こういう「冷静な頭と温かい心」的な感じは好き。そでより。
戦場特派員として、15年にわたり、中南米、アフリカ、中東、バルカン半島など、世界中の紛争地をかけめぐって報道してきた前線記者が、豊かな経験を活かし、戦争とはなにかをQ&A方式で事細かに示したのが本書である。
現代の強力な武器や爆発物が、命を奪うだけでなく、人間にどんな傷を残すのか。現役の兵士や退役軍人、さらには医師、心理学者などに取材を重ねて、できるかぎり現実の戦争の状況をダイレクトに伝える内容になっている。戦争終了後も、戦闘員や民間人たちは、肉体的・精神的に深い傷を負って一生苦しむ、それらは目に見えない傷である場合も多い。
戦争を知ることは、われわれの暴力性・残虐性と向き合うことである。私たちは戦争にまつわるロマンティックなイメージを信じ込むのではなく、そこで起きていることの真実を知る必要がある。それは自分たちが戦場に送り込む者たちに強いている犠牲を、はっきりと意識することでもある。民主主義の世界では、有権者は戦争の正確な代価を把握していなければならない。
映画やマスコミによって流されるイメージとはまったくちがう、本当の戦争とはどんなものなのか。戦争は恐ろしい。そして常に悲惨だ。何世代もが大きな傷を負う。私たちは戦争がもたらすものを知らなければならない。それを怖れなければならない。
参考リンク
関連エントリ
- ポール・ポースト『戦争の経済学』 神は細部に宿り給う
- アラン・B・クルーガー『テロの経済学 人はなぜテロリストになるのか』 神は細部に宿り給う
- デーヴ・グロスマン『戦場における人殺しの心理学』
- デーヴ・グロスマン ローレン・W・クリステンセン『「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム』
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