文化芸術宗教

岡本太郎『明日の神話』

岡本太郎の『明日の神話』という壁画が、渋谷駅の毎日通るところに来ていた。 なんと言うか、すごい。「すごい」ぐらいしか表現できない芸術の素養ゼロの自分が大変かっこ悪いが仕方ない。 説明抜きで人の視線を釘付けにする怖ろしい力がある。力がありすぎて、公開以来あの場所で正面衝突して怪我したりトラブったりした人の割合がどのぐらい増えたのだろうか? とか変なことが気になってしまう。関連リンク岡本太郎『明日の神...
科学技術哲学

ポール・ホフマン『放浪の天才数学者エルデシュ』

ポール・エルデシュの伝記にからめて様々な数学および数学史の逸話を盛り込んだ本。 四六時中手を洗う、とか潔癖症を通り越して強迫神経症を疑わせるようなエピソードが多数あり、これまた天才とキ○ガイは紙一重と表現したくなるような人物だったようだ。 エルデシュ自身に一般的にすごくわかりやすい目立つ業績(たとえば「あのフェルマー予想を証明した!」とか「あのポアンカレ予想を証明した!」とか)があるわけではないの...
政治経済社会

前田高行『アラブの大富豪 』

“アラブの石油王”なんて表現はフィクションではお馴染み……かと言えばそうでもないな。イスラム圏なので文化の壁もあるだろう。そもそも本当の金持ちというのは、自分がいくら金を持っているかも、どのように運用しているかも秘密にするものだそうである。 まあ確かにそうだろう。近代的な会計制度によって財務がオープンになる企業を通して金持ちになるという私たちが当たり前だと思っているスタイルが、むしろ最近になって生...
WEB情報通信

ニコ動のプレミアム会員を増やすにはVIP会員を新設すればいいと思う

何の本に載っていた話か忘れたが、こういうエピソードを憶えている。 そのビルでは「エレベーターが来るのが遅い」という苦情が絶えなかった。 ビルのオーナーはまずエンジニアに相談した。エンジニアは機械を改良してエレベーターの速度を改善した。しかし、苦情は減らなかった。 オーナーは次にプログラマに相談した。プログラマはエレベーターの動きを制御するプログラムに改良を加えもっと効率的に動くようにした。それでも...
科学技術哲学

デーヴ・グロスマン ローレン・W・クリステンセン『「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム』

『戦場における人殺しの心理学』の実践編みたいな位置づけの本。前作と共通部分が多いので、普通の人は前作のみで十分かもしれない。逆に自衛隊員・警察官・SP・警備員・消防士といった職業の人は自腹切っても読むべきだと思う。 いや……自腹というか、配られて然るべきなんじゃないのか? そもそも日本の自衛隊や警察では、ちゃんとこういう最新の研究成果に基づいた教育と訓練が行われているのだろうか? 根拠はないが絶対...
科学技術哲学

パスカル・ボイヤー『神はなぜいるのか?』

原題は『説明される宗教』(Religion Explained)。原題の方が内容に忠実だ。全体の趣旨は私なりに思いっきり要約するとこう。従来の説明宗教は説明を与える。宗教は安らぎを与える。宗教は社会に秩序を与える。宗教は認知的錯覚である。 これらはみな一理あるが不十分である。このような現在「宗教の特徴」と言われて思いつくようなものは、いくつかの大宗教の特徴であるに過ぎず、宗教全体の中では時間的にも...
アニメコミック

山田芳裕『度胸星』

黒人大統領のエントリでtikaranoさんに教えていただいた。山田芳裕は最近『へうげもの』がかなり好みなので期待はしていたが、さらに想像を遙かに超えて面白かった。漫画に関してはそれなりにアンテナを張っているつもりだったのに、これを今まで読んでなかったとは大不覚。 かなり徹底した取材に基づいたと思われるリアリティのある部分と、漫画らしい極端な誇張の部分の配分が絶妙。そこはへうげものにも通じる。打ち切...
アニメコミック

Boichi(ボウイチ)『HOTEL』

いけさんフロムFR・NEO RE 壮大なるSFロマン!Boichi作品集「HOTEL」が待望のリリース!! 立ち読みで印象に残っていた作品だけど、上のいけさんのところで単行本化を知って速攻買ってきた。やはりこれは絶品。読んでいて、なぜか木城ゆきとの『飛人』を思い出した。何となく雰囲気とか全体の密度の高さとかノリとか、もちろんSF短編集であること等が似ている。神漫画『銃夢』作者の短編集と無意識に比べ...