正直クエンティン・タランティーノはそんなに好きではなかった。嫌いだったと言っても過言ではない。それでもこれはやられた。ハマりすぎ。
ちょうど山口貴由の『シグルイ』を初めて読んだときとか、岩明均の『ヒストリエ』を初めて読んだときのような、後から考えると最初からこれしかなかったように思えてしまうハマりぐあい。
タランティーノと言えば何だ? マンガチックな演出だ。そして、ナチというのは、そもそもとてもマンガチックな存在だ。*1
タランティーノと言えば何だ? 暴力と残酷シーンだ。そして、そもそも戦争ほど暴力的で残酷なものがあるか。
タランティーノと言えば何だ? 緊張感のあるセリフのやりとりだ。そして、そもそも人間狩りやスパイの尋問よりも緊張感のあるセリフのやりとりなんてありうるか。
個人的にたった1つの問題はブラピ。ブラピの演技は悪くなく、むしろ最高だったので彼の責任とは言えないのだが、彼が画面に出るたびにどうしても「ああ、ブラピだなあ。これはハリウッド映画なんだ。」と一瞬現実に引き戻されてしまうのだ。
ついでにもう一つ個人的な感想を言わせてもらえれば、悪役スキーとしてランダ大佐がたまらない。近年希に見るインパクトのある映画の悪役キャラではあるまいか。
R15+指定で、それ総統相当のグロシーンは確かにあるが、そこがクリアできるすべての人に絶対おすすめ。
*1:もちろん、ナチズムや優生学というのは当時の科学水準からするとそれなりの論理的整合性があったのであり、見くびりすぎるのは危険だという話はできるのだが、それはそれで別の話として。
おまけ
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