ナメック星殺人事件答え合わせ

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 ナメック星人9割・サイヤ人1割の住む惑星で殺人事件が起きました。唯一の目撃者は「犯人はサイヤ人だった」と証言しました。信頼すべき第三者機関が実験を繰り返した結果「目撃者が当日の条件下で犯人の人種を見間違える(つまりサイヤ人をナメック星人と見誤る、もしくはナメック星人をサイヤ人と見誤る)可能性は10%」という結果が出ました。この事件の真犯人がサイヤ人である確率は?

 答えはずばり50%である。えー!? そんなバカな! 目撃者は90%正しく判断できるんだから90%に決まってるじゃん。と思うかもしれない。

 だがそれは「真犯人がサイヤ人だったときに目撃者がサイヤ人と証言する確率」であって、いま問題になっている「目撃者がサイヤ人と証言したとき真犯人がサイヤ人である確率」とは必ずしも同じとは限らない。それどころが全然異なる。

真犯人(下)証言(右) ナメック星人 サイヤ人 合計
ナメック星人 81 9 90
サイヤ人 1 9 10
合計 82 18 100

 惑星全土で同時に100件の殺人事件が起きていて、その全てに1人ずつ目撃者がいたと考えよう。そのうち90件がナメック星人の犯行で10件がサイヤ人の犯行である。

 90件のナメック星人の犯行のうち81件が正しくナメック星人の犯行と証言され、9件は間違ってサイヤ人の犯行と証言される。10件のサイヤ人の犯行のうち9件が正しくサイヤ人の犯行と証言され、1件は間違ってナメック星人の犯行と証言される。

 問題とされている事件は、目撃者がサイヤ人の犯行であると証言した18件の事件のうちの1つである。そのうち本当にサイヤ人の犯行であるのは9件であるから、求める確率は9/18。つまり50%である。

 面白いのは問題中の誰1人として偏見を持って行動している人はいないにも関わらずサイヤ人は少数派であるというだけでかなりの割合で無実の疑いをかけられてしまうということだ。答えを90%だと思ったまま捜査すれば冤罪を生んでしまいそうな結論である。

 現実でも同じようなことは起こりうる。たとえば100万人に1人の不治の奇病があったとする。検査の精度は99.9999%だとしよう。この検査に引っかかって「陽性です」と言われたら確実に死んでしまうと思ってショックを受けるだろう。

 だが、実はまだ本当に病気である確率は半分しかない。本当にその病気にかかっている100万人に1人の人間なのか、0.0001%の検査のエラーに当たってしまった人間なのかは、再検査するまで何とも言えないからだ。

コメント

  1. 木戸孝紀 より:

    うんそうだ間違ってる(笑)。4回でもダメだ。こうなるとますます面白くなってきたなあ。独立エントリにしてみようかな。

  2. より:

    >4回でできるのは確実
    運が悪いと4回でも駄目になったりしませんか?
    3個同士の比較を二回やって確実にして、1:2の比較を二回やって嘘が出たとして、どっちが嘘だったのか確認するために5回目がいるような・・・?

  3. 木戸孝紀 より:

    いま適当に面白い(かもしれない)ひねりを考えた。天さんのをベースに、ただし天秤が一回だけ嘘をつく(載せたものと関係なくランダムに左右に傾くもしくは釣り合う)可能性がある。それでも特定するには何回必要か?
    嘘が一回だけなので2回測定すればその測定は信じられるので4回でできるのは確実。2回でできないのも確実なので事実上3回でできるか否かに絞られる。今ちょっと考えただけではどっちかわからなかった。

  4. より:

    >元の有名な問題とあまり本質的な違いがない気がする。
    言われてみると、同じ重量の重り9個から1個の偽者を探すのと変わらないですね。
    捻り続けたらいつのまにか元に戻ったのか。(笑
    >よって最少2回?
    おそらくそれが正解と思います。
    ただ、問題を考えてから答を探したので、穴がある可能性がありますが。w

  5. より:

    1回目
    天秤左:10+50+90
    天秤右:20+70+60
    残:30,40,80
    各和は150なので
    天秤が傾けばそちらに,つりあえば残りに偽物.
    2回目
    1回目の左が偽物=右と残りは本物.
    故に
    左:10+本物確定の80
    右:90
    を置いて,天秤が傾けばそちらが偽物,
    つりあえば50が偽物.
    右や残りについても同文.
    よって最少2回?
    と通りすがりが書いてみるテスト.
    何かひねれそうだけど…

  6. 木戸孝紀 より:

    >天さん
    これは始めて見た。面白いと思うけど元の有名な問題とあまり本質的な違いがない気がする。答えも一緒だし。もう一ひねり何かあるとすげー面白くなりそうな予感がする。う?ん。

  7. より:

    自分でも頭の体操の問題の作成に挑戦して、一問できたのでフェアさんに便乗します。w
    問:10グラムから90グラムまでの9個の金でできた重りがあり、その中に一つだけ軽い偽者が混じっている。
    この重りと天秤を使って偽者を探す場合、確実に特定できる最少の天秤の利用回数は?

  8. フェア より:

    >二人しかいなければ相手に銃を渡すバカがいるかということ
    いるんです。ヘンリーは真性のバカなんですよきっと(というか問題では確かそうだった……うん)。
    >ランダムに戻すという条件
    なかったと思うんですけどねー。どうもあそこのページは確立については書かれてませんでしたから。
    実はオヤシロ様が言った
    【二人しかいなければ相手に銃を渡すバカがいるかということ】はは半分正解。
    オヤシロ様が言ったとおり、先攻後攻どちらでも確立的には変わりありませんが、先攻三回目(全体で五回目)が失敗した場合、【先攻は負け確実なので先攻ヘンリーは相手に渡さないでもう一回引き金を引けば勝てる。よって先攻が有利】とか書いてありました。
    確かにそうだなぁとは自分は思ったんですけど……怒りました?
    ごめんなさい。でも問題文に何やってもいいとか書くと即バレしそうなので書けませんでした。お手数おかけしました。ごめんあさい。

  9. 木戸孝紀 より:

    う?ん、二人しかいなければ相手に銃を渡すバカがいるかということで先攻、とかいう答えじゃないなら、何か条件忘れてない?
    このままだと弾が奇数番目に入ってるか偶数番目に入ってるかで勝敗が決まるからどちらでも同じ。
    たぶんそうじゃなくて、リボルバーは1回ごとに手で回転させてランダムに戻すという条件を忘れてるんだろうけど、それだったら先攻。
    先攻が1/6で勝ち、残りの5/6では先攻後攻の立場が入れ替わるので、後攻の勝つ確率は先攻の5/6。必ずどっちかが死ぬまで続けるなら両方が勝つ確率を足すと1だから、計算して先攻が6/11の確率で勝つ。

  10. フェア より:

    いや、まあ世界規模で見れば地球だって同じようなもんなんでしょうけど。
    【お ま け】
    遥か昔にチラリと見かけたジレンママニアっぽいページにあった問題(うろ覚え)。
    部屋の中には二人のヘンリー。
    これから二人は生き残りをかけてゲームをします。
    六連装リボルバーに一発銃弾を込めて、交互に相手に向かって撃ちます。(早い話がロシアンルーレット)
    さて、生き残るために有利なのは先攻、後攻、どちらでしょうか?
    ワタシも答えの文をしっかり覚えてるわけじゃぁないッス。だからあるパターンにおいての答えしか答えることができないッス。了承くださいませ。

  11. フェア より:

    >惑星全土で同時に100件の殺人事件が起きていて、
    どんだけ治安が悪いんですか。

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