政治経済社会 ニセ科学批判はタマネギの皮を剥くように たまたま具体例が続けて目に入ったので、いわゆるニセ科学批判批判に対する自分の立場。まずガザ地区に侵攻したイスラエルの白燐弾の話。 ミリタリー系に全然興味がなく兵器の知識も戦闘に関係する法律・条約の知識もゼロに近い私は、この件に関してもほとんど何も知らないのだが、一部に「ちょうかがくへいき」的なデマを吹聴している人間がいるのは、ぱっと見にも事実だろう。 私は、尊敬する海外の著述家が一人残らずユダヤ系... 2009.1.30 政治経済社会
科学技術哲学 アルフレッド・W.クロスビー『ヨーロッパ帝国主義の謎―エコロジーから見た10~20世紀』 アルフレッド・クロスビーつながり4冊目。それなりに面白かったが、『銃・病原菌・鉄』とほぼ完全に重複する内容であり、そちらの方が時代的にも後でより洗練されているので『銃・病原菌・鉄』を読んだことがある人は、差分の分しか面白くないかもしれない。訳者あとがきより。 本書の原題はEcological Imperialism: The Biological Expansion of Europe, 900-... 2009.1.9 科学技術哲学
科学技術哲学 ウィリアム・パウンドストーン『選挙のパラドクス―なぜあの人が選ばれるのか?』 アローの不可能性定理社会選択理論投票の逆理戦略投票 のような内容に関する本。今のところ候補ごとに1〜10点などと評価をつけさせる範囲投票が一番ましに見えるという結論らしい。 当たり前だが具体例がアメリカの話ばかりなので、読んだ面白さはウィリアム・パウンドストーンの他の著作に比べると大分劣ってしまう。 これらの話題に関しては昔もっと簡単に面白みを伝える本を読んだ記憶があって、そちらを同時に紹介したい... 2009.1.7 科学技術哲学
科学技術哲学 ビョルン・ロンボルグ『環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態』 昨日の映画と、『生物多様性という名の革命』の山形浩生で思い出した。 要するに「このままではもうすぐ人類は滅亡する!」みたいな恐怖を煽るお決まりの話には眉に唾つけて、環境対策はリスクとコストとベネフィットを総合的に判断してやろうぜ、という話。 核融合エネルギーの実用化可能性について楽観的すぎたりとか、つっこみたくなるところはいくつかあるが概ねまともと言ってよい内容。 ただし、これに便乗したかのように... 2008.12.20 科学技術哲学
映画・ザ・ムービー 『POSTAL/ポスタル・ザ・ムービー』が予想外に神でやばい件につきまして ポスタルという一部で有名な残虐洋ゲーのシリーズがございます。初代は単なる虐殺作業ゲーでございますが、二作目の『ポスタル2』は強烈な社会風刺がゲーム性と見事に結合して、ひとつの巨大なブラックジョークの塊となった世界を満喫できる、不謹慎ゲー史上稀に見る大傑作なのでございます。 史上とは言いましても、私はそもそもグロですとかホラーですとかは幼少の頃から大の苦手でございまして、まともにプレイできた残虐ゲー... 2008.12.3 映画・ザ・ムービー
科学技術哲学 デヴィッド・タカーチ『生物多様性という名の革命』 うむむ、もともとある下心を持って借りてきたのであって、良い本だと期待していたわけではないのだが、これではちょっとグダグダ過ぎて叩き台にも使えない。 amazonリンク先の山形浩生の書評にほぼ同意する。多様性擁護がこんなスピリチュアルしなくちゃできない議論だと思われたらかえって迷惑だ。参考リンク地球温暖化や生物多様性の発見から政治へ 『生物多様性という名の革命』 - leeswijzer: boek... 2008.12.1 科学技術哲学
ガイア教の天使クジラ ガイア教の天使クジラ33 ジョン・C・リリー『イルカと話す日』 6/8 【第32回】 【目次】 【第34回】 前回でリリー博士に関しては最大の山場を越えたが、まだいくつか興味深い部分が残っているので『イルカと話す日』から抜き書き風に進めよう。第一章 イルカに関する新学説の展開 イルカに関する学説を最初に記録したのはアリストテレスである。その著作『動物誌』の中で、アリストテレスはイルカに関して鋭い観察を数多く書き記しており、イルカが胎生であること、授乳すること、呼吸をす... 2008.11.25 ガイア教の天使クジラ
政治経済社会 前田高行『アラブの大富豪 』 “アラブの石油王”なんて表現はフィクションではお馴染み……かと言えばそうでもないな。イスラム圏なので文化の壁もあるだろう。そもそも本当の金持ちというのは、自分がいくら金を持っているかも、どのように運用しているかも秘密にするものだそうである。 まあ確かにそうだろう。近代的な会計制度によって財務がオープンになる企業を通して金持ちになるという私たちが当たり前だと思っているスタイルが、むしろ最近になって生... 2008.11.21 政治経済社会