アイラ・レヴィン『死の接吻』

死の接吻

 デスノートが終わりそうです。

 「ジャンプで完全に悪役が主人公の漫画はかつてあっただろうか」とか「デスノートってドラえもんの『独裁スイッチ』を大長編化したみたいな話だったなあ」とか。

 いろいろな語り口を考えましたが、どれもまだまとまらないのでとりあえずデスノートから連想された作品の紹介にしてきます。

 この『死の接吻』もデスノートよろしくいわゆるピカレスク小説。夜神月と同じく顔も頭も良い野心家の青年が主人公です。主に犯人視点から描かれ、完全犯罪を目論む主人公が定められた破滅に向かって追いつめられていく過程が主軸になっています。

 思わず「そんなアホなー」と言ってしまうようなジャンプ漫画的な展開が何度かあります。クライマックスのアクションも「○○○○○○○○(ネタバレになるので秘密)かお前は!」と突っ込まずにはいられないでしょう。

 しかしやっぱり突っ込みながらでも面白いものは面白いのです。デスノート成分が欠乏して困ったら試しに読んでみてはいかがでしょうか。少なくても損はしないと思います。

 ちなみに作者は『ローズマリーの赤ちゃん』の方がよく知られているかもしれないアイラ・レヴィン。これが23歳の時に書いた処女作というのもなんともすごい話です。

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