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『ヤバい経済学』とセットで読め! ティム・ハーフォード『まっとうな経済学』

『ヤバい経済学』を買ったとき隣に並んでいた。邦題とカバーもわざわざ『ヤバい経済学』と似たようなイメージになっていた。  原題は"The Undercover Economist"で、本文中にたびたび出てくる「覆面経済学者」に相当する単語で、全然関係がない。「あからさまな便乗商法だな」と思いつつ前書きを読んだら予想外に十分独立して面白かったので一緒に買って帰った。  『ヤバい経済学』は、経済学者が経...
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冷徹な頭と温かい心 スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー『ヤバい経済学─悪ガキ教授が世の裏側を探検する』

こちらを見て購入したが大正解。確かに最近読んだ本の中では別格の面白さ。  経済学の本というより「経済学者がその着眼点と手法でもって普段経済学が扱わない社会の事象を研究したらどうなるか?」を書いた本だ。 学校の先生も相撲の力士もそれをするインセンティブがあれば八百長をする。統計データから見抜くこともできる。 KKKも不動産屋もその力の源は情報にある。正しい情報が知れ渡ってしまえば力を失う。 麻薬を扱...
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どこでもドアを利用できる人と利用できない人の格差

どこでもドア、実現へ一歩近づく : Gizmodo Japan(ギズモード・ジャパン)  上の記事の内容とはほとんど関係ないが、どこでもドアで思い出した話。  昔、おそらく南北問題とか先進国の飽食とかを扱った番組でも観ていた時だったと思うが、私の母が「どこでもドアがあれば貧しい国の人たちも(物資が行き渡って)助かるのにね」といったようなことを言った。  私は子供心に「先進国に不法入国者が溢れてそれ...
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バングラデシュのグラミン銀行とムハマド・ユヌス総裁にノーベル平和賞

ノーベル平和賞の受賞者に納得がいくのは珍しいことのような気がする。ずいぶん前にNHKスペシャルか何かで観て、関係の本を一冊読んだだけだからそんなによく知っているとは言えないが、このグラミン銀行のやり方とユヌスという人の思想にえらく感心したのは記憶している。  私は『NGOとは何か』という本もよくおすすめしているが、とにかく貧困問題というのは綺麗事ばかり言って、人に褒め讃えられるようなことばかりやっ...
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NHKスペシャル同時3点ドキュメント『移民漂流』

インフルエンザのおかげ(?)でひさびさに予定にない番組を観る。思ったより面白かった。  エチオピア・ドイツ・イスラエル、それぞれ国家は国家で多数派の安定と国力維持しか考えないし、個人は個人で自分と家族の利益しか考えない。それぞれの思惑が絡み合ってカオスを生む。  国内にまとまった資金を投資するのと引き替えに永住権を与える投資移民の話は面白い。中国では香港への投資移民を禁止しているが、金持ちは迂回移...