ノーベル平和賞の受賞者に納得がいくのは珍しいことのような気がする。ずいぶん前にNHKスペシャルか何かで観て、関係の本を一冊読んだだけだからそんなによく知っているとは言えないが、このグラミン銀行のやり方とユヌスという人の思想にえらく感心したのは記憶している。
私は『NGOとは何か』という本もよくおすすめしているが、とにかく貧困問題というのは綺麗事ばかり言って、人に褒め讃えられるようなことばかりやっていては絶対解決しないんだというのが一致する思想だと思う。
【ロンドン小松浩】ノルウェーのノーベル賞委員会は13日、06年のノーベル平和賞を、バングラデシュの農村で女性たちに無担保融資を続けてきたグラミン銀行と、同銀行を設立したムハマド・ユヌス総裁(66)に贈ると発表した。
同委員会は「永続する平和は人口の大半が貧困から抜け出す方途を見いだせない限り達成されない」とユヌス総裁と同銀行の活動を高く評価。授賞理由として「人類の半分を占める女性が男性と同等の立場で社会参加できない限り十分な経済発展と政治的民主化は実現しない」と指摘した。
アジアからの平和賞受賞は00年の金大中(キムデジュン)前韓国大統領以来。イスラム圏の受賞者は03年のイラン人活動家シリン・エバディさん以来となる。授賞式は12月10日にオスロで行われ、賞金1000万スウェーデン・クローナ(約1億6500万円)はグラミン銀行とユヌス総裁が折半する。
ユヌス総裁は米国で計量経済学を学んだ経済学者だったが、バングラデシュの大飢饉(ききん)(74年)をきっかけに本国での貧困層救済を実践する道に身を投じた。83年に貧しい農村の女性たちを対象に無担保で少額の金を貸し付けるグラミン銀行(グラミンはバングラデシュでは村、農村の意味)を設立。働く意欲や技術があっても手元に資金のない多くの女性たちの社会参加を助けた。
同銀行はこれまで660万人(97%が女性)に貸し付けし、うち98%が返済されるという目覚ましい実績を上げている。ユヌス総裁による「マイクロ・クレジット」のアイデアはバングラデシュ以外にも広まり、現在は先進国を含む23カ国で同様の少額無担保融資の銀行が生まれている。
【略歴】ムハマド・ユヌスさん 1940年バングラデシュ第2の都市チッタゴン生まれ。62年チッタゴン大学を卒業し、経済学講師。65年に渡米し、経済学博士に。69〜72年中央テネシー州立大学経済学部助教授。72年バングラデシュ独立後に帰国し、政府経済局計画委員会副委員長、チッタゴン大学経済学部長。83年にグラミン銀行を創設した。
(毎日新聞) – 10月13日21時18分更新
コメント
>天さん
いや、憶えている限りでは記述はなかったはず。似たような思想を感じるというだけ。
グラミン銀行そのもののおすすめできる参考書はまだ知らない。むしろ知ってたら教えて欲しいぐらい。
この受賞であちこちで話題になったはずだから、テクノラティででも検索すれば分かるんじゃないだろうか。
慈善活動全般について考えるなら、NGOとは何かそのものもすごくおすすめだけどね。
>グラミン銀行
慈善活動の限界というものを感じていたのですが、こんな壁の破り方があるんですね。
少々検索した限りでは余り参考図書が見つからなかったのですが、『NGOとは何か』にグラミン銀行に関する記述はあるんでしょうか?
ノーベル平和賞 ムハマドユヌス氏
13日に今年のノーベル平和賞は、バングラディッシュのムハマドユヌス氏に送られることが発表されました。さっそくムハマドユヌス氏について調べてみました。ユヌス氏はバングラディッシュの経済学者で、アメリカに留学し
【グラミン銀行】ってどんな銀行??
【グラミン銀行】ってこんな銀行です。。。