2010 3/7

本当の戦争―すべての人が戦争について知っておくべき437の事柄

 こういう「冷静な頭と温かい心」的な感じは好き。そでより。

戦場特派員として、15年にわたり、中南米、アフリカ、中東、バルカン半島など、世界中の紛争地をかけめぐって報道してきた前線記者が、豊かな経験を活かし、戦争とはなにかをQ&A方式で事細かに示したのが本書である。

現代の強力な武器や爆発物が、命を奪うだけでなく、人間にどんな傷を残すのか。現役の兵士や退役軍人、さらには医師、心理学者などに取材を重ねて、できるかぎり現実の戦争の状況をダイレクトに伝える内容になっている。戦争終了後も、戦闘員や民間人たちは、肉体的・精神的に深い傷を負って一生苦しむ、それらは目に見えない傷である場合も多い。

戦争を知ることは、われわれの暴力性・残虐性と向き合うことである。私たちは戦争にまつわるロマンティックなイメージを信じ込むのではなく、そこで起きていることの真実を知る必要がある。それは自分たちが戦場に送り込む者たちに強いている犠牲を、はっきりと意識することでもある。民主主義の世界では、有権者は戦争の正確な代価を把握していなければならない。

映画やマスコミによって流されるイメージとはまったくちがう、本当の戦争とはどんなものなのか。戦争は恐ろしい。そして常に悲惨だ。何世代もが大きな傷を負う。私たちは戦争がもたらすものを知らなければならない。それを怖れなければならない。

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関連エントリ

おまけ

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2010 3/3

(本文とは無関係)

国民の「幸福度」を調査へ=新成長戦略の指標に?政府

2月28日14時3分配信 時事通信

 鳩山由紀夫首相は28日、首相公邸で菅直人副総理兼財務相や仙谷由人国家戦略担当相らと会い、新成長戦略の具体策取りまとめに向け、国民の「幸福度」を調べる方針で一致した。具体的な調査項目を詰めた上で、3月初めにも着手する。
 会談後、仙谷氏は公邸前で「単なる数字のGDP(国内総生産)だけじゃない成長をわれわれがどうつくっていくのかと(いうことだ)」と記者団に述べ、新たな指標として検討していることを明らかにした。
 「幸福度」については、昨年12月にまとめた新成長戦略の基本方針でも「国民の『幸福度』を表す新たな指標を開発し、その向上に向けた取り組みを行う」と盛り込まれた。 

国民の「幸福度」を調査へ=新成長戦略の指標に?政府(時事通信) – Yahoo!ニュース

 何もしないよりはいいことだと思うから否定はしないけど、どうしてもリアル『パラノイア』という皮肉が出てこざるをえないなあ。

 原文が手元にないので孫引きだが、

幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。

(Anna Karenina by Leo Tolstoy トルストイ『アンナ・カレーニナ』: tomokilog – うただひかるまだがすかる)

 というトルストイの有名な言葉がある。この言葉は、不幸に目を向けようという文脈では価値があると思うが、私の考えではまったくの間違いだ。事実はまさにその逆である。

 今ググったら発見した。また孫引きになるが天声人語で逆転させた言葉がすでに言われていたらしい。

幸福はさまざまだが、
不幸は驚くほど一様である

(朝日新聞、2002年11月19日)

(名言集>ヒントの名言>幸福はさまざまだが、不幸は驚くほど一様である)

 もちろん、不幸も多様である。それは言うまでもない。しかし、いくら多様といっても、古来八苦などとまとめられる程度のパターンしかない。

 幸福の多様さに比べたらまったく単純そのもの。幸福がどんなものかは、人によって千差万別だからだ。

 幸福を調査するとか測定するとかいうことが滑稽に感じられるのは、まさに調査や測定というのは、幸福の多様性にもっとも馴染まない行為だからではないのかな。

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おまけ

 しあわせって何だっけ→ポン酢醤油はキッコーマン

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2010 2/11

(本文とは無関係)

 今度引っ越すことになっている部屋は、会社に至近で割と綺麗で設備も整っている割には、そこそこ安い。

 しかし、ひとつだけ変なところがあって「定期借家契約の物件で、1年単位の契約で更新はなく、2年目以降も続けて借りる場合は家賃が大幅に高くなる」というのだ。

 なんのためにそういうシステムにしているのか聞いてみると「中期出張などの入居者を頻繁に入れ替えて、その合間にハウスクリーニングを入れることで、部屋を綺麗に保てるとともに、礼金分儲かるんですよ」みたいなことを言う。

