政治経済社会 磯田道史『武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新』 他人の家計簿なんてものは、なかなか見られるものではない。見られたらきっと面白いだろう。 昔の人の生活なんてものは、なかなか見られるものではない。見られたらきっと面白いだろう。 では、昔の人の家計簿が見られたらどうだろう? もちろん、めちゃくちゃ面白い。超オススメ。 内容そのものは本を読んでもらうとして、あとがきから教訓的な部分を二箇所メモしておきたい。 「歴史とは過去と現在のキャッチボールで... 2011.5.21 政治経済社会
政治経済社会 『日本人が知らないウィキリークス』 WikiLeaksについて何か一冊だけ読んでおこうと思って探していたが、『エコ・テロリズム』の著者が入っていたので、これにしてみた。 予想以上に面白かった。他の人にもWikiLeaksで何か一冊という場合はこれをおすすめするようにしよう。 どの章もそれなりに面白かったが、やはり、 第6章「正義はなされよ、世界は滅びよ」──ウィキリークスにとって「公益」とは何か 〈浜野喬士〉 の章がとりわけ興... 2011.5.21 政治経済社会
政治経済社会 ウィリアム・パウンドストーン『プライスレス 必ず得する行動経済学の法則』 『ライフゲイムの宇宙』と『囚人のジレンマ』の二大傑作でうちではお馴染みウィリアム・パウンドストーンの行動経済学本。 それらと同等とまでは言えないが、かなり面白い。 「価格」というものがいかに曖昧模糊とした人間的な構築物であるかということが繰り返し強調される。 この場でただ一言だけ憶えておくならば「ふっかけた方が得」か。 タイトル通り面白いだけでなく実益につなげることもできそうなので、営業や... 2011.5.18 政治経済社会
おすすめ書評まとめ おすすめ本書評まとめ2011年4月版 最近読んだり見たりしたもの、またはずっと紹介したいと思っていたものの中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 『傲慢な援助』★★ ウィリアム・イースタリー著。プランナー的(トップダウン式)やり方ではだめで、サーチャー的(ボトムアップ式)にやれという趣旨。 『ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄』★★★ 白戸圭一著。アフリカ関係は最近よく紹介していたが、こ... 2011.4.30 おすすめ書評まとめ
政治経済社会 マルク・レビンソン『コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった』 コンテナ輸送というものは、あまりにも見慣れすぎていて、随分昔からあったことのように思ってしまうが、現代的な意味でのコンテナ輸送は、実はたかだかここ半世紀程度のものに過ぎないらしい。 昔の海上輸送では、小分けの荷物を沖仲仕と呼ばれる男達が毎回毎回積み方を工夫しながら、いちいち積み下ろししていた。時間がかかる上に、荷抜きと呼ばれる盗みも横行していた。 コンテナ化はこれらの欠点を解消し、輸送コストを... 2011.4.10 政治経済社会
科学技術哲学 フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈下〉』 上巻に続いて下巻から、クリーンエネルギー関連の話題。 短絡的な善悪二分法は害悪であり、短いスパンの現実と長いスパンの理想は両立しうるし、させねばならない。 今日の状況の参考にすべき部分は多いと思われる。 21 銀河系の緑化 なぜわれわれは、グレーは悪でグリーンは善だと単純に言うべきではないのか? グリーンな技術を奉じグレーなあらゆるものを禁ずることによって救済への近道をとろうとすべきではない... 2011.4.2 科学技術哲学
科学技術哲学 フリーマン・ダイソン『宇宙をかき乱すべきか〈上〉』 星新一とフリーマン・ダイソンは、いつ読み返しても何かしら新しい発見がある。 停電ネタで星新一を続けてやったので、今度はダイソンの自伝『宇宙をかき乱すべきか』の上下巻からそれぞれ一箇所ずつ抜粋する。まず上巻から原発についての話題を。 要約すると、巨大さそのものがひとつの失敗だという意見だ。『多様化世界』の中の「迅速を尊ぶ」の章にも近い意見がある。 ちなみに、1979年の本なので、福島原発事故は... 2011.4.1 科学技術哲学
ゲーム森羅万象 『メタルマックス3 公式設定資料&秘蔵データ集』 ずいぶん前にAmazonで注文したはずなのだが、忘れた頃に届いた。 名前の通り『メタルマックス3』の設定資料集。 ちょっと値は張るが、データ・イラスト・インタビューなど、どれも盛りだくさんでなかなか素晴らしい内容だ。 本編が楽しめた人には間違いなくオススメできる。 おまけ 【ニコニコ動画】魔法少女まどか☆マギカ回想録?「QB営業のテーマ(仮)」 2011.3.27 ゲーム森羅万象