山形浩生『要するに』

要するに (河出文庫)

 山形浩生のエッセイ集。話題自体はやや古くなりかけているが、内容は別に古びてはいない。

 今回「おっ?」と思ったのはここ。

 さて、たぶん実際の世の中の制度設計というのも、このゲームの「おもしろさ」を考えるのと同じことだろう。ゲームも、まったくの自由放任では成立しない。なんらかの制度(つまりルール)があって初めて成立する。でもがちがちに規制しまくっては、ゲームが硬直する。(中略)万人による、さまざまなゲームの総和を考えたとき、最大限の「おもしろさ」を保証する制度ってどう考えればいいんだろうか。

(P286-287 制度設計と「おもしろさ」)

 上記エントリで私が、ゲームデザイナーの才能に一番近いのはあえて言えば立法者の才能ではないか? などと言っているのは、これと同じ話だ。

 しばしば訳書を好意的に取り上げてきたが、やはりこの人とは思考回路が近いらしい。他の著書も当たってみよう。

 ちなみに『山形道場』という本の文庫化らしいので、そちらを既読の人はかぶらないように注意。

参考リンク

おまけ

 これが十分コンテンツになるんだから今ゲームって難しいわな。

コメント

タイトルとURLをコピーしました