★★★  ヨハン・ノルベリ著。まあこれもいまではそんなに珍しくなくなってきた話題ではあるが、よい。 『...
科学技術哲学

デーヴ・グロスマン ローレン・W・クリステンセン『「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム』

『戦場における人殺しの心理学』の実践編みたいな位置づけの本。前作と共通部分が多いので、普通の人は前作のみで十分かもしれない。逆に自衛隊員・警察官・SP・警備員・消防士といった職業の人は自腹切っても読むべきだと思う。  いや……自腹というか、配られて然るべきなんじゃないのか? そもそも日本の自衛隊や警察では、ちゃんとこういう最新の研究成果に基づいた教育と訓練が行われているのだろうか? 根拠はないが絶...
政治経済社会

デーヴ・グロスマン『戦場における人殺しの心理学』

うーん、これは非常に面白かった。私なりの要約。  研究によると古今東西の兵士は想像以上に敵を殺せていない。というより殺そうとしていない。殺せても強烈なトラウマに悩んで社会不適合になったりする。それは人間には殺人に対する凄まじい心理的抵抗が存在するからだ。  そのような抵抗を持たない“生まれながらの兵士”も1%とか2%とかそんな割合で存在し、優秀な兵士となる。しかし多くの普通の兵士に敵を殺すことがで...