科学技術哲学

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フェリペ・フェルナンデス=アルメスト『人間の境界はどこにあるのだろう?』

詳しくはshorebirdさんのところを参照してほしいのだが、私も長谷川眞理子先生訳と書いてなければ手に取らなかったような気がする。内容的にも訳者あとがきのところが一番有益だったような。  どうも『ゲノムと聖書』に似たような「西洋思想の枠組みからは絶対に出ないぞ!」というマイナスの決意みたいなものがちょっと鼻に付く。  『ゲノムと聖書』同様に、最初からキリスト教と西洋思想の伝統にしがらみがない人に...
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ジョー・マーチャント『アンティキテラ 古代ギリシアのコンピュータ』

オーパーツはアニメ・コミック・映画の世界ではよく出てくるが、残念ながら現実ではどれも捏造か勘違いだ。ほぼ唯一の例外が、紀元前の沈没船から発見されたこれ。    アンティキティラ島の機械と呼ばれる、高度な機械仕掛けの時計のように見えるもの。どう考えても一般に知られている機械式時計の発明よりも1400年は早い。    アーサー・C・クラークは「この知識が継承されていたなら、産業革命は1000年以上早ま...
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フランシス・コリンズ『ゲノムと聖書:科学者、〈神〉について考える』

『神と科学は共存できるか?』の頃からチェックリストには入っていたがやっと読んだ。感想は下の雨崎さんの感想にほぼ一字一句同意。  ほんとまじめなんですよ、この先生。自分の良心の落としどころを求めて、あれやこれや試行錯誤に調整を試みた末の、せいいっぱいの”有望な”神の延命計画を提案しているんですよ。インテリジェント・デザイン(ID)説に苦言を呈しーの、有神論的進化論を試しーの、バイオロゴスはどうかと打...
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エルンスト・ヘッケル『生物の驚異的な形』

グラン・トリノを見に行ったときに本屋で見かけて思わず目を疑った。有名なエルンスト・ヘッケルの画集が出ている。  邦題がすごく安っぽい印象になってしまっているが、原題"Kunstformen der Natur"は直訳すると『自然の芸術造形』である。  昔グールドのエッセイか何かで存在を知り、荒俣宏の世界大博物図鑑に載っていた放散虫の図をわざわざ図書館でコピーしたりした記憶がある。 Ernst Ha...
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豚インフルエンザ一丁お待ち

メキシコと米国で「豚インフルエンザ」の集団感染が起きた WHO:「インフルエンザに類似した疾患」が米国とメキシコで発生した メキシコでの豚インフルエンザへの対応状況について  これを初めとして新型インフルエンザに関しては何度か取り上げてきましたが、今回は本当に今までの新フル関連ニュースで一番やばいですねえ……。続報待ち。 おまけ 【ニコニコ動画】【コマ撮り】オオカミはブタを食べようと思った。
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グレッグ・イーガン『TAP』

久々にグレッグ・イーガンの短編集。やっぱり現代最高のSF作家と言われるだけのことはある。『TAP』『銀炎』『ユージーン』の3作は思想といい知識といいネタといい、この人らしさがよく出ていて私は好きだな。おすすめ。 『新・口笛テスト』  一度聞いたら絶対忘れない曲を計算で編み出す方法が発明された。星新一を連想させるコマーシャルネタ。まあまあ面白い。 『視覚』  撃たれた後遺症で常に主観的に幽体離脱状態...
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ウィリアム・ブライアント・ローガン『ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史』

これはなかなか面白い。 農業文明前史の仮説としての価値がどのくらいあるのかはまだ判断がつかないが、あってもおかしくなさそうな話だし、単純にオークにまつわる雑学を眺めているだけでも楽しい。おすすめ。解説より。  狩猟採集から、大文字で書く「農業革命」を経て、農業文明、そして産業文明へという常識ではなく、狩猟採集から、大文字で書かれるべき「ドングリ文化」をへて、農業そして産業文明へ、という、もう一つの...
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エドウィン・A・アボット『フラットランド 多次元の冒険』

404 Blog Not Found:文字通り次元が違う一冊 - 書評 - フラットランド 多次元の冒険  で復刊を知りました。ここでも少し言及しましたが、私もお薦めします。子供も大人も楽しめる、数学教育としても風刺文学としても最高クラスの一冊だと思います。 おすすめ類書 おまけ  この動画シリーズもおすすめ。 【ニコニコ動画】Dimensions 第1章 2次元