2019 1/13

『小児科医のぼくが伝えたい最高の子育て』★★★

 高橋孝雄著。個別の内容に特に独自性があるわけではないけど、遺伝に変な否定意識のない子育て本はまだ珍しい気がするので。

『反西洋思想』★

 イアン・ブルマ著、アヴィシャイ・マルガリート著。そんなに面白いわけじゃないが有用な視点かと。

『実践フェーズに突入 最強のAI活用術』★★★

 野村直之著。AI本では久しぶりにちょっと面白かった。いわゆる「地球シミュレータ」と同等の性能のマシンが現在100万円で買える、という話が印象に残った。

『サルたちの狂宴』★★★★

 アントニオ・ガルシア・マルティネス著。シリコンバレーものとしてもfacebookものとしてもかなり面白かった。

『好き嫌い―行動科学最大の謎―』★★

 トム・ヴァンダービルト著。単独で特別すごい話はないけど。

『学びを結果に変えるアウトプット大全』★★

 樺沢紫苑著。時間本がよかったから読んだけど、そこまでとは。会長本とテーマがかぶってしまったせいもあるか?

『性欲の科学 なぜ男は「素人」に興奮し女は「男同士」に萌えるのか』★★★★

 オギ・オーガス著、サイ・ガダム著。進化心理学好きとしては「科学」の部分に目新しい話はないが、具体的な話がとても面白い。

『カラー図解 進化の教科書』★★

 カール・ジンマー著、ダグラス.J・エムレン著。最近のブルーバックスってどんなのかと思って。カール・ジンマーだけあって普通に良い。

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2018 4/22

『Goならわかるシステムプログラミング』★

 渋川よしき著。最初の一冊には向かないけど、いい。

『消費資本主義!: 見せびらかしの進化心理学』★★★★★

 ジェフリー・ミラー著。素晴らしい。shorebird先生のところで大まかな内容を知っていたにも関わらず詳細も大変面白かった。

『気づきのセラピー―はじめてのゲシュタルト療法』★

 百武正嗣著。『キレる私をやめたい』で知った。若干スピリチュアルというかオカルティックな領域に踏み込んでるような気もして100%首肯はできないが、面白い。

 私にはこれも自己欺瞞の話に見えてくる。自己欺瞞という概念が確立していない時代から経験的に積み重ねられた、自己欺瞞を脱するためのテクニック集、というか。

『夫に死んでほしい妻たち』★

 小林美希著。夫婦で読んだ。

『かさぶたくん』★★★★★

 やぎゅう げんいちろう著。子供がなぜか無茶苦茶ハマって一ヶ月近く毎晩読んでた。

『おへそのひみつ』★★★

 やぎゅう げんいちろう著。こっちもかなり。

『文明の接近』★★★

 エマニュエル・トッド著。識字率やその他のデータから判断すれば、イスラム特殊論には根拠がないという話。なかなか面白い。ビント・アンム婚という概念を初めて知った。

『帝国以後 〔アメリカ・システムの崩壊〕』★

 エマニュエル・トッド著。こちらもそれなりに。アメリカに悲観的すぎ中国やロシアに甘すぎるように思えるが、フランスの左派としては普通なのか。

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2017 11/8

『自閉症は津軽弁を話さない 自閉スペクトラム症のことばの謎を読み解く』★

 松本敏治著。方言は、ほとんどが人間から(苦手な)人間関係や心情を伴う形でもたらされるため、主にテレビから言葉を覚えることになるからではないか、という説。なかなか面白い。

『東方鈴奈庵 〜 Forbidden Scrollery.(7)』★★

 春河もえ著、ZUN原作。完結。当然ネタ切れ感は否めないものの、最後まで一定のクオリティは保ったか。

『日の名残り』★★★★

 カズオ・イシグロ著。当然ノーベル賞から。面白かった。他のも読んでみようかな。

『あさひなぐ』★★★

 こざき亜衣著。妻経由。今時珍しい(?)正統派(?)スポ根(?)漫画。

『系外惑星と太陽系』★★

 井田茂著。知らない間にいろいろアップデートされているなあ。

『子育ての大誤解――重要なのは親じゃない』★★★★★

 ジュディス・リッチ・ハリス著。非常に面白い。スティーブン・ピンカーが序文書いてるだけのことはある。激しく要約すると、両親は当然に遺伝子と環境を提供するものの、子供がそこから実際何を学ぶか・何を開花させるかは、主にピア効果で決まる、という主張。

