経済

政治経済社会

ウィリアム・パウンドストーン『プライスレス 必ず得する行動経済学の法則』

『ライフゲイムの宇宙』と『囚人のジレンマ』の二大傑作でうちではお馴染みウィリアム・パウンドストーンの行動経済学本。 それらと同等とまでは言えないが、かなり面白い。 「価格」というものがいかに曖昧模糊とした人間的な構築物であるかということが繰り返し強調される。 この場でただ一言だけ憶えておくならば「ふっかけた方が得」か。 タイトル通り面白いだけでなく実益につなげることもできそうなので、営業や交渉に携...
政治経済社会

マルク・レビンソン『コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった』

コンテナ輸送というものは、あまりにも見慣れすぎていて、随分昔からあったことのように思ってしまうが、現代的な意味でのコンテナ輸送は、実はたかだかここ半世紀程度のものに過ぎないらしい。 昔の海上輸送では、小分けの荷物を沖仲仕と呼ばれる男達が毎回毎回積み方を工夫しながら、いちいち積み下ろししていた。時間がかかる上に、荷抜きと呼ばれる盗みも横行していた。 コンテナ化はこれらの欠点を解消し、輸送コストを大幅...
おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2011年3月版

最近読んだり見たりしたもの、またはずっと紹介したいと思っていたものの中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『GIRL FRIENDS』★★ みやきち先生のところで知ってレンタルした百合漫画。最初、絵が合わないと思って投げかけたが、ゆ...
政治経済社会

ロバート・ゲスト『アフリカ 苦悩する大陸』

かなりよかったと思う。 アフリカの現状やそれを変えるための方法についての本はいくつか紹介してきたが、それらのエッセンスを集めて、読みやすく詰め込んだような印象。 アフリカ関係で読み始める最初の一冊として最適と思われる。関連書籍おまけ【ニコニコ動画】【MMD】 童話ごんぎつね 学芸会仕立て風 【新美南吉】
文化芸術宗教

もし戦争がなかったら、ピカソはゲルニカを作れただろうか?

という某氏のつぶやきから思い出した話。 むかし星新一で、一行で要約するなら、悲しい歌を作らせて鑑賞するためだけに虐げられている星 というショートショート*1があって、ずいぶん長い間悩んだ記憶がある。 悲惨とか不正からしか生まれ得ない芸術というものはあるのか? あるとしたらそれを求めるべきなのか? あるいはそれを求めることは許容されるのか? 現時点での私の答えは「あるかもしれないが、その不幸は仮想で...
おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2010年12月版

最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『マネーの進化史』★ ニーアル・ファーガソン著。金融史本。地味だが悪くない。『IQってホントは何なんだ? 知能をめぐる神話と真実』★ 村上宣寛...
政治経済社会

ポール・クルーグマン『良い経済学 悪い経済学』

企業同士における「競争力」という概念を国家同士に適用して、どちらかが勝てばどちらかが負けるかのようにとらえることには問題が多い、という話がメイン。 初版が1997年らしく、確かにやや昔の話が多いと思ったが、割と良い本だと思われる。 本題ではないが、印象に残ったところを一箇所だけ引用。 そこで、こう考えることもできる。将来、税理関係の弁護士の多くが、エキスパート・システム・ソフトに取って代わられるこ...
政治経済社会

ウィリアム・バーンスタイン『「豊かさ」の誕生―成長と発展の文明史』

現実の歴史で1820年ごろ以降に初めて見られたような、継続的かつ急速な経済成長には、私有財産制科学的合理主義資本市場輸送・通信手段 の4条件が全て揃う必要があるという話。同著者の『華麗なる交易』と合わせ、マット・リドレー『繁栄』グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史 』 が面白いと思った人が、次に読むのに最適。参考リンク今週の本棚:中村達也・評 『「豊かさ」の誕生…』=W・バーンスタイン著 -...