『ダンジョン飯』★★★★★
九井諒子著。14巻で完結。最後まで素晴らしかった。絵も内容も最初からすごかったけど途中でもさらに上手くなり続けた。全漫画史上でも有数の傑作と言ってよいと思う。現在放送中のアニメもかなりいい。
『人はなぜレイプするのか―進化生物学が解き明かす』★★★
ランディ・ソーンヒル著、クレイグ・パーマー著。内容はshorebird先生にお任せ。私も表紙のデザイン以外不満はない。現在時点で進化心理学とか多少知っていればそんなに意外な内容ではないと思うが、むしろイデオロギー的な側面からの反発についての話が興味深い。原著から四半世紀近く経っているが、その点については、むしろ進歩どころか悪化しているのではないかという気がする。
『遺伝と平等―人生の成り行きは変えられる―』★★★★★
キャスリン・ペイジ・ハーデン著。素晴らしい。知能の遺伝が単に事実であるということ。それを差別に利用されることを怖れ、見て見ぬふりをすることで、むしろ階層社会の正当化になってしまっていること。この重要な問題に関するひとつの決定版と言ってもよいと思う。
『素晴らしき別世界 地球と生命の5億年』★
トーマス・ハリデイ著。最新知識で見た来たように書く太古の地球環境と古生物。
『WEIRD「現代人」の奇妙な心理 経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 』★★★★★
- ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』等の、(同じユーラシアの)ヨーロッパとそれ以外の差が説明できない問題
- キリスト教優越の含意になってしまいがちでポリコレ的に宗教の影響が軽視される問題
- マックス・ヴェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』や何でも家族で説明するエマニュエル・トッドが、基本的に正しい方向を向いているが、雑すぎて個別には間違っているように思える問題
のようなどれひとつ取っても重要な大問題を全部まとめて解決できそうな視点だ。
『イェール大学集中講義 思考の穴――わかっていても間違える全人類のための思考法』★
アン・ウーキョン著。正直「まとめ」以上のものではないが、悪くない。類似のものを読んだことがないならおすすめ。
『話が通じない相手と話をする方法: 哲学者が教える不可能を可能にする対話術』★
ピーター・ボゴジアン著、ジェームズ・リンゼイ著。『「社会正義」はいつも正しい』が良かったので著者読み。現在重要な話であり、悪い内容ではないが、期待ほどではなかったかも。
『新しい階級闘争: 大都市エリートから民主主義を守る』★★★
マイケル・リンド著。いわゆるポピュリズム・トランプ現象は、原因ではなく結果であり、アホ右翼の陰謀論とかいって片付けてはいけないという話。「分断」とか格差社会の問題について興味ある人はすでに大体知ってそうな話ではあるが、いいと思う。
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