スティーヴン・D・レヴィット スティーヴン・J・ダブナー『超ヤバい経済学』

超ヤバい経済学

 前作に比べると大幅に劣るけど、やはり面白い。売春の章が一番面白かった。

 一般に話題になったのは温暖化の章らしいが。まあこんな皮肉った言い方してるから、もめるのは仕方ないか。

 一方、どんな宗教にも邪教はつきもので、地球の温暖化もご多分にもれない。ボリス・ジョンソンは古典学を学んだジャーナリストで、その後ロンドン市長になった人だ。彼はラヴロックを読んで――ジョンソンはラヴロックを「神がかりの人」と呼んでいる――こう決めつけた。「もっとも善い教えは皆そうであるように、気候変動という恐れは、罪の意識と自己嫌悪をほしがる私たちの心を満たす。また、人の心にいつもある、技術の進歩は神罰を受けなければならないという思いを満たす。気候変動の恐れはこの重要な点で宗教に近い。また、神秘に包まれている点や、贖罪や償いのための営みが、何らかの意味で成功したかどうか、ついぞわからないところもそうだ」。
 そんなわけで、熱心な信者は地上のぼくたちが手にした地上の楽園が穢されているのを嘆き、邪教徒のほうは、人間がやってくるずっと前に楽園は自然のメタンの濃い霧で覆われていて、生き物のほとんど住めない穢れたところだったと指摘する。

 私としては、ちょっと意地悪な言い方すぎるだけで全体の主張としてはまともだったと思うけど。

 ひとつだけ誤植を見つけたので指摘。P240の、

約7000年前にスマトラ島のトバ湖で超火山が噴火したとき、

 というのは、約7万年前の間違いだろう。(参考:トバ・カタストロフ理論)今度は勘違いじゃないはず。

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おまけ

 止まる所を知らないエルシャダイだけど、これが暫定私的トップ。

コメント

  1. 望月衛 より:

    う。ご指摘、まことにありがとうございます。

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