映画・ザ・ムービー

『ザ・コア』 オススメ度 6/10

これはすごい。すごくバカ。バカ映画。 内容は一言で言えば地底版『アルマゲドン』で、それ以上一言も付け加える必要などないのだが、とにかくバカ。 あらゆる登場人物がバカ。あらゆる科学考証がバカ。船の設計がバカ。ハッカーのイメージがバカ。核兵器のイメージがバカ。アメリカの地震兵器とか出てきてタイムリーにバカ。ラストもバカ。 まったく最初から最後まで一分の隙もなくバカ映画。バカなB級映画好きな人には迷わず...
政治経済社会

マルク・レビンソン『コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった』

コンテナ輸送というものは、あまりにも見慣れすぎていて、随分昔からあったことのように思ってしまうが、現代的な意味でのコンテナ輸送は、実はたかだかここ半世紀程度のものに過ぎないらしい。 昔の海上輸送では、小分けの荷物を沖仲仕と呼ばれる男達が毎回毎回積み方を工夫しながら、いちいち積み下ろししていた。時間がかかる上に、荷抜きと呼ばれる盗みも横行していた。 コンテナ化はこれらの欠点を解消し、輸送コストを大幅...
映画・ザ・ムービー

『ホットファズ―俺たちスーパーポリスメン!―』 オススメ度 10/10

またしても町山智浩のポッドキャストで知ったもの。めちゃめちゃ面白かった。 超優秀で超真面目なエリート警官が、周囲の妬みから、ド田舎の超平和な村に左遷される。逃げた白鳥を探したり未成年の飲酒を取り締まったりする程度しか仕事がない毎日。しかし……。 というストーリー。基本アクションコメディだが、サスペンスの要素もある。イギリス映画なのでギャグのセンスが独特であるが、この場合は良い方に向いたようだ。 グ...
科学技術哲学

フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈下〉』

上巻に続いて下巻から、クリーンエネルギー関連の話題。 短絡的な善悪二分法は害悪であり、短いスパンの現実と長いスパンの理想は両立しうるし、させねばならない。 今日の状況の参考にすべき部分は多いと思われる。21 銀河系の緑化 なぜわれわれは、グレーは悪でグリーンは善だと単純に言うべきではないのか? グリーンな技術を奉じグレーなあらゆるものを禁ずることによって救済への近道をとろうとすべきではないのか? ...
科学技術哲学

フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈上〉』

星新一とフリーマン・ダイソンは、いつ読み返しても何かしら新しい発見がある。 停電ネタで星新一を続けてやったので、今度はダイソンの自伝『宇宙をかき乱すべきか』の上下巻からそれぞれ一箇所ずつ抜粋する。まず上巻から原発についての話題を。 要約すると、巨大さそのものがひとつの失敗だという意見だ。『多様化世界』の中の「迅速を尊ぶ」の章にも近い意見がある。 ちなみに、1979年の本なので、福島原発事故はもちろ...
ニコ動マイリスト

2011年3月のマイリスト

2011年3月のマイリスト。
政治経済社会

エイプリルフールだけは大いに自粛すべし

自粛自粛と過剰に騒ぐのは、経済的にも精神衛生上もよくないので禁物だが、エイプリルフールだけは自粛してもいいのではないかと思っている。 ただでさえデマが溢れかえっていて、嘘ネタに由来するトラブルも頻発している今、これ以上デマやウソを増やしてどうするんだ。 自分は今までもエイプリルフールネタなど特にやってはいなかったが、この機会に大いに自粛しよう。できればこのままエイプリルフールという習慣そのものが、...
星新一の夢世界

星新一『冬の蝶』

停電と星新一でまず思い出したのは『感謝の日々』なのだが、他にもう2編だけ思い出せるものがある。 一つはこれ、 便利な文明生活を営んでいる夫婦が、謎の原因で停電した途端、何もできずにあっさり凍死してしまう。ペットの猿だけが平気で生き延びている。 というだけで、特に名作とは思わないのだが「電気が絶たれた時の文明生活の脆弱性」というテーマは、まさに今タイムリーだと思う。 もう一つは、以前も紹介したが『声...