文化芸術宗教

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グレッグ・イーガン『順列都市』から2点抜粋

グレッグ・イーガン『順列都市』から、後々話に使いたいと思っているところ2点を、最低限の説明をつけて抜粋。 《なにも変えない神の教会》  マリアは話しつづける。「『神はなんの違いももたらさない……なぜなら、神こそは万物がいまある姿をとっている理由だからだ』、ですっけ? だから、あたしたちはみんな、宇宙を心静かにうけいれられるってわけね?」  フランチェスカは首を横にふった。「心静かに? いいや。そう...
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伊藤計劃『ハーモニー』

いつぞやの表現規制の件周辺で何度かタイトルを小耳に挟んだので読んだ。 『すばらしき新世界』 『1984年』 『エヴァ』 百合(公認)  って感じか。表現規制の件で引かれた文脈はまあわかった。  でも『すばらしき新世界』『1984年』の部分はそのまんま。『エヴァ』の部分は、読んだ人はわかると思うが、「老人」って言葉の使い方とか、結局人類補完計画*1かよとか。  元ネタに対するプラスアルファの部分が百...
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教皇庁文化評議会/教皇庁諸宗教対話評議会『ニューエイジについてのキリスト教的考察』

ニューエイジについてのキリスト教的考察(公式)  ニューエイジが日本人にとって極めて理解しにくい理由は、それが基本的に西洋思想、とりわけキリスト教と近代科学に対するアンチテーゼだからだ。  ある程度まで当たり前で、仕方のないことだが、日本人はキリスト教についてよく知らない。*1「○○」をろくに知らないのに「○○への反発」を正確に理解できるはずがない。  そこを上手いこと補うために推薦できるいい本が...
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蔡志忠 野末陳平『マンガ 禅の思想』

昔見たあるコマを利用したくて再読したついでに。  禅問答というのは、通俗的には訳のわからん問答の代名詞的に使われていますが、実際にもやっぱり訳のわからん問答です。  いくら「二元論的な思考を乗り越えるための」とかなんとか理屈をつけてみても、結局やってることは  「全然違う! まったく逆! お前は何も悟ってない!」  とお互い言い合って、気圧された方が負けというだけなのです。  ……あれ? 意外と現...
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田中芳樹『銀河英雄伝説』

銀河英雄伝説 ON THE WEB 銀河英雄伝説 - Wikipedia  ここで言及したので、記憶に上ってきた。  多分一番有名な架空歴史ラノベ。ヤン・ウェンリーってユルいヒーローの先駆けなんじゃないだろうか。  ちゃんと読み直したわけじゃないが、今考えるといろんな意味で「911もオウムもソ連崩壊も起きてないときの小説だなあ」と思う。  「話の展開に詰まったらとりあえず原理主義的宗教のテロで誰か...
星新一の夢世界

星新一『趣味』

iPhoneを買って新聞をやめてしまった件で思い出した。  愛する夫のイメージに合わせて家具をいろいろあつらえていたインテリアコーディネートが趣味の妻。ある日、非常に高価な絵を贈られるが家の雰囲気に合わなくて困る。  捨てるわけにもいかないので、しかたなく絵に合わせて額縁を変え、壁紙を変え、家具を入れ替えていく。そしてある日、弁護士に電話して「どうしても夫を取り替えなければならないの!」  ……と...
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鎌池和馬『とある魔術の禁書目録(インデックス)』

ラノベはロードス島戦記と銀英伝ぐらいしか知らない超弱点分野なので、いつか鍛えなければならないと思っていた。  ニコ動のMADが面白かったので、それの原作を読んだ。面白くなると言われている5巻までまとめて読んだ。とりあえず上条さんマジぱねぇっすタグは把握した。  比較対象となる基準点が形成されていないので評価は難しいが、途中でやめずに読めたのだから、なかなか面白いのではないかと思う。これがラノベとい...
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ガチの信仰者の心理

私にとって、両親が全知全能の存在ではないと気づいた日の衝撃は、自分がいつまでも生きていられるわけではないと気づいた日の衝撃よりも大きかった。  こうした親に対する全能感は、ほぼ間違いなく、幼い頃には大抵の人間が持っているものだろう。  生まれたときから宗教教育を受けている人の中には、この全能感が消えるよりも早く、その対象が神に置き換えられ、生涯その衝撃なしで生きてきた人がいるのではないかと思う。*...