科学技術哲学

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古くて新しい最先端SF グレッグ・イーガン『ディアスポラ』

『順列都市』に続いてグレッグ・イーガン作品を読んでみた。個人的には順列都市以上に面白かった。これが現代の『スターメイカー』なんだろうなあ。  スターメイカーでは無名のイギリス人が主人公だったけど、こっちでの主人公がもはや現在の意味での人間ですらなく、最初からコンピュータ内のバーチャル都市でプログラムによって作られた「市民」。  そのわりには地球の危機が起きたりいろんな星を渡り歩いたり他の文明と接触...
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グレッグ・イーガン『順列都市』

『スターメイカー』の感想を書いたときに「今現在残されている神秘と最先端のSFは何だろう?」という問いかけをした。  あの時は単なる締めの言葉として深く考えずに適当に書いたのだが、自分で気になってきてしまったので調べたところ最先端のSFの候補の1つであるらしい。読んでみたら確かに面白い。一級品。  セルオートマトンに関する知識があった方がより楽しめそうなので、『ライフゲイムの宇宙』を先に読んでおくと...
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水伝問題で非難されるべきは著者ではなく学校教師

前回の続き。水伝はトンデモだということはわかったとしよう。なぜ科学にそんな風に誰かの飯の種を切って捨てる権利があるのだろう。  何が正しくて何が間違っているか判断する方法は色々ある。(あるいはあった。)昔も今も人気がある方法に、 真理は聖なる本に書かれている  というものがある。 優れた哲学者の魂が考えて考えて考えぬけば真理に到達できる  とする方法も昔はあった。だが結局は みんなで検証を何度も繰...
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大木幸介『毒物雑学事典―ヘビ毒から発ガン物質まで』

水も砂糖もみんな毒? 身近な食品の致死量を調べる | エキサイトニュース  これを見て思い出した本(上の記事はネタっぽいがこの本は真面目な内容である)。個人的にブルーバックスの中で最も好きな本の一冊でもある。  見開き2ページが1項目の読みやすいコラム形式で古今東西ありとあらゆる毒物が扱われている。項目を適当に拾い上げてみただけでもこれだけある。  ヘビ・サソリ・ハチ・カエル・イソギンチャクなどの...
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「水からの伝言」はトンデモの一言で切って捨ててよい

オープニングクイズ。以下の主張は正しいか? ○か×のみで答えなさい。どちらでもない・どちらでもある・場合による等の答えはなし。 誰かの真剣な主張を「とんでもないから」といって真面目に受け取らないのは科学的な態度とは言えない 科学的な社会では少数派の意見に基づいて行動するからといって弾圧されたり処罰されることはない 人格的な神や死後の世界の存在は科学的な観点からすると否定されると言わざるをえない  ...
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サイモン・シン『ビッグバン宇宙論』

サイモン・シン三冊目。もちろん十分面白かったが、『僕らは星のかけら』(これも超オススメ)とかぶる内容が多かった。  しかも、宇宙背景放射が観測されビッグバン理論が主流になるあたりで終わってしまっているので個人的にはちょっと物足りなかった感じ。その先にも大統一理論の話とかまだまだいくらでも面白くできる要素があったと思う。  しかし相対性理論の説明が(相対性理論が主題の本も含め)この手の科学啓蒙書の中...
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サイモン・シン『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』

題名通り暗号の古今東西を扱った本。著者は以前紹介した『フェルマーの最終定理』のサイモン・シン。  フェルマーの最終定理ほどではなかったがやはり最高に面白かった。暗号について何か一冊だけということなら迷わずこれを薦めることになるだろう。  特に公開鍵暗号の技術はインターネットを利用している人の多くがそれと意識することなく日常的にお世話になっているはずであるし、知っておいて損はない分野である。  それ...
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エニアグラム タイプ5の特徴(研究者)

今日はあまり書く気が起きないので何か使いのこしたネタないかと思って『紙』をあさってたらこんなのが出てきた。 エニアグラムとコーチング*エニアグラム無料診断 エニアグラムタイプ5番のこだわり 「知識」「宇宙の摂理」「情報」「蓄積」「賢明」「分析力」「解析力」「研究」「専門分野」「博識」「倹約」「節約」「節制」 エニアグラムタイプ5番のプラス面 あなたは物事を見抜く知性を持ち、聞き手として鋭い理解力が...