 いや、その理屈はおかしい。

 礼金はもちろん、敷金を全部返さないとしても、たかだか家賃2ヶ月分に過ぎない。実際には、もちろんそこから不動産屋への仲介手数料やハウスクリーニングに費用がかかる。

 さらに入居者が入れ替わる間には、なんだかんだで1ヶ月程度は間が開いてしまうはずなので、礼金の利益分は相殺されてしまうだろう。

 部屋の傷みに関してもパレートの法則的なものが成り立つはずで、痛めない人はそのまま痛めないで住んでもらい、痛める人は1つの部屋を傷めるだけに留めてもらって後でまとめて修繕すべきだろう。

 やはり入れ替えを多くするよりは少なくした方がいいはずだ。

 だから納得しないで、機会があるごとにいろいろ聞いたり考えたりしていたら、契約のタイミングでようやく納得のいく答えを思いついた。

 要するに「ネットなどで情報を探す客が、自分のところに最初の問い合わせをしてくるようにするための囮なのではないか」というもの。

 見た目安くていい物件だから、それを借りたいと言って電話をかけてきたり尋ねてきたりする客は多いが、大抵の人はその条件で借りられるのは1年だけと知るといろいろ面倒くさいからやめる。

 しかし、その時点ですでに電話が繋がっているか店に来ているわけだから「代わりにこれがご紹介できます」という風に話が続けられる。

 つまり、私は面倒を顧みず囮の物件を全力で借りにくる空気読めない客ということになる。そういうことなんじゃないの? とそれとなく聞いたら、まあそんなようなもんです、というような否定しない感じの答えだったので、多分当たってるのだろう。

 私としては比較的いい条件で住めるので別に構わないのだが、いろいろあるんだなあ。

おまけ

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2010 1/10

(本文とは無関係)

 政治や文化の歴史は、振り子のように左右に振れるというが、この人口に膾炙したイメージは、いささか単純すぎると思う。

 歴史は一度きりの現象で、決して繰り返したりはしない。もちろん、

歴史は同じようには繰り返さないが、韻を踏む。
The past does not repeat itself, but it rhymes.

マーク・トウェイン – Wikiquote

 という言葉がすでにあるが、振り子という極めて視覚的にわかりやすいイメージを、これで上書きするのは困難な気がする。

 そのために役に立つイメージを考えるなら、とても傾斜の緩い螺旋階段だろうか。この螺旋階段を上る点を、少し離れたところから見ると、左右に揺れているだけのように見える、ということ。

おまけ

 螺旋→らせん→貞子

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2010 1/10

切除されて

 ここしばらくヒューマン・ユニバーサルの話題を並べていたのは何故かというと、ちょっと前*1に見かけた一連の女性器切除の話題に関して、一言だけ触れておきたいと思ったから。

  1. 女性器切除
  2. ちょっと待って、「女性器切除」の話題! – キリンが逆立ちしたピアス
  3. 割礼儀礼の現場から Circumcision

 1の匿名のような素朴な意見は、もちろん2のような批判を免れえない。

 だが「女性器切除と一括りに呼ばれるものの中にも多様性がある」とか「現地女性の意見も様々だ」なんてことは百も承知の上で、3のような素朴な相対主義も、もはや支持しえない。

 現代の医学・人類学・霊長類学が明らかにしつつあるのは、女性の陰核や性感は、男性のペニスやリビドーの副産物などではなく*2生物学的にも社会的にも重要な武器のひとつ*3だということ。

 またさらに、陰核切除などの慣習にも、これ*4に代わるべき説得力のある説明はなく、別の脈絡では意味をなさない。この慣習を「女の割礼」――加入儀礼として男の包皮を切除するのと並ぶ慣習――と呼ぶことで説明してしまおうとするのは、あまりにあからさまな人類学的婉曲法である。このような説明はあてにならない。文化的な諸観念は、陰核の除去手術や陰唇の縫合(陰部封鎖)を行なって女の解剖学的構造を作り変えようという直截的な努力の上塗りにすぎない。それぞれの処置が男と女に対して及ぼす影響は根本的に異なっているのである。男の割礼は性的能力にきわだった影響を与えない。しかし、陰核切除は性的快楽を減少させる効果的手段である。

(サラ・ブラファー・ハーディー『女性の進化論 』)

 すでに多くの人が指摘していることだが、あらゆる意味で*5陰核切除を含む「女子割礼」に正しく相当する「男子割礼」は、包皮切除ではなく亀頭切断である。

 もちろんそんな男性にとって都合の悪い「文化」など、非難する・しない以前に、どこにも存在しない。何が文化かを決める権力は、常に男性が握っているからだ。*6

 (極端な)文化相対主義が徐々に批判に耐えられなくなってきた以上、人権の概念の方を大きく書き換えるのでない限り、少なくとも「男子の包皮切除が非難されないのは欧米中心主義だ」などという類の言説は、もはや批判に耐えられない。

