進化

科学技術哲学

ダンバー数人委員会

陰謀論(ウォッチ)業界でよく見る(?)悪の秘密結社の名前に三百人委員会というものがある。  30人委員会や3000人委員会でなく、3万人委員会でも3億人委員会でもなく、あくまで300人委員会であり、300という数がロビン・ダンバーいうところのダンバー数の上限あたりにほぼ一致するのは興味深い。  利害でまとまったひとつのグループとして、人間が自然に想像できる限界の数がちょうどそれぐらいであるというこ...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年10月版

『右利きのヘビ仮説―追うヘビ、逃げるカタツムリの右と左の共進化』★★★  細将貴著。面白い。内容についてはshorebird先生にお任せ。 書評 「右利きのヘビ仮説」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『進化――生命のたどる道』★★★  カール・ジンマー著。これも。 書評 「進化:生命のたどる道」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『幸福優位7つの法則 仕事も人生も...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年9月版

『エルフェンリート』★  岡本倫著。怪作と聞いていたかが確かに怪作。好みは割れそう。私は拒否もしないが特別好きでもない。アニメ未見。 『石の花』★★★★  坂口尚著。何かで思い出した。確かに面白いし、紛れもなく名作ではあるんだが、どこか『ユーゴ戦士ノーガンダム』って言葉が頭に浮かんでくる感じの軽さが拭えないのだな。なんでだろ。 『影武者徳川家康』★★★★  隆慶一郎著。いつかジャンプでやってたのを...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年8月版

『日出処の天子』★★★★  大昔読んだことあるはずだけど、再読。やっぱ面白いなあ。 『マンガの力?成熟する戦後マンガ』★★  夏目房之介著。『日出処の天子』の話があったなあと思いだした。結構面白かった記憶がある。 『リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』★★  エリック・リース著。なかなか示唆に富む。 『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件』★  豊田正義著...
科学技術哲学

ジェフリー・F・ミラー『恋人選びの心―性淘汰と人間性の進化』

以前詳細に紹介すると言った*1ものの、どれだけ先になるかわからないし、重要な部分が多すぎてほとんどそのまんまにならざるを得ないので、考えを変えて先におすすめだけしておくことにした。  要点は、人間特有の高度な知性・言語・芸術・道徳などは、クジャクにとっての尾羽のように、性淘汰における適応指標形質として進化したということだ。私は、この見方は基本的に正しいと考える。  20世紀第4四半期で最も重要な進...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年6月版

『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』★★  ティナ・シーリグ著。「起業しか眼中にない超エリート学生専用」みたいな雰囲気がちょっとあるが、面白い。 『成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝―世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者』★★★★  レイ・A・クロック著、ロバート アンダーソン著。予想外に引きこまれた。ううむ、これがアメリカンドリームか、これが資本主義...
おすすめ書評まとめ

おすすめ本書評まとめ2012年3月版

『こんなに違う!世界の性教育』★★  橋本紀子監修。ためになる。 『しあわせ仮説』★★★★★  ジョナサン・ハイト著。非常に面白い。生きていく上でも役に立ちそうだ。 書評 「しあわせ仮説」 - shorebird 進化心理学中心の書評など 『大絶滅 ―2億5千万年前,終末寸前まで追い詰められた地球生命の物語―』★  Douglas H.Erwin著。いわゆるP-T境界の大量絶滅に関する本。 『コン...
科学技術哲学

シンギュラリティ(技術的特異点)はとっくに過ぎている

神様はどこにいるか? - 言語ゲーム  最近UIEジャパンに入社した山宮隆さんのエントリを読んでいて、いつかしようと思っていた技術的特異点の話を思い出した。  私はレイ・カーツワイルの言うような意味でのシンギュラリティの概念は眉唾だと考えている。  確かに、いかなる人間よりも賢い人工知能を作ることはそう遠くない将来に実現する。(考えようによっては既にできている。)しかし、そのAIを作る(作った)の...