“アラブの石油王”なんて表現はフィクションではお馴染み……かと言えばそうでもないな。イスラム圏なので文化の壁もあるだろう。そもそも本当の金持ちというのは、自分がいくら金を持っているかも、どのように運用しているかも秘密にするものだそうである。
まあ確かにそうだろう。近代的な会計制度によって財務がオープンになる企業を通して金持ちになるという私たちが当たり前だと思っているスタイルが、むしろ最近になって生じた異常な例外なのかも知れない。
少数の人口で豊富な石油収入を分け合うため、労働する必要のない「レンティア(金利生活)国家」。労働は皆海外からの出稼ぎ労働者にやらせ、国民は全員が公務員で裕福なので革命などありえず王政が続く。
異世界を覗き見るようで一度びっくりと同時に、もちろん異世界でもなんでもなく今日や明日の経済と直結している話なので二度びっくりと、200ページ弱にしては内容が詰まって面白い本だ。
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おまけ
これはドバい……はもうやったので資源つながり。こういう純粋な偶然による笑いは罪がなくていいね。まさに神の笑い。
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