『触れることの科学』★★★

 デイヴィッド・J・リンデン著。触覚の話題。面白い。

『獣の奏者 I闘蛇編』★★★★

 上橋菜穂子著。守り人シリーズから続いて読む。こちらもかなり面白い。

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2017 4/30

『マシュマロテスト』★★★★★

 ウォルター・ミシェル著。なんかもうよく知っているような気になっているマシュマロ・テストだが、改めてオリジナルに触れてみるととても面白い。

『へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星』★

 鳴沢真也著。ちょっと面白い。

『天と地の守り人 第2部 カンバル王国編』★★★★

 上橋菜穂子著。最終章中編? やはり面白い。

『量子コンピュータが人工知能を加速する』★

 西森秀稔著、大関真之著。内容は興味深いのだが、本としてはいまひとつ。

『ダメな統計学: 悲惨なほど完全なる手引書』★★

 アレックス・ラインハート著。元から興味がある人でないと読みにくいだろうけど。

『将軍と側用人の政治』★★★

 大石慎三郎著。意外なほど面白かった。

『となりの車線はなぜスイスイ進むのか?――交通の科学』★★★★★

 トム・ヴァンダービルト著。これはすごい。単独で全く見たことも聞いたこともないという話は少ないけど。

『未来からのホットライン』★★★★

  J・P・ホーガン著。初めて読んだのは大昔。今ではシュタインズゲートの直接の元ネタとして有名か? 古いけど今でも十分面白い。未読だが星野之宣バージョンあるのか。

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2016 11/23

 というエントリを以前書いたが、最近もうひとつ別の要素も大きく関わっているのではないかと思うようになった。

 これはニセ科学に騙されているとか不安商法に踊らされているというよりも――その要素は実際あると思うが――ある種の呪術であり、自ら信じたいのではないかと。

 そのベースになる考え方はすでに一度書いている。

 子供の知的発育は非常に重大なことである。にも関わらず、現実的で有効な対処法は存在しない。存在しても、それをそうと確信することはできない。まじないが流行る絶好の問題だ。

 流行するまじないは、実行可能であり、適度なもっともらしさと困難さを備えていなければならない。

 実行は可能だ。大抵の家庭にはテレビがあり、当然ついていることもよくある。実行可能でも負担が大きすぎて生活に支障が出るようではだめだが、そんなことはない。テレビを消しても死なないし、真剣に困ることもまずない。

 逆にあまり簡単すぎるのも、ありがたみが無くなるので駄目だ。これもクリアする。テレビを見たがる子供をなだめたり、自分で相手をしたりするのも、「ちょっと頑張ったな」と思えるほどの負担ではある。

 ……完璧に当てはまっているように思える。

 子供の知能という重大な事柄が、遺伝のようなもう変えられない要因や、まだ誰も解明していない偶然の要因に左右されているというのは不安だ。だからそれを制御しうると、確実にプラスになることをしていると信じて安心したいのだ。たとえ根拠薄弱だと知っていても。

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2015 12/14

『反逆の神話:カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか』★★★★★

 ジョセフ・ヒース著、アンドルー・ポター著。話そのものは「ヒッピーからヤッピーへ」等のキーワードで知ってたし、批判的な人には当たり前な感じだけど、自身リベラルな人がこうやってまとめたところに価値があると思う。超おすすめ。

『ルールに従う―社会科学の規範理論序説』★★

 ジョセフ・ヒース著。他のに比べて専門的。それだけが理由じゃないと思うが、あまり面白くない。

『モラル・トライブズ――共存の道徳哲学へ』★★★★★

 ジョシュア・D.グリーン著。超いい。内容は例によってshorebird先生にお任せ。全体に良いが、部分的に特に印象に残ったのは2点。

 問題となる事態が、スタック領域を必要とするような複線化した論理の先にある場合、道徳的直感が働きにくくなる、ということ。どうしても人を殺さなきゃならんことがあったら参考にしよう(笑)。

 権利を根拠にする主張は原理的にトートロジーにしかなり得ないので、終わった議論を蒸し返さないことには利用しても、現在進行形の真剣な議論には利用すべきでない、という主張。実践的で良い提言だと思う。

『ダブル・スター』★★★★★

 ロバート・A. ハインライン著。古さは否めないけど、抜群におもろい。

『学力の経済学』★★★★★

 中室牧子著。とても良い。自分の子育てにも参考にしよう。もっと日本の教育政策もエビデンスベースにしていってもらいたい。

『闇の守り人』★★★★★

 上橋菜穂子著。前作も相当だったが、さらにそれ以上。これはシリーズ全部行かねばならんか。

『十三億分の一の男 中国皇帝を巡る人類最大の権力闘争』★

 峯村健司著。制限されない権力ってのは勿論ろくでもないけど、傍目には面白いよなあ。男のロマンというか。

『ウンコな議論』★

 ハリー・G・フランクファート著。『啓蒙思想2.0』経由。bullshitはウソとは違う。嘘つきは少なくとも何が本当かわかっているが、bullshitを言う者は、そもそも何が本当かなど気にしていない。それ故しばしば嘘つき以上に手強い真実の敵である。……というのが大意。

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2015 7/26

 「テレビは幼児の発育に悪影響がある」という主張に対する反論をしたいのだが、真面目にやるとすごい長さになってしまうので、ポイントを絞って3点だけ。

そもそも検討に値する主張ではない

  • 発育が良いとは何であるか?
  • 子供がどう育つのが望ましいのか?

