書評

Xevo

中島聡『おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由』

会長の本が出ました。WEBからの再録も多く普段ブログを読んでいる人にはそう目新しいことでもないかもしれませんが、第三章の特別対談はどれもかなり面白かったです。 Part1 西村博之 Part2 古川享 Part3 梅田望夫 おまけ  これは面白い。教育効果も高そう。早くもロケット作っちゃってる人たちまでいます。 【ニコニコ動画】ピタゴラスイッチが楽しめるソフト Phun
科学技術哲学

ジェームズ・ローレンス パウエル『白亜紀に夜がくる―恐竜の絶滅と現代地質学』

恐竜の絶滅が隕石衝突によるものだというのは今日時点ではほぼ定説だが、少なくとも私の子供の頃はそうではなかった。出てきたのも受け入れられたのも比較的最近の話だ。  受け入れられたとはいっても、その道は必ずしも平坦ではなかった。地質学と進化論はそれぞれノアの大洪水と天地創造という聖書のドグマと戦うことで始まったようなものである。  その出自のせいもあって、(神の介入のような)偶然で突発的な大事件による...
科学技術哲学

ジョン・D・バロウ『宇宙の定数』

物理定数を主軸に据えた本。分野は『宇宙のランドスケープ』に近いが、過去の歴史も面白い。  まだしっかり確立している話ではないようだけど、実際に微細構造定数が変わっていることを示唆する具体的な観測があるというのは初めて知ったかな。かなりおすすめ。  ジョン・D・バロウの本はどれも面白い。 おまけ  変わるものと変わらぬもの。 【ニコニコ動画】ポケモンの名前や必殺技を外国語に翻訳⇒日本語に再翻訳してみ...
ガイア教の天使クジラ

ガイア教の天使クジラ12 ビクター・ケラハー『クジラの歌がきこえる』

【第11回】 【目次】 【第13回】  いよいよ本当の3人目、真打ち登場だ。金の星社「ときめき文学館」シリーズ『クジラの歌がきこえる』を一緒に読んでいこう。ちなみに奇しくも著者は今話題のオーストラリア人。 1 クジラのかげ 「クジラさん、お願い、もう一度、すがたを見せてちょうだい。」  クレアは、はげしい風と雨の中でひとみをこらしていた。 (中略)  クレアは、夏をすごすために群れをつくって南にむ...
WEB情報通信

藤沢晃治『頭のいい段取りの技術』

弾さんがえらくお薦めしてたように見えたので買ったけど……アレ? よく見たらちゃんと 今年最も速く読了した本。何と一分を切っていた。  って書いてあるじゃん! ちゃんとエントリ読まない自分が悪いんだけどさ。この本自体も内容的には悪い本じゃないんだがamazonプライムで買いやすいからって安易にポチってしまう傾向は直さねば。 おまけ  “段”しか共通点がないゾ。 【ニコニコ動画】ASIMO、階段を登る
科学技術哲学

フリーマン・ダイソン『多様化世界―生命と技術と政治』

『ガイアの素顔』をきっかけにフリーマン・ダイソンを読み直していたのだが、何年かぶりに読み返したこの『多様化世界』はやはりすごい。  ソ連崩壊などで古くなった――もっとも初めて読んだときにもすでにソ連は崩壊してたが――部分はもちろんあるが、少々の古さなどものともさせないパワーがある。私の価値観形成にもかなり影響を与えている重要な本である。  今後何かの機会に引用したくなりそうな部分も結構あるし、何よ...
科学技術哲学

2007年ブログネタ在庫一掃セール「本」編

今年読んだ本、またはずっと紹介したいと思っていた本の中から、紹介タイミングがないままの本をまとめて一挙紹介。  ★は1-5個でオススメ度を表す。人に薦める価値もないと思うものはそもそも取り上げないので、1個でもつまらないという意味ではない。十分おすすめである。 『彼らが夢見た2000年』★★  アンドリュー・ワット著。1900年の人間は2000年の世界をどのように想像したか。 『見えざる左手―もの...
科学技術哲学

チャールズ・サイフェ『宇宙を復号する―量子情報理論が解読する、宇宙という驚くべき暗号』

考え出された当初は予想もしなかった物事にまで応用されるというのは理論の価値の最高の証明であるが、その点でクロード・シャノンの情報理論は比類ないものであろう。  熱力学・生化学・宇宙論・量子力学・相対性理論などを情報理論との関連という切り口からまとめた良書。若干求められている前提知識が高めな気がするがかなりおすすめ。 科学なニュースとニュースの科学:この本読んだ? 2007年注目の科学ノンフィクショ...