ゲーム森羅万象

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メラのダメージはなぜ10なのか?応用編

メラのダメージはなぜ10なのか?において、ドラクエが位取り表記法によって生じる心理的効果をうまく利用していることを書いた。  私が拙作『ひぐらしのなくこロワイアル』を作るにあたってそれをどう応用しているかを解説する。  元ネタ『ひぐらしのなく頃に』を知らない人は要点には関係ないのでわからないままでかまわない。  まずここでキャラのステータス画面を見てもらおう。『ひぐらしのなく頃に』はノベルゲームで...
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メラのダメージはなぜ10なのか?

商品の値段がしばしば99や980などで終わることはよく知っておられると思う。これは言うまでもなく我々が数字の表記法として位取り記数法を用いているために起きる現象である。  上の桁は下の桁より常に10倍も重要なので、まず上の桁に注目する習慣が完全に定着しているのだ。そのため99円は100円よりも1円以上、1980円は2000円よりも20円以上、安い印象を与えることができるのだ。  位取り記法について...
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わにの庭

わにの庭(ソフトウェア置き場)  すばらしい。個人的に倉庫番系ゲームの最高峰だと思う。冗談抜きで。登場するオブジェクトは床と壁を除けば、 プレイヤーとブルドーザー ワニと池 岩と穴  たったこれだけ。ルールも、 プレイヤーは ワニを持ち上げ、運ぶことができる。 ブルドーザーに乗り、操縦できる。 ブルドーザーは 前後にしか動かせず、横からしか乗り降りできない。 前に進む時他のブルドーザーか岩1個を押...
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ゲームのイノベーションのジレンマ

図解、イノベーションのジレンマ  これはわかりやすい。今の金のかかったゲームがつまらなく感じてたまに新しいフリーゲームを漁る方がよっぽど面白いと感じる理由もこれだと思う。要するに、  どんなに素晴らしいグラフィックもサウンドも人間が動的に生み出す情報に面白さで勝てるわけがない。  私が人狼に強く興味を引かれてクローン作るまでにのめり込んだのもまさにこれだと思う。  わざわざゲーム機を買ったり設定し...
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『ネイビーミッション』

メタリッククローバー  主砲・バルカン砲・ミサイルの3種の武器を搭載した一隻の戦艦を操作して、敵の艦船・航空機と死闘を繰り広げる3Dシューティングゲーム(TPS)です。 自機が船で速度が遅いため回避に気を取られず純粋に「シューティング」に専念できる。 船と飛行機しか出てこないためポリゴンの少なさが気にならない  など、確固とした計算と理念に基づいて作られていて、面白くなるべくして面白いと感じさせて...
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もうすぐルートやループを持つ映画が作られるはず

ひぐらしをきっかけにサウンドベルをいくつかプレイしていて今さら気がついたことがある。それは、  サウンドノベルにはループ世界・平行世界ネタがとてつもなく多い。  ということ。そのこと自体には特に不審はない。選択肢があり、複数回プレイするサウンドノベルは、システム的・必然的に平行・ループ世界の概念を想起させるからだ。  また、こういう説明もできる。サウンドノベルを作るのに必要な要素を貴重な順に並べる...
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『SPY』

コウ・ファクトリー  テックコンパク初のプラチナ賞作品ということですが、その名誉に恥じぬ面白さです。  タクティクスオウガへのリスペクト感あふれる渋いオープニングデモでがっちりつかみにきて、そのままぐいぐいラストまで引っ張っていってくれます。  こういう良作をプレイしてしまうと、私が最近のゲームに興味がわかないのは、たんに歳をとって感性が衰えたわけではなく本当につまらないんじゃないかという疑いを濃...
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RPGにおける鍵・関所構造といわゆる自由度の関係

『RPGの自由度』は一般的に使われている表現である。それは確かに感じ取ることができるが、表現することは難しい。  しかし、自由度はRPGの骨組みである『鍵と関所の関係』*1と密接な関わりがあり、鍵と関所の論理構造を図示することで「自由度」を目に見ることができるようになる。  そこで誰もが知っている超有名タイトル、 『ドラゴンクエスト3』 『ファイナルファンタジー3』  を例にとって説明してみよう。...