ガイア教の天使クジラ11 お手製(?)中世ヨーロッパ風宗教説話

新約聖書

第10回】 【目次】 【第12回

 3人目はなんと……私だ! というのはもちろん嘘だ。前回「3人中2人は日本人」と言ってたのに、3人とも日本人になってしまうしな。

 だが、私の文章を読んでほしいのは本当だ。突然ですまないが、たった今私が考えた中世ヨーロッパ風の宗教説話の粗筋を読んでみてもらいたい。

 若い修道士クリスは修行の旅の途中嵐に遭い乗っていた船が難破する。哀れ鮫のエサかと思われたクリスの命を救ったのは彼の守護天使だった。天使はまだ死ぬべき時でなかったクリスを助けたついでと煉獄から氷結地獄まで案内して親切にいろいろ教えてくれた。

 クリスが「最後の審判の時はいつ来るのですか?」と聞くと天使は「もうすぐですよ」と答える。すると突然黙示録のラッパが鳴り響き、巨大な反キリストの怪獣が現れて彼らを襲う。クリスは怪獣の天使への攻撃を防ごうとするが勢い余って墜落してしまう。

 再び気を失ったクリスが目覚めるとそこはベッドの上。介抱してくれていた人たちによると「天使? 怪獣? 何寝ぼけとるのかね。あんたは近くの浜辺に打ち上げられとったんじゃよ」とのこと。しかし、彼の懐には墜落時のどさくさで紛れ込んだとおぼしき天使の羽が一枚。

 後で天使に教わった物事についてはるばるバチカンに問い合わせると、果たしてクリスの知るはずのないしかも正しい知識だったではないか。「ああなんということだ。神よ! やはりあれはただの幻ではなかったのですね。」とクリスは信仰を新たにし敬虔な人生を送ることを誓うのでした。めでたしめでたし。

 さて、こいつをどう思う?

 まあ即興の口から出任せの上に私のキリスト教知識はまるで大したものではないので、細かく見れば突っ込みどころ満載と思われる。*1

 しかし、それを割り引いた上で、大筋としては、そっくりそのまま中世の宗教説話として実在しても不思議ではない程度にそれらしいものであることを、とりあえず認めてもらってもよかろう。*2

 で、もちろん私は好きこのんでこんな痛い創作文芸ごっこを晒しているわけではない。さっさと忘れてもらってから*3いよいよ本当の3人目の文章を見ていただこう。

*1:たとえば、天使が羽のような物的証拠を残してもよいものなのかどうか等、あまり自信がない。
*2:文句がある人は今のうちに言ってほしい。もしくは、もっとそれらしくするにはどうしたらいいか教えてほしい。
*3:いいか? 忘れろよ! 絶対だぞ!?

第10回】 【目次】 【第12回

おまけ

 煉獄巡り→神曲→神曲

コメント

タイトルとURLをコピーしました