科学技術哲学

グレッグ・イーガン『宇宙消失』

量子力学を初めて知ったときには誰でも「この確率を自由に操作できたら俺無敵!」って思うものだ。  だが、よもやそのまんまのネタを一本のSF小説にしてしまって、しかもそれが結構面白いんだから恐れ入る。  SFとしても十分面白いし、裏ギャグ的な面白さもあるし文句ない。  これでたぶん今出ているグレッグ・イーガンの本は一通り読んだが、長編では『ディアスポラ』>>『宇宙消失』=『順列都市』>『万物理論』ぐら...
ゲーム森羅万象

ある意味集大成『ぷよぷよ!』

内容よりもバグによる回収で話題になってしまった本作。個人的にはフィーバールールは嫌いだし、新しい特殊ルールはどれもくだらないものばかりだし、キャラたちも昔の方が好きだったのでかなり不満。  しかし客観的にはかなりまとまった出来ではある。なんと言っても外でできるという点とWi-Fi対戦ができるという2点は大きい。チュートリアルモードも充実しているのでむしろ昔にこだわりのないぷよぷよ初心者にこそ薦めら...
WEB情報通信

Microsoft Comfort Optical Mouse 3000 Metallic Blue D1T-00008

キーボードをRealforceにするにあたってマウスも変えたのだが、その時からずっと気に入って使っているのがこれ。  気に入った最大の特徴は無段階方式でぶんぶん回せるホイールの軽さ。ホイールは主に画面のスクロールに頻繁に使うのでここは最大のポイントなのだ。  ホイールで横スクロールができるという機能もあって、その機能自体は全く使っていないが、なんとなく横方向の「あそび」がホイールの使い心地に貢献し...
ゲーム森羅万象

神といえども逃れられぬジレンマ『ゼルダの伝説トワイライトプリンセス』

前に書いたように冒頭で詰まり、その後も序盤のうちにたびたび詰まって不親切さを感じたため、攻略サイトと首っ引きで駆け足でクリア。それでもかなり時間がかかった。  FC(ディスクシステム)の初代・SFCの『神々のトライフォース』から一足飛びにプレイしたんでいろいろと思うところがあった。  もちろんマリオに次ぐ任天堂の看板タイトル『ゼルダ』であるからいつも通りすごい完成度であることには間違いない。Wii...
日常の一コマ

花粉将軍到来

大気が催涙ガスに転じる憂鬱な季節がやってきた。「今年は暖冬で早めに来ると言われているから早めに病院に行こうかなあ」と思っていた先週の土曜日にきっちり発症した。  医者でアレグラという飲み薬と、ひどい時用の目薬と鼻スプレー(ほとんど使わない)をもらい、さらにマスクと、花粉が多そうな日には防護メガネも着用することにする。これでほぼ症状は押さえられ普通に生活できる。  アレグラという薬は去年から使ってい...
ゲーム森羅万象

ロックマン2の曲に歌詞がついた『思い出は億千万』(通称おっくせんまん)

本当に世の中(とは言ってもごく狭い世界の話だけど)何が流行るかわからんな。  曲のかっこ良さで知られたファミコン時代のロックマンの中でも指折りの名曲である2のワイリーステージ前半に歌詞がついたバージョン。実際に歌っちゃってる人もいるらしい。  私は一応1,2,3は全部現役でやった世代なんでなんか懐かしい。勝手に歌詞つけて遊ぶのもやったおぼえがある。ここには書けないような系統のものだったが。  しか...
政治経済社会

デーヴ・グロスマン『戦場における人殺しの心理学』

うーん、これは非常に面白かった。私なりの要約。  研究によると古今東西の兵士は想像以上に敵を殺せていない。というより殺そうとしていない。殺せても強烈なトラウマに悩んで社会不適合になったりする。それは人間には殺人に対する凄まじい心理的抵抗が存在するからだ。  そのような抵抗を持たない“生まれながらの兵士”も1%とか2%とかそんな割合で存在し、優秀な兵士となる。しかし多くの普通の兵士に敵を殺すことがで...
映画・ザ・ムービー

『墨攻』 オススメ度 6/10

「墨攻」とはもちろん大量の墨汁を敵の城に流し込んで服や書物を台無しにして戦意をくじく計略……ではなくて、「墨守」もじった原作小説のタイトル。  どこかのサイトで「矢一本で敵軍を追い返し……」とかなんとかいうのを憶えていたので同じ中国映画の『英雄』とか『LOVERS』みたいなハチャメチャアクションで脳味噌カラッポでスッキリー!!  な感じを期待して見に行ったら、いろんな意味で全然違って結構真面目で意...