 「じゃあどうすんの?」という話になるのだけど、今回の絡みで読んで一番バランスが取れていると思ったのは、流石に専門の文化人類学者らしいこちらのエントリ。

 心理学ではよくある話*7だが、実際には大したことがないものを魅力的に見せるのに、上から頭ごなしに禁止するより優れた方法はない。人間はただ禁止されているという理由だけで毒薬でもなめる。

 このような心理的傾向は、ほぼ間違いなく優位者の操作に対抗するために進化してきたものであろうから、一概に否定もできない。ただ、分かっていてそういう方向に追い込むなら、追い込んでしまう側には責任がある。

 仮に女性器切除の廃絶だけを目標とするにしても*8それを実現するベストな手段はおそらく、女性器切除への関心などおくびにも出さず、ひたすら現地の女性に対するエンパワーメントを進める、というようなものになろう。

 当然、このような見方を受け入れるならば、長い間、多くの女性に生じる現実の被害を、積極的に見て見ぬふりをすることを要請することになるわけで、そのことの倫理性は大きな問題になるであろうが、それはまた別の話。

*1:すでにちょっとどころではない前だけど。
*2:男性の乳首が、おそらく女性の乳首の単なる副産物であるようには。
*3:何も特別な意味ではなく、単に脳や目や手足がそうであるように。
*4:女性の社会行動・性的戦略を制限して男性の父性を確実にすること。
*5:相同器官であるという生物学的な意味でも、実際に果たしている生理的・社会的機能の上でも。
*6:完全な女権社会は、地球に未だかつて実在したことはないと思われている。いわゆるアマゾネスの伝説は、現代人にとってのビキニスーツの女戦士が登場するアニメ同様、男性の男性による男性のための性的ファンタジー以上のものではなかったであろう。(念の為に断っておくが、だからいかんと言ってるわけではないよ。性的ファンタジー大いに結構。現実とごっちゃにしなければ。)
*7:『影響力の武器』か何かにも出てきたと思う。
*8:もちろん「だけ」を目標にする必要などないだろうが。

関連書籍

おまけ

 亀頭とか書ける機会はあまりなさそうなのでこの際遠慮せず。

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2009 12/6

(本文とは無関係)

 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。

 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。

『クトゥルフ神話ガイドブック―20世紀の恐怖神話』★★

 朱鷺田祐介著。クトゥルフ神話は今見ると非常に陳腐というか普通だけど、それはこれを皆がフォローしたからそう見えるようになったわけで、やはり必修だと思うのです。

『新・現代の軍艦―その技術と運用』★

 江畑謙介著。江畑謙介つながり。古い本だが、原潜とか原子力空母がどういうもんかぐらいは知っておいた方がいいのでは。まあ、そのぐらいならwikipediaで十分か。

『匂いの人類学 鼻は知っている』★★★★

 エイヴリー・ギルバート著。嗅覚全般の話。やや話が広すぎる印象だがとても面白い

『新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く』★★

 アルバート・ラズロ・バラバシ著。ダンバー数云々の話で思い出した。スケールフリーネットワーク周辺の話題でそこそこいい本だったと記憶している。

『日本人の英語』★★★★★

 マーク・ピーターセン著。どっかで見かけて借りたが、すごくよかった。

『イノベーションのジレンマ 技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』★★★

 クレイトン・クリステンセン著。なぜかちゃんと取り上げたことがなかった。就職する前後にすごく話題になってたのを覚えてる。

『ザ・リンク ヒトとサルをつなぐ最古の生物の発見』★

 コリン・タッジ著。霊長類のミッシングリンク。この化石と発見の経緯は大変興味深いのだが、本としてはいまいち。最初の章だけ面白い。

『農耕起源の人類史』★★★★

 ピーター・ベルウッド著。これはすごい。ただ、元からこういう話にある程度の興味と知識を持っている人でないと読めないかも。

『蟻の自然誌』★★★★★

 バート・ヘルドブラー、エドワード・O・ウィルソン著。蟻サイコー! ウィルソンの蟻の研究と社会生物学は、20世紀を通じた生物観・進化観に大きな影響を与えているので、蟻スキーならずとも是非に。

『天才数学者、株にハマる 数字オンチのための投資の考え方 』★

 ジョン・アレン・パウロス著。彼の本はどれも面白い。その中では一枚劣る感じだけど、十分面白い。

『バフェットの株主総会』★★★

 ジェフ・マシューズ著。ううむ、ウォーレン・バフェットというのは賢い人なのだなあ。投資家としてすごいのはもちろんとして、意外な質問に対するちょっとした受け答えの方にそれを感じるわ。

