環境

映画・ザ・ムービー

アナクロニズムの極致『地球が静止する日』 オススメ度 1/10

わははは! 予告編を見てこれはダメ映画だと確信していたが、ある事情でダメなのを期待して観に行った。そして期待以上にダメダメで嬉しかった! つまんなくて嬉しかった映画は生まれて初めてかもしれない。人には全くすすめられないのでネタバレは気にせず行きますよ。 (ネタバレ注意!)  リメイク元の『地球の静止する日』は古典的名作SFである。友好的異星人像を初めて真面目に描いたと言ってよい先駆的な作品だった。...
科学技術哲学

デヴィッド・タカーチ『生物多様性という名の革命』

うむむ、もともとある下心を持って借りてきたのであって、良い本だと期待していたわけではないのだが、これではちょっとグダグダ過ぎて叩き台にも使えない。  amazonリンク先の山形浩生の書評にほぼ同意する。多様性擁護がこんなスピリチュアルしなくちゃできない議論だと思われたらかえって迷惑だ。 参考リンク 地球温暖化や生物多様性の発見から政治へ 『生物多様性という名の革命』 - leeswijzer: b...
政治経済社会

藤原辰史『ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』

今もシュタイナー教育などに名を残し、真面目に受け取っている人もいるルドルフ・シュタイナーと有機農法の話から始まって、自然を愛し全ての生命と共生しようという思想がなぜ大量殺人のような結果を生んだのかを巡る話に繋がっていく。  私はこれとかこれとかナチスネタには目がないのだが、この本と『ナチスと動物』『健康帝国ナチス』の2冊はどれも素晴らしく、“いまここにいるナチス”三部作とでも勝手に命名しておすすめ...
科学技術哲学

ジャレド・ダイアモンド『文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの』

プラトンの『国家』と共通点のある本。その共通点とは、初めて読むとき最初の一章を飛ばせ! 必ず飛ばせ! というもの。  最初の一章がアメリカのモンタナ州の話なのであるが、これが本の中で一番、そして唯一、実につまらないのである。  アメリカ人なら自国の話から入ることによって興味が沸くのかもしれない――少なくとも著者の意図はそうだろう――が、アメリカ人でないのなら絶対に次のイースター島の章から読み始める...
日常の一コマ

パソコンリサイクルに一苦労

ずっと使っていなかった古いパソコンを捨てようと思ったら、普通の大型ゴミとしては出せないらしい。  それはそうかもと思ってはいたが、市役所やらメーカーにいろいろ問い合わせたら、なんと結構な費用がかかるらしい。  結局CRTディスプレイ2台とデスクトップPC1台で11500円取られた上、 メーカーに電話で問い合わせコンビニ払込用紙を送ってもらい 払い込んで郵便局から「エコゆうパック」とやらの伝票を送っ...
科学技術哲学

サイ・モンゴメリー『彼女たちの類人猿―グドール、フォッシー、ガルディカス』

タンザニアでチンパンジーを研究するジェーン・グドール ルワンダでマウンテンゴリラを研究し密猟者に殺害されたダイアン・フォッシー インドネシアでオランウータンを研究するビルーテ・ガルディカス  3人の女性霊長類学者。チンパンジーが道具を使うとか、集団で狩りをし肉を食うだとか、ゴリラの雄が雌と配偶するために連れ子を襲って殺すことがあるとか、今ではまったく当たり前の知識の多くが彼女らによってもたらされた...
アニメコミック

蟲師第4回枕小路

枕小路は特に好きな話なので初めて生放送を観た。やっぱりいい話だ。「蟲師」全体を貫く思想をよく表現していると思う。(以下ネタバレあり) 蟲は良いことも悪いことも引き起こす。 人の考える「なぜ」や「どうして」は通用しない ただ生を遂行しているだけ。 蟲にも人にも、誰にも罪はない。 ただ性質を理解するよう努める。 絶てないなら騙し騙しでも共生するしかない。  男は刀で斬って殺すという荒っぽい対応をしたせ...