政治

政治経済社会

女性器切除か女子割礼か

エドワード・オズボーン・ウィルソン『知の挑戦―科学的知性と文化的知性の統合』長谷川寿一 長谷川真理子『進化と人間行動』ドナルド・E・ブラウン『ヒューマン・ユニヴァーサルズ―文化相対主義から普遍性の認識へ』 ここしばらくヒューマン・ユニバーサルの話題を並べていたのは何故かというと、ちょっと前*1に見かけた一連の女性器切除の話題に関して、一言だけ触れておきたいと思ったから。女性器切除ちょっと待って、「...
文化芸術宗教

ジョージ・オーウェル『一九八四年』

今年は『種の起源』出版150年だったが『1984年』出版60年でもある。そのせいなのか、『1Q84』に便乗したのか、新訳版が出た。 これはやはり素晴らしい。結末を知っていても息もつかせず一気に読ませる。還暦を過ぎてもまったく古びず、むしろ輝きを増すばかりのようだ。こんな文学というのはそうそうあるものではないだろう。 テレスクリーンは実現にますます近づいているし、共産主義は滅んでも全体主義の脅威は去...
アニメコミック

なんかリアル『野望の王国』な会話が聞こえた気がする

のでメモ。橘: もし暴力を全て否定するなら国家の秩序も否定しなければならない なぜなら秩序を保つのは警察力という暴力機構にほかならないのだから いい暴力と悪い暴力があるというならそのいい悪いは誰が決めるのか… そんなことも考えず暴力はいかんなどと叫ぶことは自分を支配される側に置くのだということに どうして気づかぬのか片岡: 大衆が暴力に対して女みたいなヒステリー症状を示す間は日本最大の暴力団である...
政治経済社会

アラン・チューリングの名誉回復

はやしのブログ イギリス首相の、アラン・チューリングに対する公式謝罪文 アラン・チューリングの名誉回復について。彼の名で知られている有名なものは主に三つある。チューリング賞チューリング・テストチューリング・マシン チューリング賞は計算機科学最高の栄誉とされている賞だ。 チューリングテストはAI分野において、あるいは知性とは・意識とは・思考とはなんぞやという哲学の分野において、汲めども尽きぬ問題を生...
政治経済社会

アンソニー・プラトカニス エリオット・アロンソン『プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く』

かなり昔読んだ本だが、ちょっと記憶を確かめたいことがあって再読。ついでにおすすめ。 プロパガンダという単語からは政治的なものの方が先に連想される。この本でもナチスの宣伝戦略の話などはもちろん出てくるが、重点が置かれているのはむしろ広告の方。 もちろん政治を軽視する意図は全くないが、現代人が最も大量に晒され日々の生活に影響を受けているのは確かに商業広告なので、そのテクニックを知っておくことは大切。参...
政治経済社会

ポール・コリアー『最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?』

以前立ち読みで良い本だとは思っていたけど、図書館の予約の順番が回ってきたのでまた読んだ。やっぱりすごく良い本だった。おすすめ。 思いっきり要約すると、ここ数十年の間に、先進の10億人+発展途上の50億人 という構図だった世界は、先進or発展途上の50億人+底辺の10億人 という構図になりつつあるということ。 そして、この底辺国が陥っている罠を打破するには、軍事介入や貿易自由化という、通常こうした最...
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ジョン・ホバマン『アメリカのスポーツと人種』

ボルトが異次元の世界新 100M9秒58で優勝 に関連して、人種差別問題でオススメの本3冊 に追加しておいた方がよいと思う本を紹介しておく。 白人と黒人両者が人種的運動能力に関する調査を恐れているのは、それが知力や情緒に関わるもっと内面的な人種的差異を示唆するからである。科学者と一般人のいずれも、人種的な身体構造や生理についての本音を隠し続けているので、両者の不安は解消することがない。こうした沈黙...
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日本版ボートマッチ総選挙2009

日本版ボートマッチ : 総選挙2009 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) ただの話の枕で、別にそんなに良くできたアンケートとも思わんから、これの結果がこう出たからというわけではないのだが、まあ今回は普通に民主でいいんじゃないの。 そもそも選挙というものは、合法的・平和的に定期的に権力者を交代させるためのものであって、こんだけ自公連立が続いた後でなお与党に入れていいのは「もう現政権が私に...