 ということがまったく曖昧なため、そもそもこの主張は反証不能である。「お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな」としか言いようがないのである。

 しかし、すでに影響を受けてしまっている人はそれでは納得しないだろうし、今回は一般家庭での実践の問題であって、厳密な話ではないので「発育が良い」とはどういうことかは、常識の範囲でどう捉えても問題ないとしておこう。

良い刺激はビタミンと同じ

 悪影響がありうるとすれば、その原因はテレビ視聴の【存在】ではなく、人――あるいは一般に視聴覚以外の刺激をもたらしたり相互作用ができるもの――との接触の【欠如】である。

 テレビの【存在】が積極的な害をもたらすと本当に信じるならば、大人もテレビを見るべきではないことになるが、そのような主張はあまりないようだ。

 人との接触がすでにある程度確保されているなら、従来テレビを見ていた時間にテレビを消したからといって、より退屈になるだけである。知能に悪影響はあっても良い影響があるとは考えられない。

 テレビを消した分の時間が全て(他人との遊びのような)より情報密度の高い活動にあてられるなら、もしかするともしかするだろうが、少なくとも一般家庭では、そんな条件はありえないだろう。

バイアスは大きく「悪い」側にかかっている

 もうひとつ重大な要素がある。

 テレビの世帯普及率を調べてみよう。1955年以前はほぼゼロだ。

 そして、現在偉い学者というのは大抵50代〜60代の老人である。主に働いているのがもう少し下の世代であったとしても、彼らの仕事を評価するのは結局その上の世代だ。

 つまり現在の偉い学者は幼児の時テレビを見ていない。

 偉い学者にとって、テレビが幼児教育に悪いということは自分は後の世代より賢いということに等しく、テレビが幼児教育に良いと認めることは、自分は後の世代よりバカだと認めることに等しい。

 そして「自分が育ってきた環境が知的教育に悪いと認める教育学者」など、「自分の属する人種は知能が劣っていると主張する人種差別主義者」と同じぐらい稀だと考えられる。

 たとえ本当の正解がどうだったとしても、今現在の偉い学者からのテレビの評価には、悪い方に極限までバイアスがかかっている*1ことを割り引かなければならない。

*1:ただし今後このバイアスは急速に消えていくことが予想される。

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2009 8/30

(本文とは無関係)

 最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。

 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。

『オオカミ少女はいなかった 心理学の神話をめぐる冒険』★★★

 鈴木光太郎著。懐疑本としてなかなかおすすめ。

『ダーウィンが信じた道―進化論に隠されたメッセージ』★★★★

 エイドリアン・デズモンド著、ジェイムズ・ムーア著。ダーウィンの偉大さは単に科学的なものに留まらないということは、グールドのエッセイなどを通じて知られてはいるものの、ここまで一冊にまとまったものは初めてなのではないか。

『ダーウィン―世界を変えたナチュラリストの生涯』★★★★★

 エイドリアン・デズモンド著、ジェイムズ・ムーア著。上の本を読んで昔読んでいたことを思い出した。同著者によるダーウィンの詳細な伝記。これはものすごく面白かった記憶がある。

 2巻がamazonに出てこないのはなぜかと思ったら、2巻セットになっているようである。すごく高いので図書館で探そう。うちの地元の図書館では1巻2巻別々に登録されている

『科挙―中国の試験地獄 』★★

 宮崎市定著。科挙に関する本。面白い。

『眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎』★★★

 ダニエル・T・マックス著。プリオン研究の歴史とドラマ。面白い。プリオンに関しては昔ちょっとだけ書いた

『みんなの進化論』★★★★★

 デイヴィッド・スローン・ウィルソン著。群淘汰に関してのみちょっとだけ微妙だが、素晴らしい進化論エッセイ集。

『すべてのアメリカ人のための科学』★★

 F. James Rutherford著、Andrew Ahlgren著。話題になったのは大分前だが、普通に科学リテラシー本として読んでも非常に優秀。おすすめ。

『図説 中国の科学と文明』★

 ロバート・テンプル著。「それは何百年も前すでに中国で発明されていたのだよ!」「な、なんだってー!!!」という話。しかもトンデモじゃなく本当に。

おまけ

 オオカミ少女違い。

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