おすすめ書評まとめ

書評在庫一掃セール2009年9月版

最近読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、個別エントリにするタイミングがなさそうなものを、まとめて一挙紹介。 ★は1-5個でオススメ度。人に薦める価値がまったくないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。『暗殺の事典』★ カール・シファキス著。『詐欺とペテンの大百科』と同じ著者。そちらほどではないが楽しい。楽しんでいいのかという話は置いといて。...
政治経済社会

アラン・チューリングの名誉回復

はやしのブログ イギリス首相の、アラン・チューリングに対する公式謝罪文 アラン・チューリングの名誉回復について。彼の名で知られている有名なものは主に三つある。チューリング賞チューリング・テストチューリング・マシン チューリング賞は計算機科学最高の栄誉とされている賞だ。 チューリングテストはAI分野において、あるいは知性とは・意識とは・思考とはなんぞやという哲学の分野において、汲めども尽きぬ問題を生...
科学技術哲学

サイモン・イングス『見る―眼の誕生はわたしたちをどう変えたか』

視覚全般に関する本。質・量・ひろがり・まとまりどの基準を取っても最高クラスです。超おすすめ。プロローグ 若さと老い第1章 感覚の共同体第2章 視覚の化学第3章 どのようにして眼は可能になるのか?第4章 適応する眼第5章 見ることと考えること第6章 視覚の理論第7章 視覚能力を授けられた神経質なシロモノ第8章 色を見る第9章 見えない色第10章 眼が見るということエピローグ 見えないゴリラ ついでだ...
文化芸術宗教

山本弘『アイの物語』

山本弘つながりで読む。これは確かにすごく面白い。『神は沈黙せず』の時のような引っかかりもないし、迷わずおすすめできる。404 Blog Not Found:感無量 - 書評 - アイの物語 弾さんみたいにベストフィクションとまでは言えないけれども、同じポジティブなAIネタを扱っても、宗教的伝統から来るフランケンシュタイン・コンプレックスからいまだ完全に自由でない(ように思われる)世界の最先端SF作...
アニメコミック

なぜ日本のマンガ・アニメにはエセ神父ばっかり出てくるの?

という質問を受けたことがある。どんなシチュエーションで聞かれたかはよく憶えていない。(たしか『トライガン』の絶頂期だったので、おそらくニコラス・D・ウルフウッドを念頭に置いた質問と思われる。) しかし、どう答えたかははっきり憶えている。私は「そりゃ本物の神父が出てきたらキモいからに決まってんだろ」と答えた。 その後、日本のマンガ・アニメにもわずかながら本物の神父は登場するようになった。代表的なのは...
政治経済社会

アンソニー・プラトカニス エリオット・アロンソン『プロパガンダ―広告・政治宣伝のからくりを見抜く』

かなり昔読んだ本だが、ちょっと記憶を確かめたいことがあって再読。ついでにおすすめ。 プロパガンダという単語からは政治的なものの方が先に連想される。この本でもナチスの宣伝戦略の話などはもちろん出てくるが、重点が置かれているのはむしろ広告の方。 もちろん政治を軽視する意図は全くないが、現代人が最も大量に晒され日々の生活に影響を受けているのは確かに商業広告なので、そのテクニックを知っておくことは大切。参...
アニメコミック

マルジャン・サトラピ『ペルセポリスI イランの少女マルジ』

イランの裕福でリベラルな家庭に生まれた女性の自伝的マンガ。これは最高に面白かった。つべこべ言わずにとにかく読め。この面白さは文章では伝えづらい。 雰囲気を見たければ映画版のトレーラーを。映画は未見だがなかなかよさそうだ。実際はトレーラーの印象よりもシリアス成分多めである。【ニコニコ動画】ペルセポリス 予告 2巻も大急ぎで借りてきて続けて読んだが、1巻と比べるとあまり面白くない。1巻だけでもちょうど...
政治経済社会

ポール・コリアー『最底辺の10億人 最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?』

以前立ち読みで良い本だとは思っていたけど、図書館の予約の順番が回ってきたのでまた読んだ。やっぱりすごく良い本だった。おすすめ。 思いっきり要約すると、ここ数十年の間に、先進の10億人+発展途上の50億人 という構図だった世界は、先進or発展途上の50億人+底辺の10億人 という構図になりつつあるということ。 そして、この底辺国が陥っている罠を打破するには、軍事介入や貿易自由化という、通常こうした最...