進化

科学技術哲学

ドナ・ハート ロバート W.サスマン『ヒトは食べられて進化した』

ヌーやインパラのような動物がライオンやハイエナに捕まってもりもり食われている。テレビの自然番組でお馴染みの光景である。 では霊長類――いわゆる猿――がヒョウやトラに捕まってもりもり食われている場面を見たことがあるだろうか? 私は昔この手の番組を平均よりかなり頻繁に見ていたと思うが、そんな場面は全く見たことがないと断言できる。 これは何らかの真実の反映なのだろうか? つまり猿は賢くて強いから他の動物...
科学技術哲学

アンドリュー・パーカー『眼の誕生――カンブリア紀大進化の謎を解く』

これも読もう読もうと思って後回しになっていた。いわゆるカンブリア大爆発についての本。 カンブリア大爆発についてはとにかく『ワンダフル・ライフ』が有名だが、この本でのグールドは、人間の進化が偶然の結果であるという意見――それは正しいと思うが――を強調するあまり、バージェス動物の異質性・多様性を過大に強調してしまった面があり、カンブリア大爆発などと言うのはただの誇張で実際は何も特別なことなど起きてはい...
WEB情報通信

パンダの親指でキーボードを叩く話 その1

さて、良いキーボードが欲しくなった理由について。そもそものきっかけはスティーブン・ジェイ・グールドのエッセイ『テクノロジーにおけるパンダの親指』であった。その要約を示そう。 パンダが指で竹を掴み、ごしごしと枝をしごきながら食べているところは見たことがあると思う。その時器用に使われている親指に見えるものは実は親指ではなく手の骨である。 パンダは外見通り熊に近い系統の生物で、熊と同じく親指は他の4本の...
科学技術哲学

自殺せずに生き残っているのはアホばかり?

私は子供のころ「世の中の立派な人・頭のいい人・勇気のある人はとっくの昔にみんな自殺してしまっていて、この世に生き残っているのはみんな意地汚くて頭の悪い意気地無しばかりなのではないか」と半ば本気で考えていたことがある。 なぜって? そうとしか考えられないではないか。鳥や魚や獣はいかなる理由があっても自殺しない。するのは人間だけである。あらゆる生物の中で人間だけが持つ高度な知能・精神などが、その原因で...