ニック・レーン三冊目。これまでの本と重複する部分も多かったが、今回もとても面白い。
- はじめに 進化の10大発明
- 1 生命の誕生――変転する地球から生まれた
- 2 DNA――生命の暗号(コード)
- 3 光合成――太陽に呼び起こされて
- 4 複雑な細胞――運命の出会い
- 5 有性生殖――地上最大の賭け
- 6 運動――力と栄光
- 7 視覚――盲目の国から
- 8 温血性――エネルギーの壁を打ち破る
- 9 意識――人間の心のルーツ
- 10 死――不死には代償がある
- エピローグ
特に最初の章「生命の誕生」の部分が面白い。最初の生命は熱水噴出孔近くの岩の中で生まれたのではないかというアイデアは、もはやかなり正解に近いところまで来ているようだ。
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関連書籍
おまけ
by 木戸孝紀
tags:科学 書評 進化 生命
分子生物学やってた者としては、このニュースだけは一言だけでも反応しておかないと。
Appleのビートルズコーの直後だったからか、これもズコーとか言ってる人がいるけど、これは全然ズコーじゃないよ。これはすごいニュースですよ。
どのくらいすごいかというと「SFの中だけの存在だった珪素生物が実際に発見された!」の、まあ1/16ぐらいの感覚かな。フェルミのパラドックスとか、生命全般に対する認識にもモロに関わってくる非常に面白い話ですよ。
あと、ネタバレになるからどれかまでは言わないけど、グレッグ・イーガン『TAP』の中に異質生物ネタの結構面白い短編があった。確か元素じゃなくて異質な塩基だったけど。
おまけ
モノ子で異質生物というと。
by 木戸孝紀
tags:NASA ニュース 科学 生物 生命
『神と科学は共存できるか?』の頃からチェックリストには入っていたがやっと読んだ。感想は下の雨崎さんの感想にほぼ一字一句同意。
ほんとまじめなんですよ、この先生。自分の良心の落としどころを求めて、あれやこれや試行錯誤に調整を試みた末の、せいいっぱいの”有望な”神の延命計画を提案しているんですよ。インテリジェント・デザイン(ID)説に苦言を呈しーの、有神論的進化論を試しーの、バイオロゴスはどうかと打診してみーの。
そこには、どこか、人類には共通の性向があり、共通項を確立すれば幸福がもたらされるのであり、という楽天的な妄念がどっぷりしいの、そしてあくまで、どこまでもどこまでも一神教圏の神設定から抜け出す気はいっさいございません状態で徹底しいの、なんだけれども、とりあえず、まあ、あちらのお国事情では、これもひとつありかな、というところで、見ておいて損はない一冊。
(ゲノムと聖書:大阪について考える科学者を見よ [ EP: 科学に佇む心と身体 ])
違いといえば、私は「人類には共通の性向があり、共通項を確立すれば幸福がもたらされる」という考え方には、もうちょっと好意的だということぐらいかな。
元々キリスト教徒でない人間にとっては積極的な価値はあまりないと思う。参考図書に挙げたような本を先に読んで他の考えも知りたいという場合にどうぞ。
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関連図書
おまけ
by 木戸孝紀
tags:科学 宗教 書評 生命
今もシュタイナー教育などに名を残し、真面目に受け取っている人もいるルドルフ・シュタイナーと有機農法の話から始まって、自然を愛し全ての生命と共生しようという思想がなぜ大量殺人のような結果を生んだのかを巡る話に繋がっていく。
私はこれとかこれとかナチスネタには目がないのだが、この本と『ナチスと動物』『健康帝国ナチス』の2冊はどれも素晴らしく、“いまここにいるナチス”三部作とでも勝手に命名しておすすめしたい。
現代のディープエコロジーのような考え方や、日本のフードファディズムめいたトンデモ食育にもしっかり残っているナチスの影響。ついでに戦前日本はオカルト的自然観と民族主義の点でナチスドイツに本当に瓜二つだったんだということもよくわかるぞ。
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おすすめ類書
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健康→禁煙→タバコ
by 木戸孝紀
tags:オカルト ナチス 環境 書評 生命 農業
UFOだけなら「未確認飛行物体の略ですから確認されていない飛行物体が存在するのは当たり前です」とか言い逃れられたけど、ナスカの地上絵がどうとか言っちゃってるから普通にトンデモ発言だな……。ペルー国民よ怒っていいぞ。
さて、地球にUFOが来てるという認識はあからさまなトンデモだが「宇宙に人間以外の知的生物がいるか?」という問いは決してバカにならないなかなか面白い問題だ。
確実にわかっているのは、SETIが成功するほどたくさんはいないが、ゼロではないということ。
地球外文明の期待度は大きくなったり小さくなったりを繰り返しているように見える。
初めはもちろん地球が世界の全てだと思われていたのでゼロ。宇宙の広さがわかってきた時代には、月や火星にさえ普通に生物がいるかもしれないという夢が持てた時期もあった。
生物の研究が進むとこんな複雑な現象がそうは生まれないと思われるようになり、さらに研究が進むと意外とあり得るんじゃないの? と思われるようになり、さらに宇宙の研究が進むと進化に適した環境はなかなかないように思えてくる……といった具合。
最新の推測は、いわゆる生命現象はそこまで珍しいものではなく、異星生物は宇宙を探せば結構いるだろうが、それがいわゆる異星文明にまで進化している可能性は極めて小さく、宇宙に存在する文明はたぶん地球のみと思われる、というぐらいである。
個人的には、近い将来またちょっとは期待が持てる方向に向かって針が振れるようになると思っているが。
おまけ
by 木戸孝紀
tags:宇宙 科学 書評 生命
上の記事を見てこの本を思い出した。うろおぼえながら私なりに要約すると下のような主張。私は概ね賛同する。
もっとも、そもそも今の子供の命に対する理解に問題があるというのは本当か、あるいは問題があったとしてそれは社会にとって悪いことなのか、というもっと以前の段階で大いに疑問はあるのだが。
この「OUR DAILY BREAD」という映画は機会があったら観てみたいと思う。
子供が何か事件を起こすと大人たちは判で押したように『命の大切さを教えなければ』と言うが実際どうやって教えるのか。『殺人テレビゲームを規制せよ』というような意見も出るがナンセンスだ。架空の死は古今を問わず子供にとって魅力的だった。
問題は架空の死の氾濫ではなく、子供が本物の死から隔離されていることだ。一昔前までは病気や戦争で死に直面した人や死を覚悟した人が身近にいた。家畜を飼ったり絞めたりということも普通に近所で見られた。
現代の都会の子供達はこのような自然な「死の教育」を受けることがない。教育がその代わりとしてできることは何か。「ニワトリを殺して食べる授業」だ。そう聞くとギョッとするかもしれない。でもなぜギョッとしなければならないのだろう。鶏は皆食べているのに。これも「死からの隔離」だ。同和問題への理解も兼ねられる。
現実的に自分で屠殺して料理できる手に入りやすい唯一の家畜である鶏は、自分を含め命が他の生き物を殺すことによって成り立っていること、命と死を同時に理解させる最高の教育素材となりうる。
by 木戸孝紀
tags:教育 死 食 生命