科学技術哲学

ビョルン・ロンボルグ『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』

昨日の映画と、『生物多様性という名の革命』の山形浩生で思い出した。 要するに「このままではもうすぐ人類は滅亡する!」みたいな恐怖を煽るお決まりの話には眉に唾つけて、環境対策はリスクとコストとベネフィットを総合的に判断してやろうぜ、という話。 核融合エネルギーの実用化可能性について楽観的すぎたりとか、つっこみたくなるところはいくつかあるが概ねまともと言ってよい内容。 ただし、これに便乗したかのように...
映画・ザ・ムービー

アナクロニズムの極致『地球が静止する日』 オススメ度 1/10

わははは! 予告編を見てこれはダメ映画だと確信していたが、ある事情でダメなのを期待して観に行った。そして期待以上にダメダメで嬉しかった! つまんなくて嬉しかった映画は生まれて初めてかもしれない。人には全くすすめられないのでネタバレは気にせず行きますよ。(ネタバレ注意!) リメイク元の『地球の静止する日』は古典的名作SFである。友好的異星人像を初めて真面目に描いたと言ってよい先駆的な作品だった。原作...
科学技術哲学

太陽は地球の周りを回っている(ただし摩訶不思議力で)

科学の公理の話の補足的なもの。 たとえばオッカムの剃刀のような話は、哲学者がこねくり回して遊ぶものであって、現実には全く、あるいはほとんど関係ないと思っている人がいるかもしれない。 だが、全然そんな事はない。しばしば科学の進歩の代表例みたいな扱いを受けている天動説と地動説のどちらが正しいかという問題だって、それなしには決められないのだ。 たとえば、元の元のページを見つけられなかったので孫引きだが、...
科学技術哲学

直感的分類カテゴリーにひとつだけ違反するものは流行る法則

パスカル・ボイヤー『神はなぜいるのか?』を読んでから、二つの観点が頭に残り続けている。宗教というのは極めて現状追認的なものであるということ。宗教的概念として受け入れ可能なものは、人間の持つ直感的な分類カテゴリーに違反するような属性が、ひとつだけ加わったものであることが多いということ。 前者は、多くの人が貧しく苦しかった過去の時代には苦難をよしとするような宗教が流行り、「人間には無限のエネルギーが備...
告知募集報告

来年のことを言うと鬼が笑うコンテスト略して鬼コン2009

ルールは超簡単。2009年12月12日に発表される今年の漢字を予想して下さい。ここのコメント欄に書いて下さい。有効期間は2008年12月12日から12月31日までです。もっとも今年はすでに17日ですが。同じ字を選んだ場合は早いもん勝ち。先の人だけ有効です。別の字を選んで応募し直すのはありです。見事的中した人には……何も出ませんが神扱いします。実際かなりすごいと思います。よってたかって予想して全員外...
科学技術哲学

ニール・シュービン『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト―最新科学が明らかにする人体進化35億年の旅』

ティクターリク(Tiktaalik)の発見者が書いた本。とは言っても話はティクターリクだけに留まらず、魚類から四肢動物への進化の過程エボデボ(発生生物学+進化生物学)人類と他の生物が祖先を同じくすることの意味 と、多岐にわたる。それぞれについては関連図書にあげたような本の方が詳しいが、その全てが約300ページ・2000円とかなり圧縮してまとまっている。すごくいい本だと思う。今まで興味がなかったよう...
ゲーム森羅万象

「どくけしそう」はなんのためにあるのか?

1.「どく」状態は何のためにある? DS版ドラクエ5のエントリで予告していた話だが「毒を治すために決まってんだろ!」ということを言っているわけではもちろんない。 そもそもドラクエの「どく」状態というのは実はほとんどペナルティがない。戦闘中にはダメージがないし、移動中に数歩に一歩だけ画面が赤くフラッシュして1ダメージを受けるだけだ。仮に全員がずっと毒に犯されっぱなしでも、鬱陶しいのを我慢しさえすれば...
文化芸術宗教

エーリッヒ・フロム『愛するということ』

『自由からの逃走』からエーリッヒ・フロムつながりで読んだ。“愛”についての本。内容は参考リンク先が充実しているので繰り返さない。 面白いけど原著が1956年というだけあって、とても時代を感じる。今日時点で、 社会の未開人的自然崇拝的な愛からキリスト教的な愛への成長を、個人の母性的愛から父性的愛への成長になぞらえる なんてことをやったら「二重三重の意味でPCでない!」と怒られるんではなかろうか。私は...