『スターメイカー』の感想を書いたときに「今現在残されている神秘と最先端のSFは何だろう?」という問いかけをした。
あの時は単なる締めの言葉として深く考えずに適当に書いたのだが、自分で気になってきてしまったので調べたところ最先端のSFの候補の1つであるらしい。読んでみたら確かに面白い。一級品。
セルオートマトンに関する知識があった方がより楽しめそうなので、『ライフゲイムの宇宙』を先に読んでおくといいかも。あつらえたようにぴったりの内容だ。
ただ、確かに面白い最先端のSFなんだろうけど、ここでいう“神秘”とはちょっと違いそう。
話の中心となってる「コピー」やセルオートマトンについては別に、知性や精神がアルゴリズムで代替可能であろうということも、セルオートマトンが万能チューリングマシンになりえて、チューリングマシンでも進化の複雑性は再現できることも、神秘どころか現在すでに当たり前の話なわけだし。*1
結局神秘(SF)への橋渡しを担っているのは人間原理と量子論の多世界解釈の方。現代の神秘はもはやそこら辺にしか残されていないってことかね。追いつめられてるな。
たぶん、もう100年するかしないかで量子コンピュータが当たり前のものになると思うが、そうなったら神秘の持って行き場が完全になくなってしまうんじゃないだろうか。*2
コメント
>フェア
宇宙は「わからない」ことが多いって言ってもそれはもうたとえば百年前の「わからない」とは全然質が違いますよ。ちょっと昔に比べればそれでもまだ想像する余地のないほどのわかりすぎと思ってます。
>天さん
アフター0ですかー。持ってないけど何かで立ち読みしたことあります。マンガ星新一みたいな感じで面白かった。
宇宙もののSFではベタだけど星野之宣(2001夜物語とか)をオススメしときま。
↑はフェアさんへのレスでした。
宇宙は人類に残された最後のフロンティアですよ、と声を大にして叫んでみるw
しかし、SF小説は人を選ぶのも事実なので、漫画なら岡崎二郎の「アフター0」「アフター0ネオ」をお勧めしてみます。
短編が殆どなので、宇宙ものばかりではありませんが色々なネタが楽しめます。
宇宙はわからないことのほうが多すぎて想像する余地(神秘)がないからダメですかね……