書評

政治経済社会

ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』

書評 「社会はなぜ左と右にわかれるのか」 - shorebird 進化心理学中心の書評など  なかなか面白い。私がドーキンス兄貴の『神は妄想である』等の主張に感じている不満をうまく代弁してくれている感じがある。  shorebird先生の指摘通りグループ淘汰に関して理解が間違っているのが残念だが、メインの主張の価値は損なわれていないように思われる。  私の理解で一番重要な要点をまとめるとこうだ。 ...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2015年5月版

『アイリウム』★  小出もと貴著。飲んでから一定時間後に、飲んでからその時までの記憶を失う(主観的には未来にワープする)薬をテーマとしたショートショート集。ちょっと面白い。 『系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史』★  長谷川政美著。『祖先の物語』に似てる。 『知のトップランナー149人の美しいセオリー』★★★★  企画の性質上、当然玉石混淆ではあるけど、かなり面白い。Edge.orgにも興味...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2015年4月版

『ブラックホールで死んでみる―タイソン博士の説き語り宇宙論』★★★★  ニール・ドグラース・タイソン著。久しぶりに痛快な科学啓蒙エッセイ集。ただしほぼ天文・物理限定。 『イスラーム国の衝撃』★  池内恵著。流行りもの。 『カミヤドリ』★★★  三部けい著。個性がないのが個性というか。ほんとにこの人はなんというか良くも悪くもプロフェッショナリズムを感じる。 『神宿りのナギ』★★  三部けい著。なんか...
政治経済社会

センディル・ムッライナタン エルダー・ シャフィール『いつも「時間がない」あなたに:欠乏の行動経済学』

センディル・ムッライナタン著、エルダー・ シャフィール著。原題"SCARCITY: Why Having Too Little Means So Much"(『欠乏:なぜ少なすぎる分しか持たないことがそれほど多くのことを引き起こすのか』) 何かに集中すると、それ以外のことはおろそかになる 貧しいと、裕福な時よりも、やりくりを心配しなければならない 予測不能なトラブルによる被害は、それを吸収する余裕...
政治経済社会

エンリコ・モレッティ 『年収は「住むところ」で決まる 雇用とイノベーションの都市経済学』

原題"THE NEW GEOGRAPHY OF JOBS"(新しい職の地理学)。タイトルは煽りっぽいが、副題の『雇用とイノベーションの都市経済学』は、原題以上に内容をよく表している。  ネットが発達したからどこに居ようと関係がないというのは間違いで、顔を合わせることによる効果は大きいということ。  よい都市には良い職も良い人間も集まり、それがますます都市を良くするという好循環が働くという話。(もち...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2015年1月版

『大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか』★★★  ガブリエル・ウォーカー 著。なかなかいい啓蒙書。 『精神科医が教える集中力のレッスン』★  西多昌規著。特段新しい知見はなかったが。 『世界一即戦力な男――引きこもり・非モテ青年が音速で優良企業から内定をゲットした話』★  菊池良著。ちゃんと見てなかったがあのときのネタか。 『気が遠くなる未来の宇宙のはなし』★  佐藤勝彦著。 『なぜあの...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2014年12月版

『リスクを取らないリスク』★★★  堀古英司著。ありがちな自己啓発本のような、いまいちそそらないタイトルだが、まともな経済・金融本。おすすめ。 『カエルを食べてしまえ!』★  ブライアン・トレーシー著。こちらこそありがちな自己啓発本だけど、的を絞っていてよい。 『ねずみに支配された島』★  ウィリアム・ソウルゼンバーグ著。『捕食者なき世界』と同著者。やはり思想的にはいけ好かないが、興味深いのは否定...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2014年11月版

『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』★★★★  岸見一郎著、古賀史健著。源流というだけあってなかなか面白い。ほとんどは単なる自己啓発の屁理屈のように見える反面、自己欺瞞の考察として先進的な部分もあるように見える。 『2ch、発言小町、はてな、ヤフトピ ネット釣り師が人々をとりこにする手口はこんなに凄い』★  Hagex著。ちょっとおもろい。 『職業”振り込め詐欺”』★  NHKス...