哲学

おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2010年5月版

 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。  ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。 『「標準模型」の宇宙 現代物理の金字塔を楽しむ』★  ブルース・シューム著。ゲージ理論とか真面目に...
科学技術哲学

ダニエル・C・デネット『スウィート・ドリームズ』

 目下バカ検知ワードとして大活躍中の「クオリア」についての議論。 分子やエネルギーについて何もわからなかった頃の「フロギストン」や「カロリック」 DNAや酵素について何もわからなかった頃の「生気」 素粒子や時空について何もわからなかった頃の「エーテル」  などと同様に、まだ神経や脳について詳細がわからない時代であるが故に抱くことが可能であるだけのどうでもいい...
政治経済社会

「市民、あなたは幸福ですか?」

国民の「幸福度」を調査へ=新成長戦略の指標に?政府 2月28日14時3分配信 時事通信  鳩山由紀夫首相は28日、首相公邸で菅直人副総理兼財務相や仙谷由人国家戦略担当相らと会い、新成長戦略の具体策取りまとめに向け、国民の「幸福度」を調べる方針で一致した。具体的な調査項目を詰めた上で、3月初めにも着手する。  会談後、仙谷氏は公邸前で「単なる数字のGDP(国内総生産...
科学技術哲学

考える葦

 人間は自然のうちで最も弱い一茎の葦に過ぎない。しかしそれは考える葦である。これを押し潰すのに、宇宙全体は何も武装する必要はない。風のひと吹き、水のひとしずくも、これを殺すに十分である。しかし、宇宙がこれを押し潰すときにも、人間は、人間を殺すものよりも一層高貴であるだろう。なぜなら、人間は、自分が死ぬことを知っており、宇宙が人間の上に優越することを知っているからである。宇宙はそ...
科学技術哲学

フェリペ・フェルナンデス=アルメスト『人間の境界はどこにあるのだろう?』

 詳しくはshorebirdさんのところを参照してほしいのだが、私も長谷川眞理子先生訳と書いてなければ手に取らなかったような気がする。内容的にも訳者あとがきのところが一番有益だったような。  どうも『ゲノムと聖書』に似たような「西洋思想の枠組みからは絶対に出ないぞ!」というマイナスの決意みたいなものがちょっと鼻に付く。  『ゲノムと聖書』同様に、最初からキリスト...
科学技術哲学

グレッグ・イーガン『TAP』

 久々にグレッグ・イーガンの短編集。やっぱり現代最高のSF作家と言われるだけのことはある。『TAP』『銀炎』『ユージーン』の3作は思想といい知識といいネタといい、この人らしさがよく出ていて私は好きだな。おすすめ。 『新・口笛テスト』  一度聞いたら絶対忘れない曲を計算で編み出す方法が発明された。星新一を連想させるコマーシャルネタ。まあまあ面白い。 『視覚』 ...
科学技術哲学

太陽は地球の周りを回っている(ただし摩訶不思議力で)

 科学の公理の話の補足的なもの。  たとえばオッカムの剃刀のような話は、哲学者がこねくり回して遊ぶものであって、現実には全く、あるいはほとんど関係ないと思っている人がいるかもしれない。  だが、全然そんな事はない。しばしば科学の進歩の代表例みたいな扱いを受けている天動説と地動説のどちらが正しいかという問題だって、それなしには決められないのだ。  たとえ...
科学技術哲学

東浩紀発言とポストモダン・プレモダンあと還元主義の罠

1.専門家団および公共性の軽侮  ある人が家に入ってくる。机の上の財布をポケットに入れ家を出て行く。この行為は正当か?  この問いには、イエスと答えるのもノーと答えるのも馬鹿げている。その家がその人の家であるか、そうでないかによる。前者ならその人は財布を忘れた人であり、後者ならその人は空き巣だ。その前提を知らないままでは正当も不当もありえない。何の話かといえば、 ...
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