WEB情報通信

ニコ動のプレミアム会員を増やすにはVIP会員を新設すればいいと思う

何の本に載っていた話か忘れたが、こういうエピソードを憶えている。  そのビルでは「エレベーターが来るのが遅い」という苦情が絶えなかった。  ビルのオーナーはまずエンジニアに相談した。エンジニアは機械を改良してエレベーターの速度を改善した。しかし、苦情は減らなかった。  オーナーは次にプログラマに相談した。プログラマはエレベーターの動きを制御するプログラムに改良を加えもっと効率的に動くようにした。そ...
科学技術哲学

デーヴ・グロスマン ローレン・W・クリステンセン『「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム』

『戦場における人殺しの心理学』の実践編みたいな位置づけの本。前作と共通部分が多いので、普通の人は前作のみで十分かもしれない。逆に自衛隊員・警察官・SP・警備員・消防士といった職業の人は自腹切っても読むべきだと思う。  いや……自腹というか、配られて然るべきなんじゃないのか? そもそも日本の自衛隊や警察では、ちゃんとこういう最新の研究成果に基づいた教育と訓練が行われているのだろうか? 根拠はないが絶...
科学技術哲学

パスカル・ボイヤー『神はなぜいるのか?』

原題は『説明される宗教』(Religion Explained)。原題の方が内容に忠実だ。全体の趣旨は私なりに思いっきり要約するとこう。 従来の説明 宗教は説明を与える。 宗教は安らぎを与える。 宗教は社会に秩序を与える。 宗教は認知的錯覚である。  これらはみな一理あるが不十分である。このような現在「宗教の特徴」と言われて思いつくようなものは、いくつかの大宗教の特徴であるに過ぎず、宗教全体の中で...
アニメコミック

山田芳裕『度胸星』

黒人大統領のエントリでtikaranoさんに教えていただいた。山田芳裕は最近『へうげもの』がかなり好みなので期待はしていたが、さらに想像を遙かに超えて面白かった。漫画に関してはそれなりにアンテナを張っているつもりだったのに、これを今まで読んでなかったとは大不覚。  かなり徹底した取材に基づいたと思われるリアリティのある部分と、漫画らしい極端な誇張の部分の配分が絶妙。そこはへうげものにも通じる。打ち...
アニメコミック

Boichi(ボウイチ)『HOTEL』

いけさんフロムFR・NEO RE 壮大なるSFロマン!Boichi作品集「HOTEL」が待望のリリース!!  立ち読みで印象に残っていた作品だけど、上のいけさんのところで単行本化を知って速攻買ってきた。やはりこれは絶品。読んでいて、なぜか木城ゆきとの『飛人』を思い出した。何となく雰囲気とか全体の密度の高さとかノリとか、もちろんSF短編集であること等が似ている。神漫画『銃夢』作者の短編集と無意識に比...
日常の一コマ

『ブリーズライト』他鼻腔拡張テープ・クリップなど

先週末、冬物の服や布団の出し入れと掃除でホコリが立ったせいか鼻の調子が悪かったので、急にGIGAZINEの記事を思い出してブリーズライトを買ってきた。  二、三日使用してみて確かに効き目はある気がする。今回のような場合にたまに使ってもいいかなと思える。呼吸大事だね!  唯一の問題はバカ高いということ。経験上こういう商品は、トップのものの広告費が高いだけで実質的に同じ商品がもっと安く売っているものだ...
政治経済社会

藤原辰史『ナチス・ドイツの有機農業―「自然との共生」が生んだ「民族の絶滅」』

今もシュタイナー教育などに名を残し、真面目に受け取っている人もいるルドルフ・シュタイナーと有機農法の話から始まって、自然を愛し全ての生命と共生しようという思想がなぜ大量殺人のような結果を生んだのかを巡る話に繋がっていく。  私はこれとかこれとかナチスネタには目がないのだが、この本と『ナチスと動物』『健康帝国ナチス』の2冊はどれも素晴らしく、“いまここにいるナチス”三部作とでも勝手に命名しておすすめ...
科学技術哲学

ウィリアム・パウンドストーン『天才数学者はこう賭ける―誰も語らなかった株とギャンブルの話』

クロード・シャノンといえば情報理論を1人で生み出し完成させたと言われる、今日のコンピュータ化世界を作った立役者の一人。そのシャノンの人生と絡めてギャンブルと金融市場に関する理論とアメリカ社会の歴史を描くという本。  ちょうど同じウィリアム・パウンドストーン著でフォン・ノイマンにスポットを当てた『囚人のジレンマ』と同じような構成だ。彼の本はどれも最高クラスに面白く、もちろんこの本もつまらなくはないの...