星新一『冬の蝶』

ボッコちゃん (新潮文庫)

 停電と星新一でまず思い出したのは『感謝の日々』なのだが、他にもう2編だけ思い出せるものがある。

 一つはこれ、

 便利な文明生活を営んでいる夫婦が、謎の原因で停電した途端、何もできずにあっさり凍死してしまう。ペットの猿だけが平気で生き延びている。

 というだけで、特に名作とは思わないのだが「電気が絶たれた時の文明生活の脆弱性」というテーマは、まさに今タイムリーだと思う。

 もう一つは、以前も紹介したが『声の網』の中の、コンピューターがわざと大停電という事件を引き起こし、普段は表に現れない人々の性格データを採取する、というシークエンス。

 今回の震災と原発の件は、別にコンピューターの陰謀ではないけれども、結果的にいろいろな人の、普段は絶対に表に現れない本性を覗き見ることはできた気がする。

おまけ

 凍死つながり。(ややホラー注意)

コメント

  1. 木戸孝紀 より:

    「マーズアタック!」観たことないけど、出てるのか。
    ちょっと興味が出てきた。

  2. haostin より:

    ぼくの見た映画の中のジャック・ニコルソンは100%惨死します。
    「マーズアタック!」とか「カッコウの巣の上で」とか・・・

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