書評在庫一掃セール2010年8月版

(本文とは無関係)

 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。

 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。

『基礎から学ぶ楽しい疫学』★★★★★

 中村好一著。そのまんま教科書。真剣に勉強する気がある人にしかおすすめできないが、ある人には絶対おすすめ。

『ぼくの脳を返して~ロボトミー手術に翻弄されたある少年の物語~』★★

 ハワード・ダリー、チャールズ・フレミング著。ロボトミーの話はそこそこ興味があるつもりだったが、実際に自分がそれを受けたと証言できる状態の人がいるとは知らなかった。

『政治をするサル―チンパンジーの権力と性』★★

 フランス・ドゥ・ヴァール著。かなり昔にこの話題でもっと面白いのがあった気がするのだが、思い出せない。

『ドキュメント 戦争広告代理店』★★★★

 高木徹著。ちょっと前にあった2chのユーゴ紛争釣りカキコの件で思い出した。あの件では何か書こうかと思ったが、時期逃したし、もういいや。この本自体は絶対に押さえておいてほしい。

『カンブリア紀の怪物たち』★

 サイモン・コンウェイ・モリス著。『進化の運命』の予習として読み直した。これ自体はまあ普通。今の視点からすると問題は多くても、やっぱり『ワンダフル・ライフ』の方が面白いんだよね。

『Mad Science ―炎と煙と轟音の科学実験54』★

 セオドア・グレイ著。一言で言うと「イグノーベル高校化学資料集」みたいな感じ。定価で買うのは推奨できないけど、他に類を見ない本なので一見の価値はあると思う。図書館などでどうぞ。

『第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』★★

 マルコム・グラッドウェル著。人間の直感的判断にまつわる話。ちょっと軽めか。これで興味が沸いたら、中で取り上げられている、横に並べたような本へ進むといいかも。

『進化のなぜを解明する』★★

 ジェリー・A・コイン著。ドーキンスの『進化の存在証明』と似た感じの位置づけ。個人的には先にドーキンスの本をオススメするけど。いくつか気になる間違いがあったが、まあ良書。詳しくは例によってshorebird氏のところを。

『ミラーニューロン』★

 ジャコモ ・リゾラッティ著、コラド・シニガリア著。監修に茂木健一郎とか入っているので不安になるが、まともな内容。ちょっと専門的な部分が多いので事前に何らかの予備知識があった方がいいと思う。……が、そのためにおすすめできそうなのが思いつかない。

『男の凶暴性はどこからきたか』★★★★★

 リチャード・ランガム著、デイル・ピーターソン著。『火の賜物』と同著者である関係で思い出した。進化と男女というテーマで興味がある人は『マザー・ネイチャー』とセットで見ておけばいいと思う。

おまけ

 リアルだと笑えん。いや、やっぱり笑える(笑)。

コメント

  1. より:

    ロボトミー殺人事件と呼ばれる事件も起こってる上に犯人も有罪になってますから、そういった手術を受けても判断力は残る(と判断される)ようですね。

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