政治経済社会

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中島聡『結局、人生はアウトプットで決まる 自分の価値を最大化する武器としての勉強術』

Life is beautiful  会長の新著。内容は著者本人のブログで一部引用されているのでそちらに譲り、ここでは個人的な話をしよう。  この本の中で出てくる「日本支社を作るときブログで人材募集した」というのが下のエントリで、 Life is beautiful: UIEvolution Japan の設立宣言。そしてもちろん、人材募集はGoogle Baseで。  それに応募したうちのひとり...
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「幼児にテレビを見せない」という呪術

幼児にテレビを見せてよいと思う  というエントリを以前書いたが、最近もうひとつ別の要素も大きく関わっているのではないかと思うようになった。  これはニセ科学に騙されているとか不安商法に踊らされているというよりも――その要素は実際あると思うが――ある種の呪術であり、自ら信じたいのではないかと。  そのベースになる考え方はすでに一度書いている。 痴漢冤罪回避の呪文  子供の知的発育は非常に重大なことで...
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ジョセフ・ヒース『啓蒙思想2.0―政治・経済・生活を正気に戻すために』

啓蒙思想2.0 政治・経済・生活を正気に戻すために|書籍出版|NTT出版  ジョセフ・ヒース著。単独でこれという新しい知見はないのだけど、とにかく尋常じゃないほど良い。それも『資本主義が嫌いな人のための経済学』と同じ人だと!? とんでもねえな。  今日日「哲学者」の肩書きで、ここまで自信持っておすすめできる著者は他にダニエル・デネットぐらいしかいないのでは。  備忘のため内容を箇条書き形式まとめて...
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ぼくのかんがえたせかいへいわ

ピンカーの『暴力の人類史』を読んで考えたこと。大半は今回初めて考えたというわけではないが。  『暴力の人類史』を読んでいることを前提とするが、必ずしも必須ではない。  価値観の話でややこしくなるのを避けるため、単純に人類間の暴力を減らすことを良しとする。ブロイラーの福祉とか、地球のため宇宙のためとかは考えない。  理由はどうあれ事実として暴力はずっと減少してきたし、今後も減り続ける可能性が極めて高...
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自分を殺害する可能性の一番高い人間は自分自身

Twitter等で、やたらめったら自国の政府に批判的な人と、そういう人に批判的な人を見て思ったこと。たまたま現在与党である政党や政治家の擁護では(批判でも)なく、いつでも通用する、ありがちなバイアスに対する注意として。  個人のことにたとえてみよう。現代先進国では、ほとんどの人間にとって、自分を殺害する可能性の一番高い人間は自分自身(自殺)だ。  だが、それは通常、自分が危険な人間であるということ...
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ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』

書評 「社会はなぜ左と右にわかれるのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など  なかなか面白い。私がドーキンス兄貴の『神は妄想である』等の主張に感じている不満をうまく代弁してくれている感じがある。  shorebird先生の指摘通りグループ淘汰に関して理解が間違っているのが残念だが、メインの主張の価値は損なわれていないように思われる。  私の理解で一番重要な要点をまとめるとこうだ。 ...
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センディル・ムッライナタン エルダー・ シャフィール『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』

センディル・ムッライナタン著、エルダー・ シャフィール著。原題"SCARCITY: Why Having Too Little Means So Much"(『欠乏:なぜ少なすぎる分しか持たないことがそれほど多くのことを引き起こすのか』) 何かに集中すると、それ以外のことはおろそかになる 貧しいと、裕福な時よりも、やりくりを心配しなければならない 予測不能なトラブルによる被害は、それを吸収する余裕...
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エンリコ・モレッティ 『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』

原題"THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS"(新しい職の地理学)。タイトルは煽りっぽいが、副題の『雇用とイノベーションの都市経済学』は、原題以上に内容をよく表している。  ネットが発達したからどこに居ようと関係がないというのは間違いで、顔を合わせることによる効果は大きいということ。  よい都市には良い職も良い人間も集まり、それがますます都市を良くするという好循環が働くという話。(もち...