おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2010年5月版

最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『「標準模型」の宇宙 現代物理の金字塔を楽しむ』★ ブルース・シューム著。ゲージ理論とか真面目に解説している一般書って貴重なのではないかと。エ...
科学技術哲学

ネクトカリスはイカだった!?

Nectocaris: mystery fossil was actually a 500-million-year-old squid relative | Not Exactly Rocket Science | Discover Magazine バージェス動物群について久々に面白いニュースが。ハルキゲニアの上下逆転以来の衝撃かもしれん。 摩訶不思議と思われていた化石が徐々に既知の分類に収ま...
科学技術哲学

ダニエル・C・デネット『スウィート・ドリームズ』

目下バカ検知ワードとして大活躍中の「クオリア」についての議論。分子やエネルギーについて何もわからなかった頃の「フロギストン」や「カロリック」DNAや酵素について何もわからなかった頃の「生気」素粒子や時空について何もわからなかった頃の「エーテル」 などと同様に、まだ神経や脳について詳細がわからない時代であるが故に抱くことが可能であるだけのどうでもいい概念だというのが著者の立場。 内容そのものは特に珍...
WEB情報通信

iPadきたー

予約していたiPadが届いた。 何はともあれ、まずは会長製作のアプリCloundReadersを入れて電子化した書籍を何冊か入れて見てみる。 大きめのスキャン画像を固めたzipを、そのままのサイズでストレスなく閲覧できるかどうかが気になっていたのだが、結果はまったく問題なしだった。 コミックも小説も一般書も全部読める。やっと電子化の成果をフルに活用できるようになった。想像以上に素晴らしい体験だ。 ...
政治経済社会

山形浩生『要するに』

山形浩生のエッセイ集。話題自体はやや古くなりかけているが、内容は別に古びてはいない。 今回「おっ?」と思ったのはここ。 さて、たぶん実際の世の中の制度設計というのも、このゲームの「おもしろさ」を考えるのと同じことだろう。ゲームも、まったくの自由放任では成立しない。なんらかの制度(つまりルール)があって初めて成立する。でもがちがちに規制しまくっては、ゲームが硬直する。(中略)万人による、さまざまなゲ...
科学技術哲学

マーティン・ガードナー『自然界における左と右』

数学者 マーチン・ガードナー氏逝去 - スラッシュドット・ジャパン マーティン・ガードナーの訃報を見たので、ついでに一番記憶に残っている本を紹介。 よくある「鏡はなぜ左右だけ反転させるのか?」的な話から始まってパリティ対称性の破れなどまでカバーしてくれる、この話の決定版的存在。おまけ 左右に腰振るだけなんてゲッダンよりつまらんと思ったら意外な収穫。【ニコニコ動画】おちゃめ機能 歌った
ゲーム森羅万象

ウィキペ鬼

ついさっきこんなアイデアが降ってわいたのだが、実際に遊べるだろうか? twitterやチャット・BBSなどでリンクを投げ合って遊ぶことを想定。基本ルール 2人あるいは2チームで遊ぶゲームです。追いかける「鬼」と逃げる「人」に分かれます。まず人は自分のスタートするページを好きに選びます。鬼はそのページから、1つの内部リンクを指定します。人は指定されたページに飛んでまた1つの内部リンクを指定します。以...
政治経済社会

スディール・ヴェンカテッシュ『ヤバい社会学 一日だけのギャング・リーダー』

『ヤバい経済学』の一部の元ネタになったギャング研究の回顧録みたいなもの。『ヤバい経済学』とは全然趣が違うので同じようなものを期待するべきではない。 内容そのものも興味深く、いろんな読み方ができる作品だが、すでに方々で書かれているので他に譲る。 私が惹かれるのは、shorebirdさんが言及しているどこかで終わってしまうことがわかっている物語が醸し出す不思議な雰囲気(書評 「ヤバい社会学」 - sh...