科学技術哲学 ウィリアム・ソウルゼンバーグ『捕食者なき世界』 書評 「捕食者なき世界」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 内容についてはshorebird先生にお任せ。生態学の基本としてはまともだし、面白くもあるけど、全体として作者の意見には乗れないな。最後の一文を引用。 わたしには、今も獰猛な肉食獣にかみ殺される不安を抱えながら暮らしている数少ない人々の気持ちを代弁することはできないし、そうするつもりもない。ライオンがうろつく畑で眠らざ... 2011.2.25 科学技術哲学
科学技術哲学 古川和男『「原発」革命』 中国が開発する「クリーンな新型トリウム原発」とは | WIRED VISION のニュースから知った。面白い。 核融合炉の実現も太陽エネルギーだけで済むようになるのもまだまだ先だし、原子力発電の重要性は今後当分高まっていく一方だろうから、頑張って欲しいな。 参考リンク NPO「トリウム熔融塩国際フォーラム」溶融塩原子炉・溶融塩炉 NHK クローズアップ現代 放射性物質“トリウム”最前線 404... 2011.2.22 科学技術哲学
科学技術哲学 ひらか゛なすいしょう問題についての概略 将来書こうと思っているテーマだったのだが、何年後になるかわからないので、概略だけでも先に書いておこうと思う。 ほぼ以前Twitterでつぶやいたものを清書したのみである。 過去の漢字廃止論の経緯などには全く関心がないため、ここで言う「ひらがなすいしょう論」は「漢字廃止論」と必ずしも同一ではなく、 現在ネット上で広まっている漢字を廃止ないしは減少させてひらがなで日本語を表記すべきという主張 ぐ... 2011.2.19 科学技術哲学
科学技術哲学 ニック・レーン『生命の跳躍――進化の10大発明』 ニック・レーン三冊目。これまでの本と重複する部分も多かったが、今回もとても面白い。 はじめに 進化の10大発明 1 生命の誕生――変転する地球から生まれた 2 DNA――生命の暗号(コード) 3 光合成――太陽に呼び起こされて 4 複雑な細胞――運命の出会い 5 有性生殖――地上最大の賭け 6 運動――力と栄光 7 視覚――盲目の国から 8 温血性――エネルギーの壁を打ち破る 9 意識――人間の心... 2011.2.6 科学技術哲学
科学技術哲学 カリフォルニアのモノ湖でNASAが砒素生物発見 <速報>リンの代わりにヒ素をDNA中に取り込む微生物が見つかった - I’m not a scientist. DNAにヒ素をもつ生物の発見|むしブロ 分子生物学やってた者としては、このニュースだけは一言だけでも反応しておかないと。 Appleのビートルズコーの直後だったからか、これもズコーとか言ってる人がいるけど、これは全然ズコーじゃないよ。これはすごいニュースですよ。 どのくらいすごいか... 2010.12.3 科学技術哲学
科学技術哲学 ウィリアム・パウンドストーン『ライフゲイムの宇宙』 情報をエネルギーに変換することに成功! - プレスリリース - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部 以前から何度か言及しておすすめしていたが、上のニュースに便乗して改めて単独でオススメしておこう。 原題"The Recursive Universe"(『再帰的な宇宙』) 『囚人のジレンマ』と並んで作者の最高作と思う。 ライフゲームの話だけでも十分すぎるほど面白いけど、情報理論・熱力学・宇宙... 2010.11.17 科学技術哲学
科学技術哲学 マイケル・コーバリス『言葉は身振りから進化した―進化心理学が探る言語の起源』 言語の起源については大昔から、神話的なものから、こんなのみたいに多少は実証的なものまで、いろいろな説があったわけだが、それが「音声」言語であることは、比較的近代になるまで自明のことと思われていた。 しかし最近は、音声言語より先に手話のようなジェスチャー言語が先にあったのではないかと思われている。この説はわりとよく聞いていて正しそうだと思っていたが、これ一本に絞った本は初めて。 声と言語は同じで... 2010.11.7 科学技術哲学
科学技術哲学 スーザン・A・クランシー 『なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか』 UFOは一時期に比べてめっきり人気なくなったので時期外しの感はあるけど、わりといい本だったと思う。『抑圧された記憶の神話』は怖すぎて読めないという人にいいかも。 アブダクティーの研究から見えてきたいちばんのポイントは、わたしたちの多くは神のような存在とのコンタクトを求めていて、エイリアンは、科学と宗教との矛盾に折り合いをつける方法なのだということだ。わたしぱ、ユングの「地球外生物は科学技術の天使... 2010.10.15 科学技術哲学