書評

おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2011年8月版

『スーパーセンスーーヒトは生まれつき超科学的な心を持っている』★★  ブルース・M・フード著。副題の通りの内容。よい。 書評 「スーパーセンス」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『赤ちゃんはどこまで人間なのか 心の理解の起源』★★★  ポール・ブルーム著。タイトルほど赤ちゃん中心ではなく、むしろ上の『スーパーセンス』に近いテーマ。これもかなりよい。 書評 「赤ちゃんはどこまで人間...
科学技術哲学

エドワード・O・ウィルソン『人間の本性について』

エドワード・オズボーン・ウィルソンのピュリツァー賞受賞作。内容はタイトル通りで、賞に相応しい素晴らしさ。  私が生まれた年の本だが、いま見てもそれほど古びていない。問題になりそうなほど古いのは、同性愛を擁護するのにヘルパー説に頼っているところぐらいか。  同じ人間が『創造』みたいなすっとこどっこいな本を書いたとは、なかなか信じられないほどだが、この本のラストには、それに繋がった問題意識がすでに見ら...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2011年7月版

『ホロコーストを知らなかったという嘘―ドイツ市民はどこまで知っていたのか』★  フランク・バヨール著、ディータァ・ポール著。みんな薄々わかっていることながら、まあタイトル通り。 『図解・感覚器の進化』★★★★  岩堀修明著。久しぶりにすごくいいブルーバックス。図解多し。おすすめ。 『プルトニウムファイル』★  アイリーン・ウェルサム著。ちょっと今話題の方向性とはずれてるけど、プルトニウムはプルトニ...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2011年6月版

『悩ましい翻訳語―科学用語の由来と誤訳』★  垂水雄二著。いやエロい意味ではなく。「ギニア豚」って何でしょう? 書評 「悩ましい翻訳語」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『虫歯になる人、ならない人』★★★  西川義昌著、白石拓著。合言葉は「歯は臓器」。コンパクトでいい感じ。自分の将来の健康のためにも、小さい子供がいる人は子供のためにも、おすすめ。 『知覚は幻 ラマチャンドランが語...
科学技術哲学

ジェームズ・ロバート・ブラウン『なぜ科学を語ってすれ違うのか――ソーカル事件を超えて』

東大生協で見かけて、あまり期待せずに読書リストに突っ込んでおいたものだったが、予想外に素晴らしかった。  ソーカル事件に関するものの中では、『知の欺瞞』そのものは別として、私の知る限り一番いい本だと思う。  いま何やかやで時間をかけられないので、内容そのものには詳しく触れられないが、このあたりの問題に興味のある人には、強くオススメしておく。 参考リンク なぜ科学を語ってすれ違うのか:みすず書房 海...
科学技術哲学

ニコラス・ウェイド『宗教を生みだす本能 ―進化論からみたヒトと信仰』

原題"THE FAITH INSTINCT"。スティーブン・ピンカーの"THE LANGUAGE INSTINCT"(『言語を生みだす本能』)を意識して、その向こうを張ったものだ。  宗教を生み出し運用する能力は、言語を生み出し運用する能力と同じく、集団を内部で結束させ、他集団との戦闘などで有利にするために、進化によって積極的に選択された本能であり、何かの副作用でたまたま生じたわけではない。  と...
文化芸術宗教

北川幸比古『しんはつめいじどうぽちぽちき』

『自動ぽちぽち機』というタイトルの童話知りませんか?  で探していた本だが、たまたまAmazonの中古で売っているのを見かけたので思わず買ってしまった。  絵はまったく忘れてしまっていたが、ストーリーは記憶にあったものと寸分違わず同じだった。  わずかに違ったのは、新聞広告は『一番多かった予想をした人の中から抽選で賞金を出す』というものだったこと。『一番多かった予想の通りに作ったのだ』というのは、...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2011年5月版

最近読んだり見たりしたもの、またはずっと紹介したいと思っていたものの中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 『チョコレートを滅ぼしたカビ・キノコの話 植物病理学入門』★  ニコラス・マネー著。菌類による病害。読み物としての面白さはやや欠けるけど、あまり類似作がないので一応。 『Fate/Zero 第四次聖杯戦争秘話 』★★★  虚淵玄著、武内崇著。魔まマから虚淵...