『神々の捏造 イエスの弟をめぐる「世紀の大事件」』★

 ニナ・バーリー著。本としては今ひとつだが、やっぱあの辺の地域はいろいろと大変なんだなあ……という知識として。

おまけ

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2009 10/11

名誉と暴力―アメリカ南部の文化と心理

 『みんなの進化論』で言及されていて面白そうだったので読んだ。以下は超要約。

 アメリカ南部の文化が、端的に言ってマッチョ的だというイメージは広く知られている。しかし、南部人は単に何に関しても暴力的というわけではない。自分自身や女性親族の「名誉」を守るという文脈で、特に暴力を許容する傾向がある。

 よく言われてきた「奴隷制のせいで良心が摩滅しちまったんだよ」という類の説明は、「社会制度が暴力肯定を助長することがある」という一般論として正しい部分はあるかもしれないが、南部の特殊性を説明しうるものではない。

 南部の「名誉の文化」の特殊性は、初期の移民達の牧畜生活の産物である。盗まれやすい家畜が主な財産であり、公権力に頼りにくい牧畜生活では、家畜や家族を守る暴力を持たないと見なされる、すなわち「なめられる」ことは、死活問題に繋がりやすいからである。

 かなり面白かった。実験やデータの説明もなかなか面白いのでぜひおすすめ。

参考リンク

おまけ

 牧畜と文化つながり(?)

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2009 9/26

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで

 アラン・チューリングの名誉回復について。彼の名で知られている有名なものは主に三つある。

 チューリング賞は計算機科学最高の栄誉とされている賞だ。

 チューリングテストはAI分野において、あるいは知性とは・意識とは・思考とはなんぞやという哲学の分野において、汲めども尽きぬ問題を生み出す有用な思考実験であり続けている。

 チューリングマシンは現実のコンピュータが作成される以前にその理論的基礎を固めた。現在のところこの世のあらゆるコンピュータ――あなたが今ここを読むために使っているパソコン・携帯電話を含む――は、すべてチューリングマシン(の物理的特性に制約された不完全なサブセット)である。

 またチューリングマシンによる計算の抽象化の成果には不完全性定理の最も洗練された形が含まれる。たとえば我々現代人が「プログラムに絶対にバグがないと確信することはできない」などのいくつかの命題に自信を持っていられるのは、彼のおかげだ。

 チューリングは第二次世界大戦ではドイツ軍のエニグマ暗号解読に中心的な役割を果たしたにも関わらず、同性愛者だったために自殺に追いやられてしまう。このあたりはサイモン・シンの『暗号解読』がよくまとまっているのでオススメする。1箇所だけ引用しておこう。

 アラン・チューリングもまた、世間の認知を待たずに死んだ暗号解読者の一人だった。英雄として歓呼されるどころか、チューリングは同性愛者として迫害を受けたのである。一九五二年、自宅に強盗が入ったと警察に届け出たとき、チューリングはうかつにも自分か同性愛者であることを漏らしてしまった。警察は一も二もなく彼を逮捕し、「刑法一八八五年改正法第十一条に違反する重大な猥褻行為」の罪に問うた。裁判のようすや有罪の判決は新聞ネタとなり、チューリングは公に辱めを受けた。
 こうしてチューリングの秘密は暴かれ、彼の性的嗜好は公衆の知るところとなった。イギリス政府は彼のセキュリティークリアランス(国家機密などを扱うための人物証明)を取り消し、チューリングはコンピューター開発関連の研究プロジェクトで働くことを禁じられた。精神科医にかかることを強要され、ホルモン治療を受けさせられて、チューリングは性的不能となり、また肥満体になった。それから二年のあいだ、彼は重い鬱状態にあった。一九五四年六月七日、チューリングは青酸カリ溶液の入ったビンとりんごを一個もって寝室に入った。十六年前、彼は悪い魔女の呪文を歌うように口ずさんでいた――魔法の秘薬にりんごを浸けよう、永遠の眠りがしみ込むように。そして今、彼は自らその呪いにかかろうとしていたのだ。チューリングはりんごを青酸カリに浸けると、何口かかじった。こうして、暗号解読における真の天才の一人は、わずか四十一歳にして自ら命を絶ったのである。

(サイモン・シン『暗号解読』P278-279)

 この件に対する公的な名誉回復がやっと行われたというのが冒頭のニュース。後で他の話と関連させて取り上げる機会があると思うので記録しておく。

おまけ

 暗号?つながり。

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